メタディスクリプション: 相続の準備がどこまで進んでいるかを7カテゴリ・約30項目でセルフチェックできる2026年版の総合診断チェックリストです。遺言書・財産整理・デジタル資産・相続人確認・税務対策・認知症後見・葬儀の希望まで、不足している分野がひと目でわかり、対応する解説記事にすぐアクセスできます。
公開日: 2026年9月8日 最終更新日: 2026年9月8日
監修: DEN編集部(終活・相続情報の調査・執筆を専門とする編集チーム)
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・医療に関する個別相談ではありません。相続・遺言・税務・後見制度に関する具体的な判断が必要な場合は、弁護士・税理士・司法書士などの専門家にご相談ください。本記事は2026年9月時点の情報にもとづいて作成しており、法改正等により内容が変更される場合があります。
はじめに:なぜ今、相続診断チェックリストが必要なのか
「相続の準備は何から始めればいいのか分からない」「一通り済ませたつもりだが、抜け漏れがないか不安」——終活や相続の情報収集を進めるほど、こうした声を耳にするようになります。
背景には、制度面の変化もあります。相続登記の義務化(2024年4月1日施行、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記申請しないと10万円以下の過料の対象となり得ます)に加え、住所・氏名の変更登記についても義務化が進められています。さらに2026年6月に成立した民法等の改正では、パソコンやスマートフォンで作成できる「デジタル遺言(保管証書遺言)」制度の創設が盛り込まれました。制度が変わるたびに、「自分の準備は今の基準で十分なのか」を見直す必要が出てきます。
本記事では、相続準備を7つのカテゴリ・約30項目に整理した総合チェックリストを用意しました。当てはまる項目・当てはまらない項目を確認しながら、不足している分野については、それぞれ詳しく解説した記事へのリンクを設けています。まずは自分の現在地を知るところから始めていただければと思います。
チェックリストの使い方と診断の目安
各カテゴリのチェック項目のうち、当てはまる(=すでに対応できている)ものにチェックを入れてください。全項目にチェックが入れば準備が完了しているという単純なものではありませんが、当てはまる数はおおよその目安になります。
- チェックがおおむね8割以上:主要な準備は進んでいる状態です。定期的な見直し(法改正・家族構成の変化への対応)を意識しましょう。
- チェックが5〜8割程度:一部の分野に手つかずの項目が残っています。特にチェックが少ないカテゴリから優先的に着手することをおすすめします。
- チェックが5割未満:多くの項目が未着手の状態です。すべてを一度に終わらせようとせず、家族と話しやすいテーマ(財産の整理や葬儀の希望など)から一つずつ進めるとよいでしょう。
重要な注意点:このチェックリストは、あくまで相続準備の状況を振り返るための自己診断の目安です。当てはまる数の多少によって法的な優劣や有利・不利が決まるものではなく、医学的診断や法的助言に代わるものでもありません。個別の状況によって必要な対策は異なるため、具体的な判断は専門家にご相談ください。
①遺言書・遺産分割の準備
- [ ] 遺言書を作成しているか
- [ ] 遺言書の内容を最近見直したか
- [ ] 遺言執行者を指定しているか
- [ ] 遺産分割の方針を家族と話し合ったか
遺言書は一度作れば終わりというものではなく、家族構成や資産状況の変化に応じて見直しが必要です。エンディングノートと遺言書はそれぞれ役割が異なるため、両方を組み合わせておくことが重要とされています。詳しくは「エンディングノートだけで大丈夫」は危険|遺言書と組み合わせて初めて家族を守れる理由をご覧ください。
また、遺言書で指定した相続人が自分より先に亡くなるケースへの備えも見落とされがちなポイントです。遺言書で指定した相続人が先に死亡したら?代襲相続との違いと予備的遺言による対処法で解説しています。
遺言書がない場合、遺産分割は相続人全員の話し合い(遺産分割協議)によって進めることになります。話し合いがまとまった内容を書面化する際の実務は遺産分割協議書の書き方完全ガイド|必要事項・雛形・実印まで解説を参考にしてください。
②財産・資産の整理
- [ ] 全財産(不動産・預貯金・保険・株式等)を把握しているか
- [ ] ネット銀行・仮想通貨の情報を記録しているか
- [ ] 生命保険の受取人指定を確認したか
- [ ] 借金・連帯保証債務を把握しているか
財産の全体像を把握できていないと、相続発生後に家族が思わぬ苦労をすることがあります。特に、口座は本人が亡くなった時点で凍結される場合があり、葬儀費用の支払いに影響することもあります。親が亡くなったら銀行口座はすぐ凍結される|葬儀費用が払えない前に知っておく5つの対策であらかじめ流れを確認しておくと安心です。
生命保険は受取人指定によって扱いが大きく変わります。死亡保険金がどのような位置づけになるかは死亡保険金は相続財産?みなし相続財産の仕組みと非課税枠・相続放棄との関係を徹底解説で整理しています。
借金や連帯保証債務は、プラスの財産と同様に相続の対象になります。負債が資産を上回りそうな場合の選択肢として、相続放棄の手続き完全ガイド|期限3ヶ月・必要書類・単純承認の落とし穴を解説も確認しておきましょう。
③デジタル資産の整理
- [ ] スマホ・PCのパスワードを家族が把握できるか
- [ ] SNSアカウントの死後の扱いを決めているか
- [ ] サブスクリプションの一覧を作成しているか
デジタル資産は、存在自体が家族に伝わっていないことが多く、相続準備のなかでも見落とされやすい分野です。パスワード管理の方法については終活アプリ比較【2026年版】エンディングノート・資産管理・パスワード管理アプリのおすすめと注意点で複数のサービスを比較しています。
携帯電話については、解約のタイミングを誤ると二段階認証の受信先を失うなど、かえって手続きが滞ることがあります。故人の携帯はすぐ解約してはいけない|解約前チェックリストと最適タイミング完全ガイドで手順を確認しておくと安心です。
④家族・相続人の確認
- [ ] 法定相続人が誰かを把握しているか
- [ ] 疎遠な相続人・行方不明の相続人がいないか
- [ ] 相続人に争いの種がないか確認したか
法定相続人の把握には、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本をすべて集める必要があります。手続きの流れは相続の戸籍謄本の集め方完全ガイド|種類・費用・郵送請求から法定相続情報証明制度までで解説しています。
相続人のなかに連絡が取れない・所在が分からない方がいる場合、遺産分割協議が進められなくなります。相続人が行方不明で遺産分割協議が進まない…不在者財産管理人・失踪宣告の手続きと費用を解説で対処法を確認できます。
相続人同士の関係性によっては、遺産分割をめぐるトラブルに発展することもあります。実際の手口や防ぎ方は遺産を独り占めされた…その手口と対処法|遺言書で防ぐ相続トラブルの正しい知識を参考にしてください。
⑤税務・節税対策
- [ ] 相続税の試算をしたか
- [ ] 生前贈与の計画を立てているか
- [ ] 小規模宅地特例の適用可否を確認したか
相続税には基礎控除や非課税枠があり、生命保険についても一定額が非課税となる仕組みがあります。詳しくは生命保険の相続税非課税枠(500万円×法定相続人)を徹底解説|計算方法・活用法・注意点をご覧ください。
生前贈与を計画する際は、税務署がどのように資産の動きを把握しているかを知っておくことも役立ちます。気づかないうちに脱税に?国税庁「KSK」システムが把握している情報とバレる仕組みで仕組みを確認しておきましょう。小規模宅地特例のような各種特例は要件が細かく定められているため、適用可否については税理士への相談が特に重要な分野です。
⑥認知症・後見の備え
- [ ] 任意後見契約を締結しているか
- [ ] 家族信託を検討したか
- [ ] かかりつけ医との連携ができているか
判断能力が低下した後に利用される法定後見制度には、費用面などいくつかの課題が指摘されています。法定後見制度の7つの問題点|月2〜6万円の報酬が死ぬまで続く理由と発症前にやるべき3つの対策を踏まえ、判断能力があるうちに任意後見契約や家族信託を検討しておくことが備えになります。
ただし家族信託は制度設計を誤ると本来の目的を果たせなくなることがあります。家族信託の失敗事例7選|設計ミス・運用ミスで逆効果になる注意点と防ぐ方法で実例を確認しておくと、専門家との相談がより具体的になります。
認知症の進行後は、詐欺や悪質商法の被害に遭うリスクも高まります。契約の取消しに関する法的な仕組みは認知症の親が詐欺・悪質商法の被害に!契約は取り消せる?民法96条・9条・消費者契約法4条を徹底解説で解説しています。
⑦葬儀・お墓の希望
- [ ] 葬儀の形式・規模の希望を伝えているか
- [ ] お墓・納骨先を決めているか
- [ ] 献体・散骨等の希望を記録しているか
葬儀は準備期間が短いなかで多くの決定を迫られるため、後悔につながりやすい場面でもあります。葬儀の失敗事例集|後悔しないための注意点とカテゴリ別対策で具体的なポイントを確認できます。
納骨先については、既存のお墓を整理するお墓じまい・永代供養の費用相場と手続き完全ガイドや、散骨・樹木葬といった従来とは異なる弔い方を比較した散骨・樹木葬・宇宙葬はどれが合法?法的根拠と費用相場を徹底比較【2026年最新版】も参考になります。医学・歯学教育への遺体提供という選択肢については献体とは?方法・手続き・メリットデメリットを解説|登録の流れと注意点で詳しく解説しています。
2026年の法改正で押さえておきたいポイント
チェックリストの各項目とあわせて、2026年時点で進行している制度変更も押さえておきましょう。
- 相続登記の義務化:2024年4月1日から施行されており、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記申請を行わないと、正当な理由がない場合10万円以下の過料の対象となり得ます。これに加え、住所・氏名の変更登記についても義務化が進められています。
- デジタル遺言(保管証書遺言)制度の創設:2026年6月に成立した民法等の改正により、公的機関による本人確認・真意確認の仕組みのもとで、パソコンやスマートフォン等を用いて作成できる新しい遺言の方式が創設されました。施行時期は公布から2年6か月を超えない範囲で今後政令により定められる予定です。
いずれも制度の詳細や適用範囲は今後さらに明確化される見込みです。最新の運用については、法務省など公的機関の発表を確認することをおすすめします。
チェックリストで見えた不足をエンディングノートで一元管理する
7つのカテゴリを見比べてみて、いかがだったでしょうか。多くの方にとって、すべての項目にチェックが入るケースは少なく、いくつかの分野に「まだ手をつけていない」項目が残るのが実情です。
大切なのは、不足に気づいたときにそれをどこかに書き残し、家族と共有できる状態にしておくことです。紙のエンディングノートでも構いませんが、遺言書・財産情報・デジタル資産・後見契約・葬儀の希望など、性質の異なる情報を一元管理しようとすると、保管場所が分散したり、更新が追いつかなくなったりすることがあります。
デジタル終活を効率的に進めたい方は、DENのモニター募集をご確認ください。
すでに終活を進めている方でも、こんな失敗パターンに当てはまっていないか、あらためて確認してみるとよいでしょう。終活の失敗パターン18選チェックリスト|あなたは何個当てはまる?実例から学ぶ危険度診断もあわせてご覧ください。専門家への相談費用が気になる方は、相続手続きで使える公的支援・無料相談窓口まとめ|お金をかけずに進める制度一覧も参考にしてください。
DENは、相続・遺言・終活に関する大切な情報を暗号化して安全に保管するデジタル終活サービスです。現在、サービス開始に向けてモニターを募集しています。詳細はこちら
よくある質問(FAQ)
Q1. このチェックリストで何個当てはまれば「準備万端」と言えますか?
明確な合格ラインはありません。チェック数はあくまで自己診断の目安であり、家族構成や資産状況によって必要な準備の内容や優先順位は異なります。チェックが少ない分野があれば、そこから優先的に取り組むための参考としてご活用ください。
Q2. チェックリストの項目は誰にでも当てはまりますか?
いいえ。たとえば家族信託や事業承継に関する項目は、資産内容や家族構成によって必要性が大きく異なります。すべての項目を無理に埋めようとせず、ご自身の状況に関係のある項目から確認することをおすすめします。
Q3. 相続税の試算は自分でできますか?
概算であれば国税庁が公開する情報などを参考に大まかな計算は可能ですが、特例の適用可否や財産評価は専門的な判断を要することが多いため、正確な試算には税理士への相談が推奨されます。
Q4. デジタル遺言(保管証書遺言)は今すぐ使えますか?
2026年9月時点では、制度は成立したものの施行日は今後政令で定められる予定であり、現時点ではまだ利用できません。施行時期については法務省など公的機関の発表を確認してください。
Q5. エンディングノートと遺言書はどちらか一方で十分ですか?
エンディングノートは法的な効力を持たない備忘録としての性格が強く、遺産分割の内容などについて法的な拘束力を持たせるには遺言書が必要です。両方を組み合わせて活用することが推奨されます。
Q6. チェックリストの内容を家族と共有する際に気をつけることはありますか?
財産状況や医療・後見に関する希望など、デリケートな内容が含まれます。一度にすべてを話そうとせず、話しやすいテーマから少しずつ共有していくと、家族の心理的な負担を抑えながら進めやすくなります。
まとめ
相続の準備は、遺言書・財産・デジタル資産・相続人・税務・後見・葬儀という性質の異なる複数の分野にまたがっています。すべてを一度に完璧にすることは難しくても、今回のチェックリストで「できていること」と「できていないこと」を可視化し、優先順位をつけて一つずつ対応していくことが、将来の家族の負担を減らすことにつながります。
チェックリストはあくまで自己診断の目安であり、個別の法律・税務判断の代わりにはなりません。具体的な手続きや制度の適用については、弁護士・税理士・司法書士などの専門家に相談しながら進めることをおすすめします。
エンディングノートのデジタル化にご興味がある方は、DENのサービス紹介ページをご覧ください。
なお、本記事は2026年9月時点の情報にもとづいて作成しています。法改正や制度の運用状況は今後変わる可能性があるため、最新情報は公的機関の発表をご確認ください。
参考・出典
免責事項
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・医療に関する個別相談ではありません。チェックリストはあくまで相続準備の状況を振り返るための自己診断の目安であり、法的・税務的な判断や専門家による助言に代わるものではありません。具体的な手続きや制度の適用可否については、弁護士・税理士・司法書士などの専門家にご相談ください。本記事は2026年9月時点の情報にもとづいて作成しており、法改正等により内容が変更される場合があります。


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