公開日:2026年10月1日 / 最終確認日:2026年10月1日
監修:終活・相続専門チーム(DEN編集部)
親が施設に入った。あるいは、親から実家を相続した。
誰も住まなくなった家を前に、「売るべきか、貸すべきか、壊すべきか」と悩む方は少なくありません。
総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家は900万2千戸と過去最多になりました。
そのうち、売りにも貸しにも出されていない空き家は385万6千戸にのぼります。
実家をどうするかに「全員に共通する正解」はありません。
ただ、判断の順番と、相談する相手の選び方を知っておくと、後悔はぐっと減らせます。
この記事では、「売却・賃貸・解体」の3択を判断の枠組みで整理し、信頼できる不動産業者との付き合い方までお伝えします。
本記事で分かること
– 売却・賃貸・解体の3択の比較(費用の目安・手間・税金)
– 「更地にすると固定資産税が6倍」の本当の意味
– 賃貸に出すと、空き家の3,000万円控除が使えなくなる理由
– 判断の決め手となる5つの質問と、3択のチェックリスト
– 信頼できる不動産業者の見分け方と、公的な確認方法
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・不動産取引の個別相談ではありません。特定の不動産会社・サービスを推奨または批判するものではありません。記事内の費用・金額はすべて一般的な目安であり、地域・建物・時期によって大きく異なります。個別の判断については、不動産会社・税理士・司法書士などの専門家にご相談ください。記事内の制度は2026年10月時点のものであり、法改正等により変更される場合があります。
【ご注意】費用はあくまで目安です
解体費用・管理委託費・固定資産税の試算などは、一般的な相場や単純な計算例です。実際の金額は、建物の構造・広さ・立地・自治体・時期によって大きく変わります。必ず複数の見積もりや、市区町村・専門家による試算で確認してください。
関連記事との使い分け
実家を手放すことへの気持ちの整理や、売却の手残り計算は地方の実家、売却は本当に正解か?で、リフォームや建て替えも含めた比較は実家のリフォーム・建て替え・売却はどちらが得?で詳しく解説しています。本記事では「空き家になった実家」の3択の判断基準に絞ってお伝えします。
実家の空き家は「売却・賃貸・解体」の3択で考える
空き家になった実家の選択肢は、大きく「売却」「賃貸」「解体」の3つに分けられます。
「とりあえずそのまま」という選択もありますが、固定資産税や管理の手間はかかり続けます。
2023年12月に施行された改正空家法では、管理が不十分な空き家が「管理不全空家」として勧告を受けると、固定資産税の優遇(住宅用地特例)が外れることになりました(国土交通省)。
まずは3択の特徴を一覧で比べてみましょう。
| 比較項目 | 売却 | 賃貸 | 解体 |
|---|---|---|---|
| 最初にかかるお金 | 仲介手数料・登記費用など(売却代金から支払うことが多い) | 修繕・清掃・設備交換など | 解体費用(木造30坪で約90万〜200万円が目安) |
| 継続的な収入 | なし(まとまった現金が入る) | 家賃収入 | 駐車場などに活用すれば収入の可能性 |
| 管理の手間 | なくなる | 続く(管理会社への委託が現実的) | 草刈り・越境対策などは続く |
| 固定資産税 | 負担がなくなる | 住宅用地特例は続く | 特例が外れ、上がる |
| 資産として残るか | 残らない | 残る | 土地は残る |
| 向いている人 | 遠方・管理が難しい・現金で分けたい | 立地が良い・建物の状態が良い | 建物の価値がない・更地の方が売れやすい |
※金額は一般的な目安であり、地域・建物・時期によって大きく異なります。
3つの選択肢には、それぞれはっきりした長所と短所があります。
では、それぞれを詳しく見ていきましょう。
売却:現金化して、管理から解放される
売却の最大のメリットは、管理の手間と固定資産税から解放され、現金で分けられることです。
立地が悪い・築古でも検討する価値がある
「田舎の古い家なんて売れない」と思い込んでいる方も多いかもしれません。
しかし、周辺相場より価格を下げれば、買い手が見つかるケースもあります。
2024年7月からは、800万円以下の安い空き家などについて、不動産会社が受け取れる仲介手数料の上限が最大30万円(税別)に引き上げられました(国土交通省「不動産業による空き家対策推進プログラム」)。この上限を使うには、媒介契約の前に業者が金額を説明し、依頼者が合意することが前提です。
これまで採算が合わず敬遠されがちだった安い物件も、業者が扱いやすくなっています。
「そのまま売る」「解体して売る」「業者に買い取ってもらう」
売却にも、いくつかの方法があります。
- そのまま売る(古家付き土地):解体費がかからない。買主が自分で建て替える前提
- 解体して更地で売る:買い手のイメージが湧きやすい。ただし解体費が先にかかる
- 不動産会社の買取:早く確実に売れる。ただし価格は仲介より低くなるのが一般的
どれが合うかは、地域の需要によって変わります。
複数の不動産会社に、それぞれの方法での見込み価格を聞いてみるとよいでしょう。
空き家の3,000万円控除と、その期限
親が一人で住んでいた家を相続して売る場合、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」が使える可能性があります。
譲渡所得から最大3,000万円(相続人が3人以上なら2,000万円)を差し引ける制度です(国税庁 No.3306)。
主な要件は次のとおりです。
- 昭和56年5月31日以前に建てられた家であること
- 売却代金が1億円以下であること
- 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- 相続の時から売る時まで、事業・貸付け・居住に使っていないこと
特例の適用期限は、2027年(令和9年)12月31日までの売却です。
詳しい要件や手続きは相続した空き家を売却したら3,000万円控除?で解説しています。
売却するなら、期限から逆算して動き出すことが大切です。
では、「貸す」という選択肢はどうでしょうか。
賃貸:資産を持ったまま、収入を得る
賃貸は、実家を手放さずに家賃収入を得られる選択肢です。
「いつか子どもが住むかもしれない」「思い出の家を残したい」という方にとって、有力な選択肢になります。
賃貸が向いている条件
賃貸が成り立ちやすいのは、次のような条件がそろう場合です。
- 駅やバス停、商業施設に近いなど、借り手の需要がある地域
- 大規模な修繕をしなくても住める状態
- 修繕費や空室期間に耐えられる資金の余裕がある
建物の傷み具合の判断や、リフォームにかかる費用は実家のリフォーム・建て替え・売却の比較記事が参考になります。
賃貸の落とし穴
賃貸には、見落としやすいリスクもあります。
- 空室リスク:借り手が見つからなければ、収入はゼロでも税金や維持費はかかる
- 修繕費:給湯器・屋根・水回りなど、貸主が負担する修繕が発生する
- 入居者トラブル:家賃の滞納、近隣トラブル、退去時の原状回復をめぐる揉め事
- 管理の手間:遠方に住んでいる場合、自分で対応するのは現実的に難しい
遠方の場合は、管理会社への委託がほぼ前提になります。
管理委託費は家賃の3〜5%程度が一つの目安ですが、法律上の決まりはなく、会社や委託内容によって異なります。
賃貸の採算の考え方は、地方の実家、売却は本当に正解か?でシミュレーションしています。
一度貸すと、3,000万円控除が使えなくなる
ここが、意外と知られていない重要なポイントです。
先ほどの「空き家の3,000万円控除」は、相続してから売るまでの間に、一度でも貸し付けていると使えません(国税庁 No.3306)。
「数年貸して、そのあと売ろう」と考えている方は注意が必要です。
控除が使えなくなることで、売却時の税金が数百万円単位で変わる可能性もあります。
貸すか売るか迷っている段階で、賃貸契約を結ぶ前に税理士へ確認することを強くおすすめします。
解体:更地にして売る・活用する
解体は、建物の価値がほとんどなく、そのままでは売りにくい・貸しにくい場合に検討する選択肢です。
更地にすれば、売却しやすくなったり、駐車場などに活用できたりすることがあります。
解体費用の目安と補助金
木造住宅の解体費用は、坪あたり3万〜5万円程度が従来の目安とされてきました。
ただし2026年は、廃材の処分費や人件費の上昇により、これを上回るケースも増えています。
- 木造30坪の場合:おおむね90万〜200万円程度
- 庭木・ブロック塀・物置などが多い場合や、重機が入りにくい場合:300万円を超えることも
- アスベスト(石綿)の事前調査は、解体工事で義務になっている
※金額は解体業者各社が公表する2026年の相場をもとにした目安です。実際の費用は、必ず複数の業者から見積もりを取って確認してください。
多くの自治体では、老朽化した危険な空き家の解体費用を補助しています。
補助率は解体費の2分の1〜3分の2、上限は50万〜100万円程度の例が多いものの、制度の有無や条件は自治体によって大きく異なります。
解体業者と契約する前に、市区町村に補助制度を確認するのが鉄則です。
固定資産税は「6倍」ではなく、上限の目安は約4.2倍
「家を壊すと固定資産税が6倍になる」という話を聞いたことがあるかもしれません。
これは半分正しく、半分誤解です。
総務省によると、住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」により、固定資産税の計算の土台(課税標準)が大きく下がります。
- 200㎡以下の部分(小規模住宅用地):評価額の6分の1
- 200㎡を超える部分(一般住宅用地):評価額の3分の1
一方、更地になると、課税標準は負担調整措置により評価額の70%が上限になります。
そのため、固定資産税の増え方は「1/6→70%」で、上限の目安は約4.2倍です。
たとえば、200㎡以下で評価額1,000万円の土地の場合を計算してみます(税率1.4%)。
| 項目 | 住宅が建っている場合 | 更地の場合(上限) |
|---|---|---|
| 課税標準 | 約167万円(1/6) | 700万円(70%) |
| 固定資産税 | 約2.3万円 | 約9.8万円 |
※都市計画税は含んでいません。実際の税額は、土地の状況や前年度の課税標準などによって変わります。正確な額は、市区町村の資産税担当課に試算を依頼してください。
もう一つ知っておきたいのが、固定資産税は毎年1月1日時点の状況で決まるという点です。
1月1日の時点で家が建っていなければ、その年度から特例が外れます。
解体するなら、売却の時期とあわせて「いつ壊すか」を不動産会社や税理士と相談しましょう。
更地にしても、売れない・使えないことがある
解体すれば必ず売れるわけではありません。
建築基準法の道路に接していない土地は、原則として新しく家を建てられず、更地にしても買い手がつきにくいことがあります。
解体は元に戻せない選択です。
解体する前に、更地にした場合の売却見込みを不動産会社に確認しておくと安心です。
どうしても引き取り手がない土地については、条件を満たせば国に引き取ってもらう相続土地国庫帰属制度もあります。
では、3つの中からどれを選べばよいのでしょうか。
どれを選ぶ?判断の決め手となる5つの質問
3択に迷ったら、次の5つの質問に順番に答えてみてください。
質問1:立地は良いか(駅近・需要がある地域か)
借り手や買い手がいるかどうかは、立地でほぼ決まります。
周辺に同じような賃貸物件がどれくらいあり、家賃はいくらか、地元の不動産会社に聞いてみましょう。
需要がある地域なら「賃貸」や「そのまま売却」、需要が乏しい地域なら「早めの売却」や「解体して売却」が候補になります。
質問2:建物の状態は維持できるか
雨漏りやシロアリ被害、傾きなどがある場合、貸すには大きな修繕費がかかります。
修繕費をかけても家賃で回収できないなら、賃貸は難しいと考えるのが自然です。
質問3:相続人全員が合意できるか
実家を兄弟姉妹などで共有している場合、どの選択肢を選ぶかで、必要な同意の範囲が変わります(2023年4月施行の改正民法、法務省資料)。
| 選択肢 | 必要な同意 |
|---|---|
| 売却 | 共有者全員の同意 |
| 解体 | 共有者全員の同意 |
| 賃貸(3年以内の定期借家など) | 持分の過半数 |
| 賃貸(一般的な普通借家契約) | 原則として共有者全員の同意 |
つまり、売却や解体は一人でも反対すると進められません。
共有名義の問題は共有名義の不動産、売れない・貸せない・直せない問題で、売って代金を分ける方法は換価分割とは?で解説しています。
なお、売却も賃貸も、まず相続登記を済ませて名義を整える必要があります。
相続登記は2024年4月から義務化されています(詳しくは相続登記の義務化完全ガイド)。
質問4:管理できる距離・時間があるか
空き家のままでも、賃貸にしても、定期的な見回りや連絡対応が必要です。
車で1〜2時間以内に通えるか、平日に対応できる人がいるかを考えてみましょう。
質問5:資金的な余裕があるか
解体なら解体費用、賃貸なら修繕費や空室期間の維持費が、先に必要になります。
手元資金に余裕がない場合は、初期費用が少ない「そのまま売却」から検討するのが現実的です。
5つの質問から見える選択肢の目安
| 答えの組み合わせ | 候補になりやすい選択肢 |
|---|---|
| 立地が良い+建物の状態が良い+資金に余裕あり | 賃貸(または好条件での売却) |
| 立地は良い+建物の状態が悪い | 解体して売却、または古家付きで売却 |
| 立地が悪い+管理が難しい | 早めの売却(買取も含めて比較) |
| 相続人の意見がまとまらない | まず話し合いと専門家への相談(売却・解体は全員の同意が必要) |
※あくまで考え方の目安です。実際には地域の相場や税金を含めて、専門家と一緒に判断してください。
3択の判断チェックリスト
家族で話し合うときに使える、チェックリストを用意しました。
当てはまる項目に印をつけ、どの列に多く当てはまるかを確認してみてください。
売却が向いているサイン
– □ 実家から遠く、定期的に通うのが難しい
– □ 将来、家族の誰も住む予定がない
– □ 相続人同士で、現金で公平に分けたい
– □ 空き家の3,000万円控除の期限内に売れそう
– □ 固定資産税や維持費の負担を早くなくしたい
賃貸が向いているサイン
– □ 駅や生活施設に近く、借り手の需要がある
– □ 大きな修繕をしなくても住める状態だ
– □ 将来、家族が住む・使う可能性がある
– □ 修繕費や空室期間に耐えられる資金がある
– □ 管理会社に任せる前提で収支が合う
解体が向いているサイン
– □ 建物が古く、倒壊や雨漏りなどの危険がある
– □ 更地の方が売れやすい地域だと不動産会社から聞いている
– □ 自治体の解体補助が使える
– □ 固定資産税が上がっても、売却や活用の見込みがある
– □ 建て替えや駐車場など、更地にした後の使い道が決まっている
チェックが特定の列に集中していなくても、心配はいりません。
迷うときこそ、判断を手伝ってくれる信頼できる相談相手が必要になります。
信頼できる不動産業者との付き合い方
実家の3択を判断するうえで、最も頼りになるのが地域の事情に詳しい不動産業者です。
ここでは、良い業者との付き合い方と見分け方をお伝えします。
相続が起きる前から付き合いを始める
相続が起きてから慌てて業者を探すと、比べる時間がないまま決めてしまいがちです。
そこで大切なのが、親が元気なうちから、実家の地域の不動産業者と顔見知りになっておくことです。
- 実家の近くの相場や、賃貸の需要を気軽に聞いておく
- 「将来こうしたい」という親の希望を、家族で共有したうえで相談する
- 1社だけでなく、2〜3社と話して相性を比べる
日頃から付き合いがあれば、いざというときに状況を理解したうえで相談に乗ってもらえます。
良い業者の見分け方
信頼できる業者には、次のような共通点があります。
- 複数の選択肢を示してくれる:売却だけでなく、賃貸や解体、買取も含めて比べてくれる
- デメリットも正直に話す:「この地域では時間がかかる」など、耳の痛い話も伝えてくれる
- 地域の実情に詳しい:過去の取引事例や、周辺の賃貸需要を具体的に説明できる
- 根拠を示す:査定額の理由を、近くの成約事例などで説明してくれる
注意したいサイン
一方で、次のような対応には慎重になった方がよいでしょう。
- 物件を十分に見ないまま「すぐ売れます」「高値がつきます」と即答する
- 他社より極端に高い査定額を示し、その根拠を説明できない
- 契約を急がせる、今日中の返事を求める
- 質問に対してあいまいな答えしか返ってこない
高い査定額は魅力的ですが、それで売れるとは限りません。
査定額の高さよりも、根拠の説明と誠実さで比べることが大切です。
公的な情報で確認する方法
業者の信頼性は、公的な情報でもある程度確かめられます。
- 免許番号を見る:宅地建物取引業の免許番号には「東京都知事(3)第○○号」のように、かっこ内に更新回数が入ります。免許は5年ごとの更新のため、営業年数のおおよその目安になります(数字が小さい=悪い業者という意味ではありません)
- 行政処分歴を調べる:国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」で、宅建業者の過去5年分の行政処分を検索できます
- レインズの登録証明書を確認する:2025年1月から、専任媒介などで売却を依頼した物件について、業者は取引状況をレインズに登録することが義務になりました。売主は、業者から受け取る登録証明書の2次元コードから、自分の物件が「公開中」になっているかを確認できます(国土交通省)
3つ目は、他社からの問い合わせを業者が断ってしまう「囲い込み」を防ぐための仕組みです。
売却を依頼したら、一度は自分で確認してみることをおすすめします。
地元密着型と大手、どう使い分けるか
地元密着型の業者は、地域の事情や買い手・借り手のネットワークに強い傾向があります。
大手の業者は、広い範囲での集客力や、情報提供の仕組みが整っている傾向があります。
どちらが良いかは物件や地域によって異なります。
両方に相談して、提案の中身で比べるのが、後悔しにくい方法です。
不動産会社・税理士・自治体に相談しよう
実家の3択は、不動産・税金・法律がからむ判断です。
一人で、あるいは家族だけで決めずに、それぞれの専門家に相談することを強くおすすめします。
| 相談先 | 相談できること |
|---|---|
| 不動産会社(複数社) | 売却の見込み価格、賃貸の需要、解体した場合の売れやすさ |
| 税理士 | 3,000万円控除の可否、売却時の税金、賃貸収入の確定申告 |
| 司法書士 | 相続登記、共有名義の整理 |
| 市区町村 | 解体補助、空き家バンク、固定資産税の試算 |
特に、賃貸契約や解体工事の契約をする前に税理士へ相談しておくと、控除が使えなくなるといった取り返しのつかない失敗を防げます。
相続した家に家族が住み続ける場合の手続きは、相続した不動産にそのまま住み続ける場合の手続き完全ガイドをご覧ください。
実家の情報と家族の希望を、エンディングノートに残す
実家の3択で家族が迷う大きな理由の一つは、「親がどうしてほしかったのか」が分からないことです。
- 「売ってもいいのか、残してほしいのか」
- 「権利証や固定資産税の通知書はどこにあるのか」
- 「隣地との境界や、昔からの取り決めはあるのか」
- 「相談していた不動産業者はどこか」
こうした情報が残っていれば、家族は落ち着いて判断できます。
付き合いのある不動産業者の連絡先も、ぜひ一緒に残しておきましょう。
DEN(Digital Everlife Note)は、不動産の情報や家族への希望を暗号化して安全に保管し、必要なときに家族へ伝えられるデジタル終活サービスです。
状況が変わるたびに内容を更新しやすいのも、デジタルならではの特徴です。
現在、サービス開始に向けてモニターを募集しています。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 解体してから売るのと、そのまま売るのはどちらが得ですか?
A. 地域によって異なります。更地の方が売れやすい地域もあれば、古家付きのまま買って自分で建て替えたい買主が多い地域もあります。解体費用と固定資産税の上昇も考え、解体する前に複数の不動産会社に売却見込みを聞くのがおすすめです。
Q2. 数年貸してから売ることはできますか?
A. 可能です。ただし、一度でも貸し付けると、空き家の3,000万円控除は使えなくなります。入居者がいる状態で売る場合は、買い手が限られることもあります。賃貸契約を結ぶ前に、税理士や不動産会社に相談しましょう。
Q3. 相続人の一人が売却に反対しています。どうすればよいですか?
A. 共有名義の不動産の売却や解体には、共有者全員の同意が必要です。まずは反対の理由を丁寧に聞き、必要に応じて弁護士や司法書士に相談しましょう。3年以内の定期借家などは、持分の過半数で決められる場合もあります。
Q4. 査定額がいちばん高い不動産会社を選べばよいですか?
A. 査定額は「売れると見込む価格」であり、その金額で売れることを約束するものではありません。査定額の根拠、販売の方法、デメリットの説明が誠実かどうかで比べることをおすすめします。
Q5. 遠方に住んでいても、実家を賃貸に出せますか?
A. 管理会社に委託すれば可能です。入居者募集や家賃の集金、トラブル対応などを任せられます。委託費は家賃の3〜5%程度が一つの目安ですが、会社や内容によって異なるため、複数社で比べましょう。
Q6. 家を解体したら、固定資産税はいつから上がりますか?
A. 固定資産税は毎年1月1日時点の状況で決まります。1月1日に家が建っていなければ、その年度から住宅用地の特例が外れます。増える額は土地によって異なるため、市区町村の資産税担当課に試算を依頼すると安心です。
エンディングノートのデジタル化にご興味がある方は、DENのサービス紹介ページをご覧ください。
まとめ
空き家になった実家の選択肢は、「売却」「賃貸」「解体」の3つです。立地・建物の状態・相続人の合意・管理できる距離・資金の余裕という5つの質問に答えると、自分たちに合う方向性が見えてきます。
ただし、賃貸に出すと空き家の3,000万円控除が使えなくなる、更地にすると固定資産税が上がるなど、選んだあとでは取り返しのつかない落とし穴もあります。契約や解体の前に、不動産会社と税理士へ相談することを強くおすすめします。
そして何より大切なのは、相続が起きる前から、信頼できる不動産業者と付き合い、家族で実家の将来について話しておくことです。その内容を記録に残しておけば、いざというときに家族が迷わずに済みます。
専門家への相談のすすめ
実家をどうするのが最善かは、立地、建物の状態、相続人の構成、税金、家族の希望によって一件ごとに異なります。売却・賃貸の見込みは複数の不動産会社に、税金は税理士に、登記や共有の整理は司法書士に、補助制度や固定資産税は市区町村にご相談ください。
参考資料
– 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」(2024年9月25日公表)
– 総務省「固定資産税の概要(住宅用地の特例・負担調整措置)」
– 国土交通省「管理不全空家等の勧告を受けた場合の固定資産税の住宅用地特例について」
– 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
– 法務省「民法の改正(所有者不明土地等関係)の主な改正項目について」
– 国土交通省「レインズの機能強化について、物件の売主向けのリーフレットを作成しました」(2024年12月24日)
– 国土交通省「ネガティブ情報等検索サイト」
– 国土交通省「不動産業による空き家対策推進プログラムについて」
※本記事の費用・税額は、2026年10月時点の制度と一般的な相場をもとにした目安・概算です。実際の金額とは異なります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・不動産取引の個別相談ではありません。特定の不動産会社・サービスを推奨または批判するものではありません。記事内の費用・金額はすべて一般的な目安であり、地域・建物・時期によって大きく異なります。個別の判断については、不動産会社・税理士・司法書士などの専門家にご相談ください。記事内の制度は2026年10月時点のものであり、法改正等により変更される場合があります。


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