公開日:2026年10月1日 / 最終確認日:2026年10月1日
監修:終活・相続専門チーム(DEN編集部)
親の預金の相続手続きで、銀行の窓口に何度も足を運ぶ。
ようやく払い戻しの目途が立ったころ、担当者からこう案内されることがあります。
「相続されたお金を預けていただくと、特別金利の定期預金がご利用いただけます」。
金利が上乗せされると聞けば、ありがたい話に聞こえます。
一方で、「その場で決めてしまっていいのだろうか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
相続定期預金は、条件が合えば有利になりうる商品です。
ただし、金利の見え方・満期後の扱い・ほかの預け先との差を知らないまま決めると、思ったほど得にならないこともあります。
この記事では、相続定期預金を勧めることも否定することもなく、判断に必要な材料を整理してお伝えします。
本記事で分かること
– 相続定期預金の仕組みと、地方銀行などの実際の条件例
– メリットと、見落としやすいデメリット・注意点
– 「3ヶ月・年2.0%」で実際に付く利息の計算方法
– 相続手続きの「ついで」に決めてしまう心理的な落とし穴
– ネット銀行・個人向け国債と比べる判断基準
– 窓口で「持ち帰って検討します」と伝えるための質問リスト
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・投資相談ではありません。特定の金融機関・金融商品の購入や利用を勧めるものではなく、また特定の金融機関・金融商品を評価・批判するものでもありません。投資信託などの運用商品には元本割れのリスクがあります。個別の判断については、専門家(ファイナンシャルプランナー・税理士等)にご相談ください。記事内の金利・条件は2026年9〜10月時点で各社の公表資料を確認したものであり、今後変更される場合があります。
【ご注意】「得かどうか」は人によって異なります
相続定期預金が有利かどうかは、相続した金額、資金の使い道、ほかの預金の状況、運用への考え方などによって変わります。本記事の試算は一定の条件を置いた単純な計算例です。ご自身の判断には、FP(ファイナンシャルプランナー)や税理士への相談をおすすめします。
相続定期預金とは?仕組みと対象になる人
相続定期預金とは、相続で受け取ったお金を預ける人向けに、通常より高い金利を適用する定期預金のことです。
「相続定期」「相続金専用プラン」などの名称で、地方銀行・信用金庫・一部の大手銀行が取り扱っています。
案内されるのは、相続手続きの窓口が多いのが特徴です。
対象は「相続手続き完了後1〜2年以内」が多い
多くの金融機関では、利用できる期間に期限があります。
「相続手続きの完了後1年以内」または「2年以内」としている例が目立ちます。
また、預けられる金額は「相続で受け取った金額の範囲内」とされるのが一般的です。
自分のもともとの貯金は対象外になる点に注意しましょう。
では、実際にはどのような条件が設定されているのでしょうか。
主な金融機関の条件例(2026年10月1日時点で公式サイトを確認)
| 金融機関 | 金利(税引前・年率) | 預入期間 | 対象期限 | 主な条件 |
|---|---|---|---|---|
| 京都銀行 | 店頭金利+上乗せ(3ヶ月0.23%/6ヶ月0.20%/12ヶ月0.10%) | 3ヶ月〜12ヶ月 | 相続手続き完了後1年以内 | 1口100万円以上、上乗せは初回満期まで |
| 徳島大正銀行 | 店頭金利+上乗せ(6ヶ月・1年0.30%/3年0.40%/5年0.50%) | 6ヶ月〜5年 | 相続手続き完了後1年以内 | 100万円以上 |
| 武蔵野銀行 | 3ヶ月1.70%/6ヶ月0.975%/1年0.725% | 3ヶ月〜1年 | 相続手続き完了後2年以内 | 給与・年金受取や運用商品の契約などで金利が上がるプランあり |
| 肥後銀行 | 1年1.0%/3ヶ月2.0%/投資信託等とのセットで10.0% | 3ヶ月・1年 | 相続手続き完了後2年以内 | セットは投資信託購入・金銭信託契約が条件 |
| 横浜銀行 | 定期預金単体3ヶ月2.0%/投資信託等とのセット3ヶ月12.0% | 3ヶ月 | 相続金受取後2年以内 | 240万円以上。2026年7〜9月の取扱分(最新は公式サイトで確認) |
※各行の取扱期間・金利は変更されることがあります。利用を検討する際は、必ず最新の条件を公式サイトや窓口で確認してください。
表を見ると、同じ「相続定期預金」でも中身はかなり違うことが分かります。
上乗せ幅、期間、セット条件の有無を分けて見ることが、比較の第一歩です。
相続定期預金のメリット
まずは、相続定期預金を利用するメリットを整理します。
店頭金利より高い金利が付く
最大のメリットは、同じ銀行の通常の定期預金より金利が高いことです。
2026年は、日本銀行の利上げを受けて預金金利全体が上がっています。
たとえば三菱UFJ銀行は、2026年8月3日から1年ものの定期預金金利を年0.400%から年0.500%に引き上げました(同行発表)。
こうした店頭金利に上乗せされるため、元本を減らさずに利息を増やしたい人には検討する価値があります。
預金保険の対象で、元本が保護される
定期預金は、預金保険制度の対象です。
預金保険機構によると、1つの金融機関ごとに、預金者1人あたり元本1,000万円までとその利息が保護されます。
投資信託などと違い、相場の変動で元本が減ることはありません。
「相続したお金は、まず減らさずに置いておきたい」という人に合いやすい商品です。
手続きした銀行で、そのまま預けられる手軽さ
相続手続きをした銀行でそのまま預ければ、新たに口座を開いたり、お金を移したりする手間がかかりません。
高齢の相続人にとって、慣れた店舗の窓口で相談できる安心感は小さくないでしょう。
地元の銀行との関係を続けたいという人にとっても、意味のある選択肢です。
では、デメリットや注意点にはどのようなものがあるのでしょうか。
デメリットと注意点
相続定期預金そのものが悪いわけではありません。
ただ、条件を正しく理解しないまま決めると、期待したほどの効果が得られないことがあります。
「年◯%」でも、3ヶ月ものなら利息は4分の1
相続定期預金には、3ヶ月や6ヶ月といった短期のものが多くあります。
ここで注意したいのが、金利は「1年間預けた場合」の年率で表示されているという点です。
たとえば、1,000万円を「3ヶ月・年2.0%」で預けた場合を計算してみましょう。
- 利息(税引前)=1,000万円×2.0%×3/12=5万円
- 税金(20.315%)を引いた受取額=約3.98万円
「年2.0%」という数字から、20万円が付くと思ってしまう人もいるかもしれません。
実際に付くのは、その4分の1です。
満期後は店頭金利に戻る
多くの相続定期預金では、上乗せ金利が付くのは初回の満期までです。
自動継続されると、その時点の通常の店頭金利に戻ります。
先ほどの例で、満期後の9ヶ月を店頭金利0.5%で継続したと仮定します。
| 預け方(1,000万円・1年間) | 1年間の利息(税引前) |
|---|---|
| 相続定期「3ヶ月・年2.0%」→残り9ヶ月は店頭0.5% | 5万円+3.75万円=8.75万円 |
| 相続定期「1年・年1.0%」 | 10万円 |
| 店頭の1年定期「年0.5%」 | 5万円 |
※金利は説明用の仮定です。実際の金利は金融機関・時期により異なります。
3ヶ月ものの高い金利は目を引きますが、1年間で見ると差は小さくなることがあります。
「いつまで高い金利が続くのか」を確認することが大切です。
中途解約すると特別金利は付かない
満期前に解約すると、上乗せ金利は適用されず、所定の「中途解約利率」になるのが一般的です。
金融機関によっては、「原則として中途解約できない」としている商品もあります。
相続税の納付や遺産分割の清算など、近いうちにお金が必要になる予定はないでしょうか。
使う時期が決まっている資金は、満期日との関係をよく確認しましょう。
投資信託などとセットで高い金利が付くプランもある
相続定期預金の中には、投資信託やファンドラップなどの購入とセットにすると、定期預金の金利が大きく上がるプランがあります。
「年10%」「年12%」といった数字が示されることもあります。
運用を始めたいと考えていた人にとっては、選択肢の1つになりえます。
ただし、判断するときは「定期預金の利息」と「運用商品にかかる費用・リスク」を合わせて見る必要があります。
以下は、仕組みを理解するための試算モデルです(特定の商品を想定したものではありません)。
| 項目 | 金額(税引前) |
|---|---|
| 定期預金 500万円×年12.0%×3ヶ月 | 利息 15万円 |
| 投資信託 500万円の購入時手数料(仮に3.3%とした場合) | 16.5万円 |
| 投資信託の運用管理費用(仮に年1.0%とした場合) | 年5万円 |
※購入時手数料や運用管理費用(信託報酬)は商品によって異なり、0円のものもあります。投資信託は値動きがあり、元本は保証されません。
この試算では、定期預金の利息と投資信託の手数料がほぼ同じ規模になります。
「定期預金の金利」だけでなく「セット全体でいくら得か・損か」を確認することが大切です。
金融庁の「顧客本位の業務運営に関する原則」(2024年9月改訂)でも、金融事業者は複数の商品をパッケージで勧める場合、個別に購入できるかどうかを示し、パッケージの場合とそうでない場合を顧客が比較できるよう、重要な情報を提供すべきとしています(原則5の注2)。
「定期預金だけで申し込むと金利はいくらか」「投資信託だけを買う場合と何が違うか」を、遠慮なく質問しましょう。
相続したお金と自分の預金を合わせると、預金保険の上限を超えることも
意外と知られていないのが、預金保険の「名寄せ」の扱いです。
預金保険機構によると、遺産分割などで各相続人の相続額が確定している場合、相続した預金は各相続人自身の預金として合算(名寄せ)されます。
たとえば、Aさんがもともと800万円を預けている銀行に、相続した600万円を相続定期預金で預けたとします。
この場合、Aさんのこの銀行の預金は合計1,400万円となり、万一の破綻時に保護される元本1,000万円を超えてしまいます。
金融機関が破綻する可能性は高くありません。
それでも、まとまった金額を相続したときは、預け先を分けることも検討材料の1つです。
「相続手続きのついで」に決めてしまう心理的な落とし穴
相続定期預金の判断で、見落とされがちなのが「どんな状況で勧められるか」という点です。
相続手続き中は、冷静な判断が難しい
身近な人を亡くした直後は、深い悲しみや疲れの中にあります。
そこに、葬儀、役所の手続き、戸籍の収集、各金融機関への連絡が重なります。
相続手続きには、相続放棄(3ヶ月以内)や相続税の申告(10ヶ月以内)など期限のあるものも多く、気持ちに余裕を持ちにくい時期です(期限の全体像は相続手続きの期限一覧で確認できます)。
こうした状態で「手続きのついでに、こちらもいかがですか」と案内されると、比較する余力がないまま決めてしまいがちです。
銀行員は親切でも、自分の銀行の商品を勧める立場
窓口の担当者の多くは、丁寧に手続きを手伝ってくれます。
ただし、案内できるのは基本的にその銀行が扱う商品です。
他の銀行やネット銀行の方が金利が高い場合でも、それを案内してもらえるとは限りません。
これは担当者の良し悪しではなく、立場の違いによるものです。
国民生活センターに寄せられた相談事例
国民生活センターの「投資信託」に関する相談には、次のような事例が紹介されています(2026年7月31日更新)。
- 「定期預金の金利について説明したいと電話があり、金融機関へ出向いたら投資信託を勧められた。契約したが解約したい」
- 「高齢の母が投資信託や運用型定期預金の契約をしていたことが分かった。母は契約内容等を把握していないので解約したい」
同センターに寄せられた投資信託の相談件数は、2023年度533件、2024年度370件、2025年度438件です。
相続に限った数字ではありませんが、「定期預金の話のつもりが、運用商品の契約になっていた」というすれ違いは実際に起きています。
では、相続定期預金が本当に得かどうかは、どのように判断すればよいのでしょうか。
本当に得か?4つの判断基準
相続定期預金が得かどうかは、「何と比べるか」で決まります。
次の4つの視点で整理してみましょう。
判断基準1:他の銀行・ネット銀行の定期預金と比べる
ネット銀行や一部の銀行では、キャンペーンに頼らない通常の定期預金でも比較的高い金利を設定している例があります。
All About(2026年9月14日更新、金利は9月7日時点)の調査では、1年ものの定期預金金利は次のとおりでした。
- SBJ銀行「みんなの定期預金〈きほんくん〉」:年1.70%
- あおぞら銀行「BANK The 定期」:年1.40%
- 大和ネクスト銀行「円定期預金」:年1.30%
1,000万円を1年間預けた場合の利息を比べると、次のようになります。
| 預け先の例(1年もの) | 金利(税引前) | 利息(税引前) | 税引後の目安 |
|---|---|---|---|
| 大手銀行の店頭金利 | 年0.5% | 5万円 | 約3.98万円 |
| 相続定期預金(1年ものの例) | 年1.0% | 10万円 | 約7.97万円 |
| ネット銀行の定期預金の例 | 年1.4% | 14万円 | 約11.16万円 |
| ネット銀行の定期預金の例 | 年1.7% | 17万円 | 約13.55万円 |
※金利は2026年9月時点の公表例をもとにした説明用の数字です。
相続定期預金が、ほかの選択肢より有利になる場合もあれば、そうでない場合もあります。
大切なのは「比べてから決める」ことです。
なお、ネット銀行は店舗がなく、本人が亡くなった後の相続手続きが郵送中心になるなど、窓口の銀行とは違う面もあります。
詳しくはネット銀行の相続手続きが難しい理由をご覧ください。
判断基準2:個人向け国債など、元本割れしにくい商品と比べる
数年間使う予定のない資金なら、個人向け国債も比較対象になります。
財務省によると、2026年9月募集分の個人向け国債の利率(税引前)は、固定3年が年1.96%、固定5年が年2.24%、変動10年(初回)が年1.95%でした。
発行から1年が経てば、国に買い取ってもらう形で中途換金でき、元本割れはしません(直前2回分の利子相当額は差し引かれます)。
一方で、発行後1年間は原則として換金できません。
すぐ使う可能性があるお金には向かないため、資金の使い道と合わせて考えましょう。
判断基準3:使い道が決まっているなら、預けない選択肢もある
相続したお金の使い道がすでに決まっている場合もあります。
- 相続税の納付に充てる
- 他の相続人への代償金を支払う
- 住宅ローンの繰上返済に使う
- 実家の修繕や片付けに使う
こうした場合は、短期の定期預金に入れるよりも、予定どおりに使う方が合理的なこともあります。
たとえば、住宅ローンの金利が預金金利より高ければ、繰上返済で減る利息の方が大きくなる可能性があります。
判断基準4:「セット全体」と「満期後」まで見て判断する
最後に、次の2点を確認しましょう。
- 投資信託などとのセットの場合、手数料・リスクを含めた全体で比べたか
- 満期後の金利や、中途解約時の扱いを確認したか
ここまで確認して、「それでも相続定期預金が自分に合っている」と思えるなら、利用するのは十分に合理的な判断です。
窓口で勧められたときの実践ステップ
判断基準が分かっても、窓口で断りにくいと感じる人は多いでしょう。
ここでは、その場で使える具体的な方法を紹介します。
基本は「持ち帰って検討します」
相続定期預金には、多くの場合「相続手続き完了後1年以内」などの期限があります。
つまり、その日のうちに決めなければならないケースは多くありません。
次のように伝えれば、失礼にはあたりません。
- 「家族と相談してから決めたいので、資料をいただけますか」
- 「ほかの預け先とも比べてから、あらためてご連絡します」
- 「今日は相続の手続きだけ進めさせてください」
その場で確認しておきたい5つの質問
資料を受け取るときは、次の5点を確認しておくと比較しやすくなります。
- 「この金利は、何ヶ月間だけ適用されますか?」
- 「満期後は、どの金利になりますか?自動で継続されますか?」
- 「途中で解約した場合、金利はどうなりますか?」
- 「定期預金だけで申し込んだ場合の金利はいくらですか?」
- 「申し込みの期限はいつまでですか?」
口頭の説明だけでなく、条件が書かれた書面をもらいましょう。
家族と共有したり、専門家に見せたりするときにも役立ちます。
相続手続き中は、預金の凍結や払い戻しの手続きも並行して進みます。
口座凍結の仕組みや仮払い制度については、親が亡くなったら銀行口座はすぐ凍結されるで解説しています。
FP・税理士に相談した方がよいケース
次のような場合は、銀行の窓口だけで決めずに、専門家への相談をおすすめします。
- 相続した金額が大きく、預け先や運用方法を一から考えたい
- 投資信託や保険などとのセットを勧められ、比較の仕方が分からない
- 相続税の申告が必要で、納税資金をどう確保するか決まっていない
- 遺産分割が終わっておらず、他の相続人との清算が残っている
- 自分の老後資金や、将来の自分の相続まで含めて考えたい
資産配分や家計全体の計画はFP(ファイナンシャルプランナー)に、相続税や申告は税理士に相談するのが一般的です。
特定の金融機関に属さない立場のFPであれば、複数の選択肢を比べた助言を受けやすくなります。
FPの選び方はFP(ファイナンシャルプランナー)の選び方で、無料で使える相談先は相続手続きで使える公的支援・無料相談窓口まとめで紹介しています。
相続した預金の情報と運用方針をエンディングノートに残す
相続定期預金を利用するかどうかにかかわらず、忘れずにしておきたいことがあります。
それは、相続したお金を「どこに・いくら・いつまで」預けたかを記録しておくことです。
満期日と預け先は、意外と忘れやすい
相続の直後は、複数の銀行で口座の解約や預け替えが一度に発生します。
数年たつと、「どの銀行に、いくら、いつまで預けたのか」を本人でも思い出せなくなることがあります。
満期日を過ぎたことに気づかず、店頭金利のまま自動継続されているケースも少なくありません。
次の相続(二次相続)で、家族が困らないように
相続したお金は、いずれ自分の子どもや配偶者に引き継がれていきます。
そのときに預け先の情報がなければ、家族は金融機関を一つずつ探すことになります。
エンディングノートには、次のような情報を残しておくと安心です。
- 預け先の金融機関・支店名・商品名
- 預入額と満期日、自動継続の有無
- 「満期後はこうしたい」という運用方針
- 相談したFP・税理士の連絡先
DEN(Digital Everlife Note)は、こうした大切な情報を暗号化して安全に保管し、必要なときに家族へ伝えられるデジタル終活サービスです。
紙のノートと違い、満期や預け替えのたびに内容を更新しやすいのも特徴です。
現在、サービス開始に向けてモニターを募集しています。
詳細はこちら
よくある質問(FAQ)
Q1. 3ヶ月ものの相続定期預金は損ですか?
A. 損とは限りません。短期間でも店頭金利より多くの利息が付くことはあります。ただし、表示は年率のため、3ヶ月で実際に付く利息は4分の1です。満期後の金利も含めて、1年単位で他の預け先と比べてみましょう。
Q2. 満期を迎えたら、どうすればよいですか?
A. 多くの場合、自動継続されると通常の店頭金利に戻ります。満期日の前に、そのまま継続するか、他の預け先に移すか、使うかを決めておくと安心です。
Q3. 途中で解約することはできますか?
A. 多くの商品で解約はできますが、上乗せ金利は付かず、所定の中途解約利率になるのが一般的です。原則として中途解約できない商品もあるため、申し込み前に確認しましょう。
Q4. 窓口で勧められて断ったら、失礼になりませんか?
A. 失礼にはあたりません。相続定期預金には申込期限が設けられていることが多く、「家族と相談してから決めます」と伝えて資料を持ち帰るのは、ごく一般的な対応です。
Q5. 地方銀行とネット銀行、どちらが安心ですか?
A. どちらも預金保険制度の対象で、1金融機関ごとに1人あたり元本1,000万円とその利息まで保護されます。対面で相談できる安心感、金利、自分の家族が相続手続きをするときの手間など、何を重視するかによって向き不向きが変わります。
Q6. 投資信託とのセットプランは避けるべきですか?
A. 一概に避けるべきとはいえません。運用を始めたいと考えていた人には選択肢になりえます。ただし、定期預金の利息だけでなく、投資信託の手数料や値動きのリスクも含めて、セット全体で判断することが大切です。迷ったら、特定の金融機関に属さないFPに相談してみましょう。
エンディングノートのデジタル化にご興味がある方は、DENのサービス紹介ページをご覧ください。
まとめ
相続定期預金は、店頭金利より高い金利で、元本を守りながら預けられる商品です。条件が合えば、相続したお金の預け先として十分に検討する価値があります。
一方で、「年◯%」が何ヶ月だけ適用されるのか、満期後や中途解約時はどうなるのか、投資信託などとのセットではないかといった点で、見え方と実際の利息に差が出ることもあります。
いちばん大切なのは、相続手続きの「ついで」にその場で決めず、持ち帰って比べることです。
他の銀行やネット銀行、個人向け国債と比べ、資金の使い道も考えたうえで判断しましょう。迷ったときは、FPや税理士に相談してみてください。
そして、どこに預けたとしても、預け先と満期日、運用方針を記録に残しておくことが、次の世代への大切な準備になります。
専門家への相談のすすめ
相続したお金の最適な預け先・運用方法は、金額、使い道、家族構成、ほかの資産の状況によって一人ひとり異なります。預け先の比較や資産配分はFP(ファイナンシャルプランナー)に、相続税の申告や納税資金の確保は税理士にご相談ください。
参考資料
– 京都銀行「相続定期預金専用金利プラン」
– 徳島大正銀行「相続定期預金」
– 武蔵野銀行「むさしの相続定期預金」
– 肥後銀行「相続定期預金プラン」
– 横浜銀行「相続金専用特別金利定期預金プラン」
– 三菱UFJ銀行「円定期預金金利の改定について」(2026年7月31日)
– 預金保険機構「保護の範囲」
– 預金保険機構「名寄せに際しての預金者の扱い」
– 国民生活センター「投資信託(各種相談の件数や傾向)」(2026年7月31日更新)
– 金融庁「顧客本位の業務運営に関する原則」(2024年9月26日改訂)
– 財務省「現在募集中の個人向け国債」(2026年9月9日現在)
– All About「【2026年9月】金利が高いネット銀行ランキング!100万円を定期預金に1年預けるならどこ?」(2026年9月14日更新)
※本記事の利息計算は、税率20.315%(所得税・復興特別所得税・住民税)を用いた概算です。実際の利息は、預入日数や金融機関の計算方法によって異なります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・投資相談ではありません。特定の金融機関・金融商品の購入や利用を勧めるものではなく、また特定の金融機関・金融商品を評価・批判するものでもありません。投資信託などの運用商品には元本割れのリスクがあり、将来の運用成果を保証するものではありません。個別の判断については、専門家(ファイナンシャルプランナー・税理士等)にご相談ください。記事内の金利・条件は2026年9〜10月時点のものであり、今後変更される場合があります。


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