バケットリストとは|「死ぬまでにしたい100のこと」で、何歳からでも心躍る人生を歩む終活
「もう年だから」「今さら始めても遅い」——そう考えて、やりたかったことに蓋をしていないでしょうか。
終活というと、相続やお金の整理、万一に備えた準備を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし終活には、もうひとつ大切な側面があります。それが、「死ぬまでにやりたいこと」を書き出すバケットリストです。
やっておくべきことを整理するエンディングノートと、やりたいことを描くバケットリストは、どちらか一方ではなく、前向きな人生を歩むための両輪です。本記事では、バケットリストの意味や由来、高齢者がバケットリストを持つことの意義、具体的な作り方と実例までを、公的な研究データとともに紹介します。
本記事で理解できること
– バケットリストの意味・語源と広まった背景
– 高齢者がバケットリストを持つことの意義(京都大学が参加する研究データつき)
– 誰でもできるバケットリストの作り方(4ステップ)
– 高齢者ならではのバケットリスト実例10選
– バケットリストとエンディングノートを両輪で考える理由
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療・法律・税務・投資相談ではありません。健康状態や体調に不安がある場合は、必ず医師など専門家にご相談ください。個別の相続・終活の案件については、弁護士・税理士・司法書士にご相談ください。記事内の情報は作成時点のものであり、研究の更新等により変更される場合があります。
バケットリストとは?語源と広まった背景
バケットリストとは、生きているうちに実現したいことを書き出したリストのことです。日本語では「死ぬまでにしたい100のこと」と呼ばれることも多く、「棺桶リスト」という訳し方をされる場合もあります。
語源は、英語のスラング「kick the bucket(死ぬ)」です。「bucket list」は文字どおり「死ぬまでにやることのリスト」を意味します。
この言葉が世界的に知られるきっかけとなったのが、2007年に公開されたハリウッド映画です。余命を宣告された2人の登場人物が、残された時間でやりたいことに挑戦していく物語で、以降「バケットリスト」という言葉とともに、この考え方が広く浸透しました。
大切なのは、特定の作品の内容ではなく、そこにある発想そのものです。「もし人生の残り時間が限られているとしたら、今何をしたいか」を考えることは、年齢に関係なく、誰にとっても人生を見つめ直すきっかけになります。
なぜ高齢者にこそバケットリストが大切なのか
「バケットリストなんて、若い人が作るもの」——そう思われがちですが、実際はむしろ逆です。高齢者こそ、バケットリストを持つ意義が大きいと考えられます。
① 生きがい・目標が生まれる
やりたいことが明確になると、日々の生活に張り合いが生まれます。「今度あそこに行こう」「これを習ってみよう」という具体的な目標は、日常を前向きなものに変えてくれます。
② 「年だから無理」という思い込みを崩す
バケットリストを書き出す作業は、「もうできない」という思い込みを疑うきっかけになります。実際にやってみると、想像していたより多くのことが今からでも始められると気づく方は少なくありません。年齢を理由に諦めていたことを、もう一度見直してみる価値はあります。
③ 家族・友人との新しい思い出が作れる
バケットリストには、一人で完結する項目だけでなく、家族や友人と一緒に取り組める項目も自然と含まれます。孫と過ごす時間、旧友との再会など、バケットリストは新しい思い出づくりのきっかけにもなります。
④ 達成感・充実感と健康との関係(京都大学等が参加する研究より)
「生きがい」を持つことが高齢者の健康に良い影響を与える可能性は、公的な研究でも示されています。
京都大学大学院医学研究科などが参加する日本老年学的評価研究(JAGES)は、全国39市町村に住む65歳以上の高齢者6,441名を対象に、生きがいの有無とその後の健康・ウェルビーイングの関連を調べました。その結果、生きがいを持つ人は、持たない人と比べて、3年後の認知症発症リスクが0.64倍、身体的機能の低下リスクが0.69倍にとどまり、幸福感や生活満足度も高いことが示されました(出典:Okuzono et al., “Ikigai and subsequent health and wellbeing among Japanese older adults,” The Lancet Regional Health – Western Pacific, 2022年)。
もちろん、この研究結果がすべての人に当てはまるわけではなく、生きがいを持てば必ず病気を防げるというものでもありません。しかし、達成感や充実感につながる目標を持つことが、健康な生活を送るうえでの一助になり得ることは、公的研究からも読み取れます。
バケットリストの作り方(誰でもできる4ステップ)
バケットリストの作り方に、難しいルールはありません。次の4つのステップで、気軽に始めてみましょう。
ステップ1:ジャンル別に思いつくだけ書き出す
いきなり100個を考えようとすると、手が止まってしまいます。まずは「旅行」「食」「人間関係」「学び」「体験」など、ジャンルを分けて、思いついたことを自由に書き出してみましょう。
ステップ2:大きなことから小さなことまで混ぜる
「世界一周をする」といった大きな夢だけでなく、「近所の喫茶店のモーニングを制覇する」「毎朝ラジオ体操をする」といった小さな願いも積極的に書き加えます。小さな項目は、達成感を積み重ねやすいという利点があります。
ステップ3:達成可能なものと夢のようなものを混ぜる
今すぐ実行できるものと、少し背伸びが必要なものを両方リストに入れておくと、リストに動きが生まれます。手の届く目標を叶えながら、大きな夢に向かって少しずつ準備を進める、という楽しみ方もできます。
ステップ4:定期的に見直す・追加する
一度作ったら終わりではありません。達成した項目にはチェックをつけ、新しくやりたいことを見つけたら書き足していきます。年に1回、誕生日や年始などのタイミングで見直す習慣をつけると、リストが自分の人生とともに育っていきます。
高齢者ならではのバケットリスト実例10選
若い頃に作るバケットリストとは一味違う、高齢者だからこそ意味を持つ項目もあります。参考にしてみてください。
- 行ったことのない国・地域を訪れる:現役時代は忙しくて行けなかった場所に、時間をかけて向き合う
- 孫に何かを教える:料理、釣り、囲碁将棋、昔の遊びなど、自分の経験を次の世代に伝える
- 若い頃に諦めた趣味を再開する:楽器、絵画、スポーツなど、当時はできなかった趣味にもう一度挑戦する
- 感謝を伝えたい人に会いに行く:お世話になった恩師や旧友を訪ね、直接気持ちを伝える
- 自分の人生を書き残す(自分史):これまでの歩みを文章や写真でまとめ、家族に残す
- 地元の歴史や名所を改めて巡る:住み慣れた土地を、旅行者の目線で歩いてみる
- 家族の思い出の場所をもう一度訪れる:新婚旅行先や子育て時代によく行った場所を再訪する
- 手紙やアルバムを整理し、思い出を振り返る:写真や手紙を見返しながら、人生の節目を振り返る
- 地域活動やボランティアに参加する:これまでの経験や技術を、地域のために役立てる
- 健康な体づくりを目標にする:散歩や軽い運動を習慣にし、「〇歳になっても元気に歩く」という目標を持つ
いずれも、特別な体力や大きな費用を必要としないものばかりです。無理のない範囲で、自分に合ったペースで取り組めることが、高齢者のバケットリストの特徴といえます。
バケットリストとエンディングノートは「人生の両輪」
ここまで紹介してきたバケットリストは、「やりたいこと」を描くリストです。一方でエンディングノートは、万一のときに家族が困らないよう、「やっておくべきこと」を整理しておくものです。
この2つは、対立するものではありません。前向きな人生設計を支える、両輪の関係にあります。
| 項目 | バケットリスト | エンディングノート |
|---|---|---|
| 目的 | やりたいことを実現する | やっておくべきことを整理する |
| 視点 | 未来への希望 | 万一への備え |
| 内容 | 旅行・趣味・人との時間など | 財産・医療・介護・デジタル資産などの情報 |
| 効果 | 生きがい・充実感 | 家族の安心・負担軽減 |
やりたいことに向かって前向きに歩みながら、同時に、もしものときに家族が困らないよう情報を整理しておく。この両方があってこそ、安心して「今」を楽しめる終活になります。
デジタル終活を安全・簡単に進めたい方は、DENのモニター募集をご確認ください。DENなら、財産やデジタル資産の情報だけでなく、バケットリストのような「やりたいこと」も一緒に、暗号化して安全に記録しておくことができます。
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家族への感謝の言葉を書き残すことについては、こちらの記事でも取り上げています。
→ 「死ぬ前に後悔すること」研究でわかった共通点|後悔を減らす3つの準備とエンディングノートの役割
「理想の死に方」というテーマでは、統計データをもとにこちらの記事で詳しく解説しています。
→ ピンピンコロリは理想の死に方?統計データで見る現実と、後悔しないための終活準備
生きがいが健康寿命につながる可能性
バケットリストへの取り組みは、「生きがい」を持つことに直結します。前述の研究が示すように、生きがいを持つことは、身体的な健康や心理的な充実と関連することがわかっています。
健康寿命、つまり「日常生活に制限なく元気に過ごせる期間」を延ばすうえでも、目標や生きがいを持つことは重要な要素の一つとされています。健康寿命と平均寿命の関係、健康寿命を延ばす具体的な方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 健康寿命と平均寿命の差は男性9年・女性12年|人生100年時代に「不健康期間」を縮める5つの方法
あらためて強調しておきたいのは、生きがいを持つことは健康を「保証」するものではなく、あくまで統計的な関連が示されているという点です。持病や体調に不安のある方は、無理のない範囲で、必ず医師に相談しながら取り組んでください。
よくある質問(FAQ)
Q1. バケットリストは何個くらい書けばよいですか?
A. 「100個」という数字が有名ですが、決まりはありません。まずは10個、20個から始めて、少しずつ増やしていく形でも十分です。
Q2. やりたいことが思い浮かびません。どうすればよいですか?
A. 子どもの頃の夢や、過去に諦めたことを振り返ってみましょう。旅行雑誌や写真アルバムを見返すことも、思い出しをするきっかけになります。
Q3. 体力的に難しいことも書いてよいのですか?
A. かまいません。実現できるかどうかより、「本当はやってみたい」という気持ちを大切にしてください。実現の方法は後から考えても遅くありません。ただし、健康状態に不安がある場合は、事前に医師に相談してから取り組みましょう。
Q4. バケットリストとエンディングノートは、どちらを先に作るべきですか?
A. どちらが先でも構いません。並行して取り組むことで、「やりたいこと」と「やっておくべきこと」の両方を整理でき、より安心して日々を過ごせます。
Q5. 家族にバケットリストを共有したほうがよいですか?
A. 共有することで、家族が協力してくれたり、一緒に取り組めたりする項目が見つかることがあります。無理に全部を見せる必要はありませんが、共有できる部分だけでも伝えておくと、実現の助けになります。
Q6. 高齢になってから新しいことを始めても遅くないですか?
A. 遅すぎるということはありません。本記事で紹介した研究でも、生きがいを持つことは年齢を問わず健康や充実感につながることが示されています。無理のない範囲で、興味のあることから始めてみましょう。
まとめ|今日から始める、心躍る人生のためのバケットリスト
バケットリストは、「死ぬまでにやりたいこと」を書き出すシンプルな作業です。しかし、そこには「年だから無理」という思い込みを崩し、生きがいを見つけ、家族との新しい思い出をつくるきっかけが詰まっています。
やりたいことを描くバケットリストと、やっておくべきことを整理するエンディングノートは、どちらも欠かせない、前向きな人生設計の両輪です。何歳になっても、心が躍ることをやり続ける人生を、今日から少しずつ形にしていきませんか。
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参考文献・出典
– Okuzono, S.S., Shiba, K., Kim, E.S., et al., 2022. “Ikigai and subsequent health and wellbeing among Japanese older adults: Longitudinal outcome-wide analysis.” The Lancet Regional Health – Western Pacific, 21, p.100391.(日本老年学的評価研究(JAGES)、京都大学大学院医学研究科ほか参加、2022年5月発表)
– 京都大学大学院医学研究科社会疫学分野・JAGES報道発表「生きがいを持つと認知症リスクが0.69倍、幸福感が0.4ポイント増加する」(2022年5月発行、本文中の認知症発症リスクの具体的数値は0.64倍)
最終更新日:2026年9月15日


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