おひとりさま終活で備えるべき老後リスク8選|今日からできる対策と相談先

窓辺で静かに過ごす高齢女性、おひとりさまの穏やかな暮らしを表すイメージ 終活・エンディングノート

おひとりさま終活で備えるべき老後リスク8選|今日からできる対策と相談先

公開日:2026年7月4日 / 最終更新日:2026年7月4日
監修:DENメディア編集部(終活・相続分野)

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・投資相談ではありません。個別の案件については、専門家(弁護士・税理士・司法書士)にご相談ください。記事内の情報は作成時点のものであり、法改正等により変更される場合があります。


この記事でわかること

  • おひとりさまが老後に直面する代表的な8つのリスクの全体像
  • 各リスクが実際にどんな場面で表面化するのか
  • リスクごとに今日から始められる具体的な対策
  • 「今は家族がいる人」も知っておくべき備えの考え方
  • 相談できる制度・サービスの窓口

はじめに:夫を見送った73歳女性が直面した「ひとり」の現実

※以下は実際の事例をもとにした創作エピソードです。実在の人物・団体とは無関係です。

73歳の女性は、2年前に夫を看取りました。子どもはおらず、きょうだいも遠方に住んでいます。夫が生きていた頃は、入院手続きも、役所の書類も、すべて夫婦二人で協力し合いながら乗り切ってきました。

ところが夫を見送った直後、彼女は体調を崩して救急搬送されます。病院の窓口でこう聞かれました。

「緊急連絡先とキーパーソンの欄をご記入ください。手術の同意書にサインいただける方はいらっしゃいますか。」

彼女は、答えに詰まりました。頼れる人が、すぐには思い浮かばなかったのです。

これは特別な話ではありません。誰かと生きてきた人でも、ある日突然「おひとりさま」になることがあります。この記事を読んでいるあなた自身が、今はまだ「おひとりさま」ではないとしても、この話は決して他人事ではないのです。


おひとりさまはもう他人事ではない:2050年、約4割が単身世帯に

国の将来推計では、2050年には日本の全世帯の約4割が単身世帯になると予測されています。未婚のまま高齢期を迎える人だけでなく、配偶者との死別によって結果的に「おひとりさま」になる人も、この数字には数多く含まれています。

つまり、「自分は結婚しているから関係ない」「子どもがいるから大丈夫」と考えている方も、将来的に一人になる可能性から完全に自由ではないということです。

  • 配偶者が先に旅立つ
  • 子どもが遠方で暮らし、頼れる距離にいない
  • きょうだいや親族と疎遠になっている
  • そもそも身寄りがいない、または少ない

こうした状況は、誰の身にも起こり得ます。だからこそ、「今はひとりではない」という方にも、この記事で扱う8つのリスクを知っておいていただきたいのです。

では、身内が少ない・いない状態で老後を迎えたとき、具体的にどのようなリスクに直面するのでしょうか。次の章で体系的に整理します。


おひとりさまが老後に直面する8つのリスク

老後のリスクは、単発の問題ではありません。医療・介護・住居・お金・死後の手続きまで、生活のあらゆる場面に連鎖して現れます。ここでは、代表的な8つのリスクを整理し、それぞれに「今できる対策」をセットで紹介します。

リスク①:緊急時に助けを呼べない(孤独死・孤立死)

体調が急変したとき、倒れたとき、火事や災害が起きたとき——そばに気づいてくれる人がいなければ、発見が遅れます。実際に、一人暮らしの高齢者が自宅で亡くなり、しばらく発見されないケースは年々増加しています。

発見が遅れるほど、特殊清掃費用や原状回復費用は膨らみ、疎遠な親族に高額な費用請求が及ぶこともあります。孤独死が周囲に与える影響と2段階の対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。

孤独死が残す迷惑の実態|疎遠な家族・大家が払う代償と2段階の対策

今できる対策
– 自治体の見守りサービス・緊急通報システムに登録する
– センサー型の見守り家電やアプリを導入する
– 近隣・民生委員との最低限の接点を意識的に作る

リスク②:医療・介護の意思決定者がいない(キーパーソン不在)

入院や手術の際、病院は「キーパーソン」の存在を前提に手続きを進めます。冒頭のエピソードのように、緊急連絡先や手術同意のサインを求められたとき、頼れる人がいないと治療方針の決定そのものが滞ってしまうことがあります。

介護が必要になった場面でも同様です。ケアマネジャーとの相談、施設入所の判断、費用の支払い——本人の意思を代弁し、実務を動かしてくれる人の不在は、想像以上に大きな壁になります。

今できる対策
– 事前に「医療・介護に関する意思」を書面(エンディングノート等)に残しておく
– 任意後見契約や見守り契約を結び、判断能力があるうちに支援者を決めておく
– 身元保証・生活支援サービスの利用を検討する

リスク③:身元保証人が必要な場面で困る(入院・施設入所・賃貸契約)

入院、介護施設への入所、賃貸住宅への入居——いずれの場面でも「身元保証人」を求められるのが実情です。身元保証人には、費用の支払い保証だけでなく、緊急時の対応や本人が亡くなった際の遺体の引き取りといった役割まで期待されます。

身寄りが少ない・いない方にとって、この身元保証人をどう確保するかは、老後の入り口で最初にぶつかる壁のひとつです。

今できる対策
– 身元保証サービス(高齢者終身サポート事業者等)の利用を検討する
– 複数の事業者を比較し、費用体系・サービス範囲・解約条件を確認する
– 契約前に必ず消費生活センターや専門家に相談する

リスク④:認知症発症後の財産管理ができなくなる

認知症などで判断能力が低下すると、銀行口座からの引き出しや不動産の売却、施設入所費用の支払いといった財産管理行為が本人単独ではできなくなります。家族が「本人のために」お金を動かそうとしても、金融機関の窓口で断られるケースは少なくありません。

判断能力が失われた後にとれる手段は「法定後見制度」に限られますが、この制度には家族以外の専門家が後見人に選ばれるケースが多い、報酬が本人が亡くなるまで発生し続けるといった課題があります。制度の問題点と、発症前にできる対策については、こちらで詳しく解説しています。

法定後見制度の7つの問題点|月2〜6万円の報酬が死ぬまで続く理由と発症前にやるべき3つの対策

今できる対策
– 判断能力があるうちに「任意後見契約」を結び、後見人を自分で選んでおく
– 家族信託の活用を検討する
– 財産目録やパスワード情報を安全な形で整理しておく

リスク⑤:死後の手続きをしてくれる人がいない

亡くなった後には、葬儀の手配、火葬・納骨、賃貸物件の解約、公共料金の停止、健康保険証の返納など、数多くの事務手続きが発生します。相続人がいたとしても、疎遠であったり遠方に住んでいたりすれば、迅速な対応は期待できません。

これらの手続きを生前に第三者へ委任しておく仕組みが「死後事務委任契約」です。相続とは別の制度のため、相続人がいない、または疎遠な場合でも有効に機能します。契約内容や費用相場については、こちらの記事で詳しく解説しています。

死後事務委任契約でできること・できないこと完全ガイド|メリット・費用・遺言書との違いを徹底解説

今できる対策
– 死後事務委任契約を専門家(弁護士・司法書士・NPO等)と結んでおく
– 契約は公正証書で作成し、法的効力を明確にする
– 委任内容・連絡先情報を、家族や関係者が確実にたどり着ける形で残す

リスク⑥:遺産が国庫に帰属する(相続人不在の場合)

「頼れる家族がいない」ということは、裏を返せば「法定相続人がいない、または全員が相続放棄した」状態になり得るということです。この場合、家庭裁判所で相続財産清算人が選任され、債権者への清算等の手続きを経てもなお財産が残れば、最終的に国庫に帰属します。

生前お世話になった人や、応援したい団体に財産を託したいと考えるなら、遺言書の作成によって受遺者を指定しておく必要があります。何も準備しなければ、意思とは関係なく財産が国のものになってしまう点は、意外と知られていないリスクです。

今できる対策
– 遺言書を作成し、財産を託したい相手(個人・団体)を明記する
– 公正証書遺言で作成し、無効・紛失のリスクを避ける
– 遺言執行者をあわせて指定しておく

リスク⑦:ペットの行き先がない

一人暮らしでペットを飼っている場合、自分にもしものことがあったとき、ペットの行き先を誰が決めるのかという問題が残ります。飼い主が急に亡くなり、引き取り手が見つからないまま保健所へ送られてしまうケースは、全国で静かに増え続けています。

ペットを守るための生前対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。

おひとりさまが突然亡くなったらペットはどうなる?保健所送致と殺処分を防ぐ生前対策【ペット信託・後見・遺贈を徹底解説】

今できる対策
– ペットの新しい飼い主候補を生前に決め、合意を得ておく
– ペット信託や負担付遺贈の仕組みを活用する
– エンディングノートにペットの性格・かかりつけ動物病院・食事の好みなどを記録しておく

リスク⑧:デジタル資産・契約が宙に浮く

ネット銀行の口座、証券口座、仮想通貨、サブスクリプションサービス、SNSアカウント——現代の私たちは、多くの資産や契約をデジタル上に持っています。ところが、IDやパスワードが本人しか分からない状態のままだと、遺族はその存在にすら気づけません。

存在に気づかれないデジタル資産は、相続手続きから漏れ落ち、解約されないサブスクの引き落としが延々と続いたり、資産としての価値が失われたりする恐れがあります。おひとりさまの場合、この問題に気づいて対応してくれる家族がそもそも近くにいないため、リスクはさらに大きくなります。

デジタル資産の管理は、DENが最も専門性を発揮できる領域です。DEN(Digital Ending Note)は、こうしたデジタル上の情報を暗号化して安全に保管し、いざという時に指定した人だけが必要な情報にアクセスできる仕組みを提供しています。「本人しか知らなかったから、誰にも気づかれなかった」という事態を防ぎます。

デジタル終活を安全・簡単に進めたい方は、DENのモニター募集をご確認ください。
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今できる対策
– 保有するデジタル資産・契約を一覧にまとめておく
– ID・パスワードを紙の手帳などに直接書き残すのは避け、安全な管理方法を選ぶ
– 信頼できる人だけがアクセスできる形で、デジタル終活サービスに情報を託しておく


8つの対策を1枚で整理:制度・サービスの使い分け

ここまで見てきた8つのリスクへの対策は、いくつかの制度・サービスに集約されます。それぞれの役割を混同すると、「契約したつもりが、必要な場面でカバーされていなかった」という事態になりかねません。全体像を整理しておきましょう。

制度・サービス 主にカバーする場面 開始のタイミング
エンディングノート 意思の可視化、情報の整理・伝達 今すぐ
任意後見契約 認知症発症後の財産管理・意思決定 判断能力があるうち
身元保証サービス 入院・施設入所・賃貸契約時の保証 必要が生じる前
死後事務委任契約 葬儀・行政手続き・遺品整理など死後の実務 判断能力があるうち
遺言書 財産の承継先の指定 今すぐ〜早めに
デジタル終活サービス(DEN) デジタル資産・契約情報の保全と伝達 今すぐ

どれか一つだけを準備すれば安心、というものではありません。生きている間の備え(任意後見・身元保証)と、死後の備え(死後事務委任契約・遺言書)、そして両方をつなぐ情報基盤(エンディングノート・デジタル終活サービス)の3層で考えることが大切です。

成年後見制度の詳しい仕組みについては、裁判所の公式情報もあわせてご確認ください。

裁判所:成年後見制度・成年後見登記制度

相続手続き全般の基本的な考え方は、法務省の情報も参考になります。

法務省:相続に関する法務局における自筆証書遺言書保管制度について

エンディングノート・デジタル資産の情報をまとめて安全に管理したい方は、DENのサービス紹介ページもあわせてご覧ください。


まとめ:おひとりさまも、いつかひとりになるかもしれない人も

ここまで紹介した8つのリスクを振り返ります。

  1. 緊急時に助けを呼べない(孤独死・孤立死)
  2. 医療・介護の意思決定者がいない
  3. 身元保証人が必要な場面で困る
  4. 認知症発症後の財産管理ができなくなる
  5. 死後の手続きをしてくれる人がいない
  6. 遺産が国庫に帰属する
  7. ペットの行き先がない
  8. デジタル資産・契約が宙に浮く

これらのリスクに共通しているのは、「誰かが自分の代わりに動いてくれる」という前提が崩れたときに表面化するという点です。そしてその前提は、未婚・死別・疎遠など、さまざまなきっかけで誰にでも崩れ得ます。

今は配偶者や子どもがいて「おひとりさま」ではない方も、将来的にこの8つのリスクと無縁ではいられません。だからこそ、今のうちから少しずつ準備を進めておくことが、将来の自分と、周囲の人への一番の思いやりになります。

この記事では8つのリスクの全体像を紹介しましたが、それぞれのリスクにはより詳しい対策方法があります。気になるリスクがあれば、記事内でリンクした個別記事もぜひ参考にしてください。デジタル資産の管理については、DENのサービスページもご覧いただければと思います。

DENは、相続・遺言・終活に関する大切な情報を暗号化して安全に保管するデジタル終活サービスです。
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よくある質問

Q1. おひとりさまの終活は何歳から始めるべきですか?

明確な年齢の決まりはありませんが、判断能力が十分にあり、書類作成や契約の意味を理解できるうちに始めることが重要です。任意後見契約や死後事務委任契約は、本人の判断能力がしっかりしている段階でなければ締結できません。60代のうちに一度、財産やデジタル資産の棚卸しを行うことをおすすめします。

Q2. 身元保証サービスと死後事務委任契約はどう違いますか?

身元保証サービスは、主に生きている間の入院・施設入所・賃貸契約時の保証や緊急対応を担います。一方、死後事務委任契約は、亡くなった後の葬儀手配や行政手続きなど、死後の実務を担う契約です。多くの高齢者終身サポート事業者は、この両方をセットで提供しています。契約前に、それぞれがカバーする範囲を必ず確認してください。

Q3. 相続人が誰もいない場合、財産は必ず国のものになりますか?

相続人がいない、または相続人全員が相続放棄した場合、家庭裁判所で相続財産清算人が選任され、債権者への支払いなどの清算手続きが行われます。それでも財産が残った場合に、初めて国庫に帰属します。生前に特定の人や団体へ財産を託したい場合は、遺言書で受遺者を指定しておく必要があります。

Q4. エンディングノートを書けば、デジタル資産の相続対策として十分ですか?

エンディングノートは意思を可視化する重要なツールですが、紙のノートの場合、紛失・劣化・保管場所が分からなくなるといったリスクがあります。またID・パスワードをそのまま書き残すことはセキュリティ上のリスクにもなります。デジタル終活サービスを併用し、安全な形で必要な人に情報が届く仕組みを整えることをおすすめします。

Q5. 家族と同居している人でも、この記事の内容は関係ありますか?

はい、関係があります。配偶者が先に亡くなる、子どもが遠方で暮らしているといった状況は、誰にでも起こり得ます。今は家族と暮らしていても、将来的に一人になる可能性を踏まえて、早めに情報を整理しておくことは、家族への負担軽減にもつながります。


※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・投資相談ではありません。個別の案件については、専門家(弁護士・税理士・司法書士)に必ずご相談ください。

監修:DENメディア編集部 / 最終更新:2026年7月4日

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