特別養護老人ホームの入居待ち期間はどれくらい?待機者22.5万人の実態と申し込み方法、早く入居する5つの方法

日差しの入る和室で、日本人の中年の娘が高齢の母親の手を取り、穏やかに語りかけている様子 終活・エンディングノート

公開日:2026年10月8日 / 最終確認日:2026年10月8日
執筆:終活・相続専門チーム(DEN編集部)

「特養に申し込んだけれど、何年待つことになるのだろう」
親の介護が重くなり、施設を考え始めたご家族から、よく聞かれる悩みです。

特別養護老人ホーム(特養)は、費用を抑えて長く暮らせる公的な介護施設です。
その分、希望者が多く、入居待ちが生じやすい施設でもあります。

ただ、入居待ちの期間は「一律に何年」と決まっているわけではありません。
地域や施設、ご本人の状況によって、数か月で入れることもあれば、数年かかることもあります。

この記事では、最新の公的データをもとに、特養の入居待ちの実態と申し込み方法を解説します。
早く入居するための方法や、待っている間にできる対策もまとめました。

本記事で分かること
– 特養の待機者数の最新データと、入居待ち期間の実態
– 特養の入居条件と、申し込みから入所までの流れ
– 申し込みのタイミングと、早く入居するための5つの方法
– 要介護1・2でも入れる「特例入所」の要件
– 入居待ちの間にできる4つの対策と相談先

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療・介護・法律・税務・投資相談ではありません。介護サービスや施設の選択については、ケアマネジャーや地域包括支援センター、お住まいの市区町村の窓口にご相談ください。個別の案件については、専門家にご相談ください。

ご注意:待機期間・待機者数は地域によって大きく異なります
本記事で紹介する数字は全国の傾向です。実際の入居待ちの状況は、市区町村や施設ごとに大きく異なります。
必ずお住まいの地域の窓口(市区町村の介護保険担当課・地域包括支援センター)や、希望する施設に確認してください。


  1. 特養の入居待ちの現実|入所申込者は全国で22.5万人
    1. 要介護度別に見た入所申込者数
    2. 待機者は減少傾向。ただし地域差は大きい
    3. 申込者数=「今すぐ入りたい人」ではない
  2. 特養の入居待ち期間はどれくらい?|公的な平均はなく、地域差が大きい
    1. 民間調査で見る待機期間の分布
    2. 待機期間が長くなりやすいケース・短くなりやすいケース
  3. なぜ特養は入居待ちが長くなるのか|4つの理由
    1. 理由①:費用が比較的安く、希望が集中する
    2. 理由②:要介護3以上が対象で、入居期間が長い
    3. 理由③:施設や介護職員の整備が追いつかない
    4. 理由④:都市部ほど需要が集中する
  4. 特養の入居条件と申し込み方法|申し込みから入所までの流れ
    1. 特養の入居条件
    2. 申し込みから入所までの流れ
    3. 入所の順番は「申し込み順」ではない
  5. 申し込みのタイミング|「まだ早い」と思った時が申し込みの時
    1. 「限界になってから」では間に合わないことがある
    2. 申し込みは無料。辞退もできる
  6. 特養に早く入居するための5つの方法
    1. 方法①:複数の施設に同時に申し込む
    2. 方法②:状態が変わったら要介護度の見直しを相談する
    3. 方法③:要介護1・2なら「特例入所」を検討する
    4. 方法④:エリアを広げて施設を探す
    5. 方法⑤:ケアマネジャーと連携して、介護の状況を正確に伝える
  7. 特例入所とは?要介護1・2でも入れる4つの要件
    1. 特例入所が認められる主な要件
  8. 入居待ちの間にできる4つの対策
    1. 対策①:在宅介護サービスをフル活用する
    2. 対策②:介護老人保健施設(老健)を一時的に利用する
    3. 対策③:有料老人ホームへの暫定入居を検討する
    4. 対策④:認知症の方はグループホームも選択肢に
    5. 待機中の選択肢の比較
  9. 認知症が進む前に、家族で決めておきたいこと
    1. 入所の手続きで必要になること
    2. 元気なうちに話し合っておきたいこと
  10. DENのエンディングノートで、申し込み状況と担当ケアマネ情報を記録する
    1. 記録しておきたい特養の申し込み情報
    2. 費用の引き落とし口座やデジタル資産も一緒に
    3. DENで、介護の情報をデジタルに残す
  11. 特養の入居待ちに悩んだら|ケアマネジャーと地域包括支援センターに相談を
    1. 相談先ごとの主な役割
  12. よくある質問(FAQ)
  13. まとめ|「まだ早い」うちに動き始めることが、家族を守る

特養の入居待ちの現実|入所申込者は全国で22.5万人

厚生労働省の最新調査では、2025年4月1日時点で特養に申し込んでいながら入所できていない人は全国で22.5万人おり、そのうち約9割が要介護3以上です。

要介護度別に見た入所申込者数

厚生労働省は2025年12月に、特養の入所申込者の状況を公表しました。
数字は、複数の施設への重複申し込みなどを除き、実際の人数に近づけたものです。

要介護度 入所申込者数 割合 うち在宅の方
要介護1 0.7万人 2.9% 0.3万人
要介護2 1.2万人 5.2% 0.6万人
要介護3 8.7万人 38.7% 4.3万人
要介護4 7.6万人 34.0% 2.9万人
要介護5 4.3万人 19.2% 1.5万人
合計 22.5万人 100% 9.5万人

出典:厚生労働省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和7年度)」(2025年4月1日時点)

申込者のうち在宅で待っている方は9.5万人です。
残りの方は、病院や老健などの施設で入所を待っていると考えられます。

待機者は減少傾向。ただし地域差は大きい

要介護3以上の申込者は20.6万人で、前回の2022年度調査(25.3万人)から4.7万人減少しました。
施設の整備が進んだことなどが背景にあるとみられ、地域によっては空きが出ている特養もあります。

一方で、都道府県別では東京都が1万8,776人(要介護3以上)と最も多く、都市部を中心に差が大きい状況です。
同じ県内でも、市区町村や施設によって状況は大きく変わります。

申込者数=「今すぐ入りたい人」ではない

厚生労働省は、この数字には「念のため申し込んでいる人」も含まれ、全員がすぐの入所を必要としているわけではないと注意を促しています。
申込者数が多い施設でも、すぐに入れる可能性がゼロとは限りません。

では、実際にはどれくらい待つことが多いのでしょうか。


特養の入居待ち期間はどれくらい?|公的な平均はなく、地域差が大きい

特養の入居待ち期間について、全国の平均を示す公的な統計はなく、民間の調査では数か月で入居できた人が多い一方、1年以上待った人も2割ほどいます。

民間調査で見る待機期間の分布

介護施設の情報サービス「ケアスル 介護」(株式会社Speee)が2026年5月に行ったインターネット調査では、特養の入居経験がある本人・家族586人に待機期間を聞いています。

申し込みから入居までの期間 割合
1か月未満 16.5%
1〜3か月未満 24.4%
3〜6か月未満 17.0%
6か月〜1年未満 19.3%
1〜2年未満 10.9%
2〜3年未満 6.5%
3年以上 5.5%

出典:株式会社Speee(ケアスル 介護)「特養の入居実態に関する調査」(2026年5月、n=586)。3〜6か月未満は、公表された他の区分から算出。

半年以上待った人は42.1%、1年以上待った人は22.9%でした。
「数年待ちが当たり前」とは言い切れない一方で、長く待つ家庭も少なくないことがわかります。

なお、この調査はインターネットでの回答をもとにしており、入居した時期や地域にばらつきがある点に注意が必要です。

待機期間が長くなりやすいケース・短くなりやすいケース

待機期間は、次のような条件で変わる傾向があります。

  • 長くなりやすい:都市部、人気の高い施設、費用の安い多床室を希望する、要介護度が比較的軽い
  • 短くなりやすい:申込者の少ない地域、新しく開設した施設、個室(ユニット型)も検討する、介護の必要性が高い

入居待ちの状況は、必ずお住まいの地域の窓口や希望する施設に確認してください。
自治体によっては、施設ごとの申込者数や空床数の一覧を公表していることもあります。


なぜ特養は入居待ちが長くなるのか|4つの理由

特養の入居待ちが生じる主な理由は、費用の安さから希望が集中すること、要介護3以上の人が対象であること、施設や人手の整備が追いつかないこと、都市部で需要が集中することの4つです。

理由①:費用が比較的安く、希望が集中する

特養は公的な介護施設で、入居一時金がかかりません。
所得に応じて、居住費や食費の負担が軽くなる制度もあります。

民間の有料老人ホームに比べて費用を抑えやすいため、希望者が集まりやすくなります。
施設ごとの費用の目安は「介護施設の費用はいくら?」で比較しています。

理由②:要介護3以上が対象で、入居期間が長い

特養は原則として要介護3以上の方が対象です。
「終の棲家(ついのすみか)」として長く暮らす方が多く、退所者が出にくい特徴があります。

理由③:施設や介護職員の整備が追いつかない

高齢化に施設の整備が追いつかない地域があります。
また、建物に空きがあっても、介護職員が足りずに受け入れを制限している施設もあります。

理由④:都市部ほど需要が集中する

都市部は高齢者の数が多いうえ、土地代が高く、新しい施設を建てにくい事情があります。
そのため、都市部ほど入居待ちが長くなる傾向があります。


特養の入居条件と申し込み方法|申し込みから入所までの流れ

特養に申し込めるのは原則として要介護3以上の方で、申し込みは無料、希望する施設に直接(または自治体の窓口を通じて)申込書を出すのが一般的な流れです。

特養の入居条件

条件 内容
年齢 原則65歳以上(40〜64歳で特定疾病により要介護認定を受けた方も対象)
要介護度 原則として要介護3以上
例外 要介護1・2でも、やむを得ない事情があれば「特例入所」の対象

要介護認定をまだ受けていない場合は、まず市区町村で申請が必要です。
認定の流れは「介護保険とは?仕組み・要介護認定7段階・申請から利用開始までの流れ」で解説しています。

申し込みから入所までの流れ

  1. 要介護認定を受ける(市区町村の窓口で申請)
  2. ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談する
  3. 施設を探して見学する(複数の施設を見ておくと安心)
  4. 申込書を提出する(施設へ直接、または自治体の窓口へ)
  5. 入所の判定を受ける(施設の入所検討委員会が優先度を判断)
  6. 順番が来たら施設と面談する(本人の心身の状態などを確認)
  7. 契約・入所

申し込みに必要な書類は、申込書のほか、介護保険被保険者証の写しなどが一般的です。
自治体によっては、ケアマネジャーが記入する意見書や、介護の状況を記入する書類が求められます。

入所の順番は「申し込み順」ではない

特養の入所の順番は、申し込んだ順番では決まりません。
多くの自治体では入所指針を定め、要介護度や介護者の状況などを点数化して、必要性の高い人から入所する仕組みになっています。

たとえば静岡市は、「入所申込者数が10人いる施設に申し込んでも、11番目になるわけではなく、必要性が高いと判定されればすぐに入所できることもある」と案内しています(静岡市「特別養護老人ホームの入所に関するご案内」)。


申し込みのタイミング|「まだ早い」と思った時が申し込みの時

入居待ちが生じやすい特養は、「まだ自宅で頑張れる」と感じている時期から申し込んでおくのがひとつの考え方です。要介護3以上の認定を受けたら、早めに検討を始めることをおすすめします。

「限界になってから」では間に合わないことがある

介護をしているご家族は、「もう少し自宅で頑張れる」と考えがちです。
しかし、介護者の体調不良や、本人の急な状態悪化は突然やってきます。

そのときになって申し込んでも、すぐに入れるとは限りません。
「まだ早いかな」と思ったときが、申し込みを考えるタイミングと言えるかもしれません。

申し込みは無料。辞退もできる

特養の申し込み自体に費用はかかりません。
順番が来たときに「まだ自宅で大丈夫」と思えば、入所を辞退することもできます。

ただし、辞退した場合に名簿から外れたり、改めて申し込みが必要になったりする自治体や施設もあります。
辞退の扱いは、申し込みの際に施設へ確認しておくと安心です。

介護認定を受けるべきタイミングについては、「介護認定を受けるべき10のサイン」もあわせてご覧ください。


特養に早く入居するための5つの方法

特養に早く入居するためには、複数の施設に同時に申し込む、要介護度の見直しを相談する、特例入所を検討する、エリアを広げる、ケアマネジャーと連携するという5つの方法が考えられます。

方法①:複数の施設に同時に申し込む

特養は、複数の施設に同時に申し込むことができます。
前述の民間調査でも、61.8%の家庭が2か所以上の特養に申し込んでいました。

ただし、申し込む施設が増えると、見学や書類の準備、順番が来たときの連絡対応も増えます。
通いやすさや施設の雰囲気も考えて、無理のない数に絞るのが現実的です。

一部の自治体では、複数の施設に一括で申し込める仕組みを設けています。
お住まいの地域のルールを窓口で確認してみてください。

方法②:状態が変わったら要介護度の見直しを相談する

入所の優先度は、要介護度が重いほど高くなる傾向があります。
認定を受けた後に本人の状態が悪化した場合は、有効期間の途中でも区分変更申請ができます。

区分変更は、あくまで実際の状態に合った認定を受けるための手続きです。
ケアマネジャーと相談しながら検討しましょう。

方法③:要介護1・2なら「特例入所」を検討する

要介護1・2の方でも、認知症や家族の状況などで在宅生活が難しい場合は、特例として申し込める制度があります。
詳しい要件は、この後の「特例入所とは?」で紹介します。

方法④:エリアを広げて施設を探す

都市部で入居待ちが長い場合、郊外や近隣の市区町村の施設も候補に入れると、選択肢が広がります。

ただし、注意点があります。
定員29人以下の地域密着型特養は、原則としてその市区町村に住民票がある人しか申し込めません。
広域型の特養は他の市区町村からも申し込めますが、地元の住民を優先して評価する自治体もあります。

家族が面会に通えるかどうかも、大切な判断材料です。

方法⑤:ケアマネジャーと連携して、介護の状況を正確に伝える

入所の優先度は、施設の入所検討委員会が、自治体の入所指針に沿って判断します。
ケアマネジャーが順番を直接上げられるわけではありません。

ただ、申込書や意見書に介護の大変さが正確に反映されているかは、判定に影響します。
介護者の体調、仕事との両立、夜間の対応の負担などを、ケアマネジャーに具体的に伝えておきましょう。
状況が変わったら、施設へ申込内容の更新を伝えることも大切です。

補足:ユニット型・新しい施設は空きが出やすいことも
個室で少人数のグループごとに暮らす「ユニット型」は、多床室より費用が高めです。
その分、多床室より申込者が少なく、入居しやすい場合があります。
新しく開設した施設も、開設直後は入居者を募集していることがあります。


特例入所とは?要介護1・2でも入れる4つの要件

特例入所とは、要介護1・2の方でも、やむを得ない事情で在宅生活が難しいと認められる場合に、特養への入所を認める制度です。

特例入所が認められる主な要件

国の指針に基づき、多くの自治体では次のような要件を示しています。

要件 内容の例
①認知症 日常生活に支障をきたす症状・行動や、意思疎通の難しさが頻繁に見られる
②知的障害・精神障害など 日常生活に支障をきたす症状・行動や、意思疎通の難しさが頻繁に見られる
③虐待 家族などからの深刻な虐待が疑われ、心身の安全・安心の確保が難しい
④家族の支援が困難 単身世帯や、同居家族が高齢・病弱などで支援が期待できず、地域の介護サービスも不十分

特例入所の申し込みでは、こうした事情を書類で説明する必要があります。
施設は、市区町村の意見も聞いたうえで入所を判断します。

厚生労働省の調査でも、要介護1・2で特例入所の対象として申し込んでいる人は1.8万人いました。
「要介護2だから無理」とあきらめる前に、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみてください。


入居待ちの間にできる4つの対策

特養の入居を待つ間は、在宅介護サービスを組み合わせて使う、老健を一時的に利用する、有料老人ホームに暫定的に入居する、グループホームを検討するといった対策で、本人と家族の負担を減らすことができます。

対策①:在宅介護サービスをフル活用する

訪問介護(ホームヘルパー)やデイサービス、訪問看護などを組み合わせると、家族の負担を軽くできます。
特にショートステイ(短期入所)は、数日から利用でき、介護者の休息にもつながります。

ショートステイを利用している施設に特養が併設されていれば、施設との関係づくりにもなります。
在宅介護と施設介護の考え方は「在宅介護と施設介護、どちらを選ぶ?」で紹介しています。

対策②:介護老人保健施設(老健)を一時的に利用する

老健は、在宅復帰を目指す方がリハビリや医療・介護を受ける施設です。
要介護1以上の方が利用でき、特養を待つ間に利用するケースもあります。

ただし、老健は長く暮らすことを前提とした施設ではありません。
定期的に退所の判定が行われるため、次の行き先を並行して考えておく必要があります。

対策③:有料老人ホームへの暫定入居を検討する

介護付き有料老人ホームなどの民間施設は、特養より入居しやすいことが多い施設です。
特養の順番が来るまでの「つなぎ」として利用し、空きが出たら移る方法もあります。

ただし、入居一時金や月額費用は特養より高くなりやすい点に注意が必要です。
途中で退去したときの一時金の返還ルールも、契約前に必ず確認しましょう。

対策④:認知症の方はグループホームも選択肢に

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、認知症の方が少人数で共同生活を送る施設です。
要支援2以上で認知症の診断があり、原則としてその市区町村に住民票がある方が対象です。

待機中の選択肢の比較

選択肢 主な対象 費用の目安 利用できる期間
在宅サービス・ショートステイ 要支援・要介護の方 介護保険の自己負担+食費など 継続して利用可
老健 要介護1以上 特養と同程度〜やや高め 在宅復帰が前提で、定期的に判定
有料老人ホーム 施設により異なる 特養より高めのことが多い 契約による
グループホーム 要支援2以上・認知症の方 特養より高めのことが多い 継続して利用可

老後の住まいの選択肢全体は、「老後の住まい、どう選ぶ?6つの選択肢を比較」もご覧ください。

介護や施設の情報を家族で共有する方法も、今のうちに考えておきたいところです。
DENのモニター募集もご確認ください。モニター募集に申し込む


認知症が進む前に、家族で決めておきたいこと

特養への入所には、施設との契約や費用の支払い、身元引受人の確認などが伴うため、本人の判断能力が低下する前に、家族で役割や方針を話し合っておくことが大切です。

入所の手続きで必要になること

  • 施設との入所契約(本人が契約者になるのが原則)
  • 毎月の費用の支払い方法(口座振替など)
  • 身元引受人や緊急連絡先の確認

本人の判断能力が大きく低下すると、契約や預金の手続きが難しくなることがあります。
その場合、成年後見制度の利用を求められるケースもあります。

元気なうちに話し合っておきたいこと

  • 施設に入る場合、どんな施設を希望するか(場所・個室か多床室か)
  • 費用をどの預金や年金から支払うか
  • 誰が手続きや面会の中心になるか
  • 任意後見や家族信託などの備えを検討するか

本人の希望を聞いておくことで、いざというときの家族の迷いを減らすことができます。
判断能力の低下に備えた制度は、専門家に相談しながら検討するのがおすすめです。


DENのエンディングノートで、申し込み状況と担当ケアマネ情報を記録する

特養の申し込みは複数の施設にわたり、待機期間も長くなりがちなため、申込先や担当者の情報を一か所にまとめて記録し、家族で共有しておくと、連絡の行き違いや手続きの漏れを防げます。

記録しておきたい特養の申し込み情報

項目 記入例
申込先の施設名・連絡先 〇〇ホーム(電話番号)
申込日・更新した日 2026年10月8日申込
施設から聞いた状況 申込者数・おおよその見込み
担当ケアマネジャー 〇〇居宅介護支援事業所・〇〇さん(電話番号)
地域包括支援センター 〇〇地域包括支援センター(電話番号)
要介護度と認定の有効期間 要介護3(〇年〇月まで)
施設からの連絡を受ける人 長女(電話番号)

特養の順番が来たときは、施設から急に連絡が入ることがあります。
連絡を受ける家族が決まっていないと、返事が遅れてしまうこともあります。

費用の引き落とし口座やデジタル資産も一緒に

施設の費用を払う口座がネット銀行だったり、年金の振込口座が家族に知られていなかったりすると、手続きのたびに困ってしまいます。
スマートフォンのロック解除の方法や、使っているネットサービスの情報も、あわせて整理しておくと安心です。

DENで、介護の情報をデジタルに残す

DEN(Digital Everlife Note)は、エンディングノートの情報をデジタルで記録し、暗号化して保管することを目指したサービスです。

  • 特養の申込先・申込日・担当者の連絡先
  • ケアマネジャーや地域包括支援センターの情報
  • 費用の引き落とし口座やネット銀行などのデジタル資産
  • 本人の希望や家族へのメッセージ

紙のノートと違って更新しやすく、待機中に状況が変わっても書き換えやすいのが特徴です。
もしものときには、家族が必要な情報にたどり着けるよう引き継ぐことを目指しています。

DENは、相続・遺言・終活に関する大切な情報を暗号化して安全に保管するデジタル終活サービスです。
現在、サービス開始に向けてモニターを募集しています。詳細はこちら


特養の入居待ちに悩んだら|ケアマネジャーと地域包括支援センターに相談を

特養の入居待ちや待機中の介護に悩んだときは、担当のケアマネジャーや、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談するのがおすすめです。

相談先ごとの主な役割

相談先 相談できること
ケアマネジャー(居宅介護支援事業所) 在宅サービスの調整、施設探し、申込書・意見書の準備
地域包括支援センター 介護全般の相談、要介護認定の申請、ケアマネジャーがいない場合の窓口
市区町村の介護保険担当課 要介護認定、入所指針、特例入所、施設ごとの申込状況
希望する特養 見学、申し込み、待機状況、辞退の扱い

まだケアマネジャーがいない場合は、まず地域包括支援センターに相談してみてください。
65歳以上の方とその家族であれば、無料で相談できます。

センターの役割や選び方は、「地域包括支援センターとは?」で解説しています。


よくある質問(FAQ)

Q1. 特養は何か所まで申し込めますか?
A. 法律上の上限はなく、複数の施設に同時に申し込めるのが一般的です。ただし、自治体によっては一括申し込みの仕組みや独自のルールがあります。お住まいの市区町村の窓口に確認してください。

Q2. 入所の順番は、申し込んだ順ですか?
A. 申し込み順ではありません。多くの自治体では入所指針を定め、要介護度や介護者の状況などを点数化して、必要性の高い方から入所する仕組みになっています。

Q3. 順番が来たときに辞退すると、どうなりますか?
A. 辞退はできますが、名簿から外れたり、改めて申し込みが必要になったりする場合があります。扱いは施設や自治体によって異なるため、申し込みの際に確認しておきましょう。

Q4. 入院中でも申し込めますか?
A. 入院中でも申し込める施設は多くあります。ただし、入所の判定では医療的なケアの必要性や退院の見込みなどが確認されます。病院の医療ソーシャルワーカーにも相談してみてください。

Q5. 要介護2ですが、特養に申し込めますか?
A. 原則は要介護3以上ですが、認知症や家族の支援が受けられないなど、やむを得ない事情がある場合は「特例入所」として申し込める場合があります。ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してください。

Q6. 特養の待機期間は、どこで確認できますか?
A. 希望する施設に直接問い合わせるのが確実です。自治体によっては、施設ごとの申込者数や空床数の一覧を公表していることもあります。待機期間は地域によって大きく異なるため、必ずお住まいの地域の窓口で確認してください。

エンディングノートのデジタル化にご興味がある方は、DENのサービス紹介ページをご覧ください。


まとめ|「まだ早い」うちに動き始めることが、家族を守る

特養の入所申込者は全国で22.5万人と減少傾向にありますが、入居待ちの状況は地域や施設によって大きく異なります。
数か月で入れることもあれば、数年かかることもあるのが実情です。

だからこそ、「まだ自宅で頑張れる」と思えるうちに情報を集め、複数の施設を検討しておくことが大切です。
要介護1・2の方でも、特例入所の対象になる場合があります。

まずは担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、お住まいの地域の状況を確認してみてはいかがでしょうか。


参考資料
– 厚生労働省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和7年度)に関する調査結果」(2025年4月1日時点、2025年12月25日公表)
– 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」
– 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「介護老人保健施設(老健)」
– 厚生労働省 介護サービス情報公表システム「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」
– 静岡市「特別養護老人ホームの入所に関するご案内」
– 株式会社Speee(ケアスル 介護)「特養の入居実態に関する調査」(2026年5月調査、2026年6月公表)

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療・介護・法律・税務・投資相談ではありません。介護サービスや施設の選択については、ケアマネジャーや地域包括支援センター、お住まいの市区町村の窓口にご相談ください。個別の案件については、専門家(弁護士・税理士・司法書士)にご相談ください。記事内の情報は作成時点のものであり、制度変更等により変更される場合があります。待機期間・待機者数は地域によって大きく異なるため、必ずお住まいの地域の窓口に確認してください。

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