介護施設の費用はいくら?特養・老健・有料老人ホームなど7種類を月額・自己負担で徹底比較

ノートと電卓、貯金箱をイメージした介護費用の家計計画の写真 終活・エンディングノート

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療・介護・法律・税務相談ではありません。介護施設の費用は地域・施設・要介護度・居室タイプ・所得状況によって大きく異なり、本記事の金額はあくまで目安です。具体的な費用や利用可能な軽減制度については、必ず担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、お住まいの市区町村の介護保険窓口にご確認ください。記事内の統計データは、厚生労働省・生命保険文化センターなど公的機関・調査機関が公表した時点のものであり、その後の制度改正等により変更される場合があります。


本記事で理解できること

「親を施設に入れるとしたら、一体いくらかかるのか」——介護が現実味を帯びてきたとき、多くの方がまず気になるのがこの疑問ではないでしょうか。特養、老健、有料老人ホーム、サ高住……施設の種類が多く、それぞれ費用の仕組みも異なるため、比較するだけでも一苦労です。

本記事では、代表的な介護施設7種類の費用相場を、入居一時金と月額費用の両面から比較します。あわせて、自己負担割合や高額介護サービス費、補足給付といった負担軽減の仕組み、在宅介護との費用比較、そして「結局いくらあれば安心か」という総額の考え方までを整理します。

なお、費用は地域・施設・要介護度によって大きな幅があり、本記事の数字はあくまで目安です。特定の施設種別を推奨する意図はなく、判断材料としてご活用いただくことを目的としています。


「結局いくらかかるのか」——介護費用の全体像

まず、介護全体でどれくらいの費用がかかるのか、公的な調査データから確認しましょう。

生命保険文化センターの調査(2024年度・全国実態調査)によると、介護に要した費用は、住宅改造や介護用ベッド購入などの一時的な費用が平均47.2万円、月々の費用が平均9.0万円、平均的な介護期間は55.0か月(4年7か月)とされています(出典:生命保険文化センター「介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?」)。

単純計算すると、一時費用と月額費用(介護期間分)を合わせた総額の目安はおよそ500万円前後になります。介護を行った場所別に見ると、月額費用は在宅で平均5.3万円、施設で平均13.8万円と、施設のほうが高くなる傾向があります。

ただし、これはあくまで全国平均です。実際の金額は、要介護度、利用するサービスの量、居住する地域、選ぶ施設のタイプによって大きく変動します。目安として全体像を把握したうえで、次章以降で施設ごとの費用を具体的に見ていきましょう。


施設7種類の費用比較

介護施設は、公的施設と民間施設に大きく分けられ、それぞれ費用の仕組みが異なります。以下は代表的な7種類の費用目安です。地域や施設、居室タイプによって差が大きいため、あくまで参考の範囲としてご覧ください。

① 特別養護老人ホーム(特養)

  • 月額費用の目安:約10〜15万円(多床室で10万円前後、ユニット型個室で15万円程度)
  • 入居一時金:原則不要
  • 特徴:公的施設のため費用が比較的抑えられる。原則として要介護3以上が入所条件で、地域によっては入所待ちが発生することもある
  • 向いている人:長期的な入所を希望し、費用を抑えたい方

② 介護老人保健施設(老健)

  • 月額費用の目安:約8〜15万円
  • 入居一時金:原則不要
  • 特徴:在宅復帰に向けたリハビリテーションを目的とする施設で、原則として3〜6か月程度の短期利用を想定している
  • 向いている人:入院後にリハビリを経て自宅や他施設への移行を目指す方

③ 介護医療院

  • 月額費用の目安:約9〜18万円
  • 入居一時金:原則不要
  • 特徴:医療的なケアを継続的に必要とする方向けの施設で、日常的な医学管理と生活支援をあわせて受けられる
  • 向いている人:慢性期の医療管理が必要な方

④ 介護付き有料老人ホーム

  • 月額費用の目安:約15〜40万円
  • 入居一時金:0円〜数千万円(施設・地域差が非常に大きい。都市部では1,000万円を超える例もある)
  • 特徴:施設スタッフによる介護サービスが手厚く、レクリエーションや生活支援などのサービスが充実している施設が多い
  • 向いている人:手厚いサービスを重視し、費用に一定の余裕がある方

⑤ 住宅型有料老人ホーム

  • 月額費用の目安:約10〜30万円
  • 入居一時金:0円〜数百万円(0円の施設も多い)
  • 特徴:生活支援サービスは提供されるが、介護サービスは外部の訪問介護等を別途契約して利用する形が一般的
  • 向いている人:比較的自立度が高く、必要な介護サービスを選んで利用したい方

⑥ サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

  • 月額費用の目安:約10〜30万円
  • 入居金:敷金程度(数万円〜数十万円)の施設が多い
  • 特徴:賃貸借契約に基づく住まいで、安否確認・生活相談サービスが付帯する。介護サービスは必要に応じて外部契約する形が一般的で、比較的自由度が高い
  • 向いている人:自由度の高い暮らしを維持しながら見守りを受けたい方

⑦ グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

  • 月額費用の目安:約15〜30万円
  • 入居一時金:0円〜数十万円程度(施設による)
  • 特徴:認知症の診断を受けた方を対象に、少人数(1ユニット原則9人以下)の家庭的な環境で共同生活を送る施設
  • 向いている人:認知症の症状があり、少人数の落ち着いた環境を希望する方

この比較表はあくまで目安であり、実際の費用は施設の立地・設備・サービス内容によって大きく異なります。 気になる施設が見つかったら、必ず見積書を取り寄せ、月額費用の内訳(介護費・食費・居住費・その他生活費)を確認することをおすすめします。


自己負担の仕組みを理解する

介護施設の費用を考えるうえで欠かせないのが、公的な自己負担の仕組みです。

介護保険の自己負担割合は1〜3割

介護保険サービスを利用した際の自己負担割合は、所得に応じて1割・2割・3割のいずれかに区分されます。多くの方は1割負担ですが、一定以上の所得がある方は2割または3割負担となります。

食費・居住費は介護保険の対象外

見落とされがちですが、施設での食費・居住費(部屋代)は原則として介護保険の対象外であり、全額自己負担となります。月額費用の中でも、この食費・居住費が大きな割合を占めることが少なくありません。

高額介護サービス費制度

1か月の介護サービス利用者負担(1〜3割部分)が一定の上限額を超えた場合、申請により超過分が払い戻される制度です。上限額の目安は、一般的な世帯で月44,400円、住民税非課税世帯で月24,600円程度とされています(出典:厚生労働省)。ただし上限額は世帯の所得状況によって細かく区分されているため、正確な金額は市区町村の窓口でご確認ください。

補足給付(特定入所者介護サービス費)

低所得の方が施設に入所した際、食費・居住費の負担が重くならないよう、所得区分に応じた負担限度額を設定し、それを超える分を介護保険から給付する仕組みです。対象は特養・老健・介護医療院などの介護保険施設やショートステイで、所得や預貯金等の資産要件によって段階が分かれます。制度の見直しが定期的に行われているため、最新の基準額は市区町村や施設に確認することをおすすめします(出典:厚生労働省「補足給付」関連資料)。

これらの制度はいずれも申請が必要です。知らないまま利用しないと、本来受けられる負担軽減を逃してしまう可能性があります。


在宅介護との費用比較

施設入所だけでなく、在宅介護という選択肢も費用面から検討しておきたいところです。

生命保険文化センターの調査では、在宅介護の月額費用は平均5.3万円、施設介護は平均13.8万円とされています。在宅介護は、訪問介護・訪問看護・デイサービスなどの利用量によって月5〜20万円程度と幅がありますが、施設に比べると費用を抑えやすい傾向があります。

一方で、在宅介護は家族の身体的・精神的な負担が大きくなりやすいという側面もあります。費用だけで判断するのではなく、介護者の生活状況や介護度、本人の希望なども含めて総合的に検討することが大切です。在宅介護と施設介護のどちらを選ぶかについては、罪悪感を持つ必要のない判断であることも含めて、あわせて検討してみてください。


「結局いくらあれば安心か」——総額シミュレーションの考え方

具体的な金額を試算してみましょう。あくまで一例としての目安です。

  • 月額費用15万円の施設に3年間(36か月)入所した場合:15万円×36か月=約540万円
  • 入居一時金100万円+月額費用15万円で3年間入所した場合:100万円+(15万円×36か月)=約640万円
  • 在宅介護を月8万円で3年間行った場合:8万円×36か月=約288万円

これらはあくまで単純計算であり、実際には要介護度の変化によるサービス利用量の増減、高額介護サービス費や補足給付による軽減、医療費なども関わってきます。「〇〇万円あれば絶対に安心」という一律の答えはありませんが、こうした試算を通じて、必要な資金の桁感をつかんでおくことには意味があります。

年金収入でどこまで賄えるか、不足分をどう準備するかについては、早めにケアマネジャーやファイナンシャルプランナーに相談し、家計全体の見直しとあわせて検討することをおすすめします。


費用の準備状況・希望施設を家族と共有しておく重要性

ここまで見てきたように、介護施設の費用は種類によって大きく異なり、自己負担の仕組みも複雑です。だからこそ、いざというときに慌てないためには、事前の情報整理と家族間の共有が欠かせません。

「どのくらいの費用を準備しているか」「どんな施設を希望するか」「介護保険証や預貯金の情報はどこにあるか」——こうした情報は、本人の判断力が十分なうちに、家族やケアマネジャーと共有しておくことが望ましいとされています。

デジタル終活サービス「DEN」は、こうした介護・終活に関する情報をエンディングノートとしてデジタルで整理し、必要なときに家族と共有できるようにするためのサービスです。紙のノートでは記入や更新が後回しになりがちですが、デジタルであれば継続的に見直しやすく、いざというときに家族が迷わず対応できます。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 介護施設の費用はどこに相談すればよいですか?

まずは担当のケアマネジャーや、お住まいの市区町村の介護保険窓口、地域包括支援センターに相談することをおすすめします。利用できる制度や地域の施設事情に詳しい専門職から、具体的なアドバイスを受けられます。

Q2. 年金だけで施設の費用は賄えますか?

施設の種類や年金受給額によって異なります。特養など公的施設で軽減制度を利用できる場合は年金の範囲内で収まるケースもありますが、民間の有料老人ホームでは不足する場合も少なくありません。事前に収支のシミュレーションをしておくことが重要です。

Q3. 特養に入りたいのですが、すぐに入居できますか?

特養は原則として要介護3以上が入所条件で、人気の高い地域や施設では入所までに時間がかかることがあります。早めに複数の施設に申し込みをしておくことをおすすめします。

Q4. 高額介護サービス費や補足給付は自動的に適用されますか?

いずれも原則として申請が必要な制度です。該当する可能性がある場合は、市区町村の窓口やケアマネジャーに相談し、忘れずに申請手続きを行いましょう。

Q5. 入居一時金が0円の施設は何か問題があるのですか?

一概には言えません。入居一時金を0円とする代わりに月額費用に含めて調整している施設も多くあります。総支払額(入居一時金+月額費用×想定入居期間)で比較することをおすすめします。

Q6. 施設によって費用がここまで違うのはなぜですか?

立地(都市部か地方か)、建物の設備、人員配置の手厚さ、提供されるサービスの内容などが主な要因です。同じ種類の施設でも、地域や運営法人によって費用は大きく異なります。

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まとめ

介護施設の費用は、特養・老健・介護医療院といった公的施設が比較的安価な傾向にある一方、介護付き有料老人ホームなど民間施設は入居一時金・月額費用ともに幅が大きく、地域差も顕著です。高額介護サービス費や補足給付といった負担軽減の仕組みを知っているかどうかで、実際の負担額は大きく変わってきます。

本記事で紹介した金額はあくまで目安であり、実際の費用は施設・地域・要介護度によって異なります。「結局いくらかかるのか」を正確に知るためには、気になる施設に見積もりを依頼し、ケアマネジャーや市区町村の窓口に相談しながら、ご自身やご家族の状況に合った選択肢を検討することが大切です。

特定の施設や施設種別を推奨するものではなく、あくまで判断材料としてご活用いただければ幸いです。

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参考・出典

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