公開日:2026年7月25日 / 最終確認日:2026年7月25日
フォーカスKW:デジタル終活 始め方 初心者 第一歩
カテゴリ:デジタル遺産
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・投資相談ではありません。個別の案件については、専門家(弁護士・税理士・司法書士)にご相談ください。記事内の情報は作成時点のものであり、法改正等により変更される場合があります。
「デジタル終活」という言葉を聞いたことはあっても、「なんだか難しそう」「何から手をつければいいのか分からない」と感じている方は多いのではないでしょうか。
実は、デジタル終活の第一歩は、とてもシンプルです。今日、5分だけ時間を取って、紙に何かを書き出すこと。それだけで始められます。
本記事で理解できること:
- デジタル終活とは、そもそも何をすることなのか
- 実際に起きているトラブルの実例(国民生活センターの報告より)
- 今日5分でできる「最初の一歩」の具体的なやり方
- パスワードを安全に書き残す「紙のスペアキー作戦」
- GoogleやAppleにある「もしもの時」のための設定
デジタル終活とは?スマホの中の”見えない資産”を整理すること
デジタル終活とは、ひとことで言うと、スマートフォンやパソコンの中にある大切な情報を、家族が困らないように整理しておくことです。
具体的には、こんなものが対象になります。
- ネット銀行や証券口座(通帳がなく、スマホの中にしか記録がない)
- サブスク(毎月自動で料金が引き落とされる定期サービス)
- SNSのアカウント
- 写真や動画などの思い出のデータ
昔であれば、通帳や証書といった「紙」を見れば、家族は故人の財産を把握できました。しかし今は、こうした情報の多くがスマホの中に集約されています。スマホが開けなければ、何も分からない。これが、デジタル終活が必要とされる一番の理由です。
【実例】国民生活センターに寄せられたリアルなトラブル2選
「そんなこと本当に起きるの?」と思う方のために、国民生活センターが2024年11月に公表した、実際の相談事例を2つご紹介します。
事例①:兄のネット銀行が確認できない
亡くなった兄が、生前にネット銀行で口座を開設していたようだ。契約先を確認するために、携帯電話会社の店舗でスマホの画面ロックを解除してほしいと依頼したが、「初期化はできるが、画面ロックの解除はできない」と言われた。これではデジタル遺品の確認ができない。
(2024年2月受付 60歳代 男性)
事例②:夫のサブスクが解約できない
夫が亡くなり、携帯電話を解約した。最近、クレジットカードの利用明細書に、約1,000円の不明な請求があるのを見つけた。カード会社に問い合わせると、「スマホのセキュリティのサブスクではないか」と言われた。事業者に問い合わせると、「すぐに解約するためにはIDとパスワードが必要だ」と言われ、分からないと答えると、「IDとパスワードがわからなければ、すぐには解約できない」と言われた。
(2024年7月受付 80歳代 女性)
どちらも特別な話ではありません。スマホのパスワードが分からない、それだけの理由で、遺族が何ヶ月も手続きに追われるケースが、実際に起きているのです。
(出典:国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』」)
なぜ後回しにしがちなのか|「完璧を目指さなくていい」というマインドセット
こうした実例を読むと、「うちも早く対策しないと」と焦る気持ちになるかもしれません。ですが、ここで一つお伝えしたいことがあります。
デジタル終活は、完璧にやろうとしなくていいということです。
「すべてのパスワードを整理しなきゃ」「エンディングノートを一冊きちんと仕上げなきゃ」と気負ってしまうと、かえって手が止まってしまいます。実際、多くの方がデジタル終活を先延ばしにしてしまう理由は、ハードルを高く設定しすぎていることにあります。
大切なのは、完成度ではなく、始めることです。今日1つだけ、小さな行動を起こす。それだけで、家族が将来困る可能性は大きく下がります。
第一歩は5分でOK|まず「自分のデジタル資産」を書き出すだけ
では、具体的に何から始めればよいのでしょうか。答えはシンプルです。
「自分がどんなデジタル資産を持っているか」を、紙に書き出してみることです。銀行に行く必要も、専門家に相談する必要もありません。今、手元にあるメモ用紙とペンで十分です。
以下のチェックリストを見ながら、当てはまるものに丸をつけてみてください。
デジタル資産の棚卸しチェックリスト
- [ ] ネット銀行(通帳を発行しない銀行の口座)
- [ ] ネット証券・株式・投資信託の口座
- [ ] 仮想通貨(暗号資産)の取引所口座
- [ ] コード決済サービス(電子マネー・QRコード決済)
- [ ] サブスク(動画配信・音楽配信・セキュリティソフトなど)
- [ ] SNS(LINE、X、Instagram、Facebookなど)
- [ ] クラウド上の写真・動画・書類データ
- [ ] ネット通販サイトの会員情報
すべてを埋める必要はありません。「そういえば、あのサービス使っているな」と気づいたものから、思いつく範囲で書き出すだけで十分です。これが、デジタル終活の第一歩です。
実践Tips①:紙のスペアキー作戦(名刺サイズの紙×修正テープでマスキング)
「デジタル資産を書き出した」次のステップとして、家族が困ったときのために、パスワードを安全に残しておく方法を紹介します。国民生活センターも推奨している、シンプルで実用的な方法です。
その名も「紙のスペアキー作戦」。手順は次の2つだけです。
手順1:名刺サイズの紙に、スマホのパスワードなどを書きます。そのパスワード部分の上から、修正テープを2〜3回重ねて貼り、文字が見えないようにマスキングします。
手順2:この紙を安全な場所に保管しておきます。いざというとき、家族がコインなどで修正テープを軽く削れば、パスワードが読めるようになります。
普段は誰にも見られる心配がなく、必要なときだけ家族がアクセスできる。とてもよくできた工夫です。
なお、パスワードをそのまま書くことに抵抗がある場合は、「パートナーの誕生日」のように、家族だけが分かる合言葉を書いておく方法もあります。もし修正テープを削られた形跡に気づいたときは、念のためパスワードを変更しておくと安心です。
実践Tips②:エンディングノートに書き残す
紙のスペアキーで個別のパスワードを守りつつ、「どんなサービスを契約しているか」の一覧は、エンディングノートにまとめておくと、家族の負担がぐっと減ります。
書いておきたい項目は、次の3つです。
- 契約しているサービスの名前(銀行名・証券会社名・サブスクの名称など)
- そのサービスへの連絡方法(電話番号やお問い合わせ窓口)
- 実際のログイン情報(ID・パスワード)は別の場所に保管し、ノートには「どこにあるか」だけを書く
法務省と日本司法書士会連合会が、無料のエンディングノートを公開しています。書き方に迷ったときは、こうしたフォーマットを参考にするのもおすすめです。
デジタル終活を安全・簡単に進めたい方は、DENのモニター募集をご確認ください。
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実践Tips③:Google・Appleの「もしもの時」設定
紙で残す方法に加えて、スマホの中の設定も見直しておくと、さらに安心です。GoogleとAppleには、どちらも「もしもの時」に備える機能が用意されています。
Googleの場合
一定期間ログインがないと、あらかじめ指定した家族などに自動で連絡が届く仕組みがあります。「使っていないアカウントの管理」という設定から、連絡先やデータの引き渡し方法をあらかじめ決めておけます。
Appleの場合
「故人アカウント管理連絡先」という機能を使うと、万が一のときにアクセスできる人をあらかじめ指定できます。指定された家族が必要な書類を提出すれば、写真やメモなどのデータにアクセスできるようになります。
どちらも設定自体は数分で終わります。一度設定しておけば、あとは特に意識する必要はありません。
紙のスペアキーの”進化版”という選択肢
ここまで紹介した「紙のスペアキー作戦」は、お金をかけずに今日から始められる、とても優れた方法です。
一方で、紙には紙なりの心配もあります。「保管場所を忘れてしまった」「紙が劣化して読めなくなった」「そもそもどこにしまったか、家族が知らない」——こうした事態も起こり得ます。
DENは、いわば紙のスペアキーの”進化版”です。サービス名やID・パスワードといった大切な情報を暗号化して安全に保管し、必要なタイミングで家族に届けられるデジタル終活サービスです。三分割暗号化方式を採用しているため、一箇所が漏れても情報全体は守られる仕組みになっています。
「まずは紙で始めてみて、慣れてきたらデジタルに移行する」という進め方も、もちろん問題ありません。大切なのは、今日、何か1つ始めることです。
DENは、相続・遺言・終活に関する大切な情報を暗号化して安全に保管するデジタル終活サービスです。現在、サービス開始に向けてモニターを募集しています。
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さらに詳しい実践Tipsは、「デジタル終活、本当の盲点はここだった」で解説していますので、あわせてご覧ください。また、スマホの顔認証・指紋認証が家族の壁になるケースについては、「Face IDが家族を締め出す日」もご参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. デジタル終活は何歳から始めるべきですか?
年齢の決まりはありません。スマホやネットサービスを使っている方であれば、何歳であっても今日から始められます。「まだ早い」ということはなく、早く始めるほど家族の負担は軽くなります。
Q2. パスワードを紙に書くのは危険ではないですか?
そのまま書いて放置するのは避けたいですが、本記事で紹介した「修正テープでマスキングする」方法であれば、普段は文字が見えず、必要な人だけが確認できます。保管場所にも気を配れば、比較的安全な方法といえます。
Q3. 家族に「もしもの時」の話をするのは気まずいのですが、どう伝えればいいですか?
「万が一のとき、あなたが困らないようにしておきたい」という前向きな理由から伝えると、話しやすくなります。重い話としてではなく、日常の延長として軽く切り出すのがおすすめです。
Q4. サブスクの解約は、亡くなった後でも自動的に止まりますか?
止まりません。契約者が亡くなったことを、事業者が自動的に知る手段はないため、遺族が解約手続きを行う必要があります。放置すると、請求だけが続いてしまうケースがあります。
Q5. エンディングノートとDENは何が違うのですか?
エンディングノートは主に紙で情報を残す方法です。DENは、同じような情報を暗号化した状態でデジタルに保管し、安全性を高めながら、必要なタイミングで家族に届けられるサービスです。紙とデジタル、それぞれの特性に応じて使い分けることもできます。
Q6. デジタル資産の棚卸しは、一度やれば終わりですか?
いいえ、新しいサービスを使い始めるたびに、リストを更新していくのが理想です。年に1回など、タイミングを決めて見直す習慣をつけておくと安心です。
まとめ:今日、1つだけ始めよう
デジタル終活と聞くと難しく感じますが、実際にやることはシンプルです。
- デジタル終活とは、スマホの中の”見えない資産”を家族のために整理しておくこと
- 「スマホが開けない」だけで、遺族が何ヶ月も困るケースが実際に起きている
- 完璧を目指す必要はなく、今日1つ始めるだけでいい
- 第一歩は、自分のデジタル資産を紙に書き出すこと
- パスワードは「紙のスペアキー作戦」で安全に残せる
- エンディングノートへの記録、Google・Appleの設定も、それぞれ数分でできる
今日、5分だけ時間を取ってみてください。紙とペンを用意して、自分がどんなサービスを使っているか、思いつくままに書き出す。それだけで、あなたのデジタル終活は、もう始まっています。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・投資相談ではありません。個別の案件については、専門家(弁護士・税理士・司法書士)にご相談ください。記事内の情報は作成時点のものであり、法改正等により変更される場合があります。


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