AIで終活はどこまでできる?ChatGPT・Claudeの活用法5選|遺言書の下書き・エンディングノート・家族への手紙と注意点

和室の座卓にタブレットを置き、穏やかな表情で終活について考える日本人のシニア女性 終活・エンディングノート

公開日:2026年9月29日 / 最終確認日:2026年9月29日
監修:終活・相続専門チーム(DEN編集部)

「エンディングノートを買ったけれど、最初のページで手が止まったまま」。
そんな経験はありませんか。

終活は、やるべきことが多いわりに、相談できる相手が少ない作業です。家族には切り出しにくく、専門家に聞くほどでもない。そんな「小さな迷い」が積み重なって、つい後回しになってしまいます。

そこで最近、ChatGPTやClaude、Geminiといった生成AIを終活の相談相手にする人が増えています。夜中でも何度でも、同じ質問に嫌な顔ひとつせず付き合ってくれるのは、AIならではの良さです。

では、AIは終活のどこまで手伝ってくれるのでしょうか。「遺言書まで書いてもらえるの?」という疑問も含めて、できること・できないことを正直に整理しました。

本記事で分かること
– AIで終活にできること・できないことの早見表
– 終活でAIが活躍する5つの場面と、そのまま使える質問例
– AIに入力してはいけない情報と、プライバシーを守るコツ
– 「AIに任せきり」にしないための4つの注意点
– 2026年に成立したデジタル遺言と、AIのこれから

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・投資相談ではありません。個別の案件については、専門家(弁護士・税理士・司法書士)にご相談ください。AIの回答は正確性が保証されたものではありません。記事内の情報は2026年9月時点のものであり、法改正やサービスの仕様変更により変わる場合があります。


終活にAIを使う人が増えている背景

終活にAIを使う人が増えている背景には、生成AIそのものの急速な普及と、「一人で考え込まずに済む相談相手」を求める声があります。

総務省「令和7年版情報通信白書」によると、日本で生成AIを「使っている(過去に使ったことがある)」人は26.7%でした(2024年度調査)。前年度の9.1%から、およそ3倍に増えています。

終活の分野でも、遺言書の文案づくりを手伝うサービスや、終活の相談に答えるAIが登場しはじめました。「まずはAIに聞いてみる」が、特別なことではなくなりつつあります。

とはいえ、AIは万能の終活アドバイザーではありません。上手に付き合うために、まずは得意なことと苦手なことを見ておきましょう。


【結論】AIで終活にできること・できないこと早見表

AIは終活の「考える・整理する・言葉にする」作業を大きく助けてくれますが、法的な判断や最終的な決定、大切な情報の保管は人間が担う必要があります。

場面 AIにできること AIにできないこと・人間の役割
遺言書 文案のたたき台づくり、書き方の一般的な説明 法的に有効な遺言書の完成。本人による作成と専門家の確認が必要
エンディングノート 書く項目の提案、質問形式での聞き取り あなたの本当の気持ちを決めること
相続・法律の知識 制度の概要をかみくだいて説明 個別の税額計算・法律相談。数字は公式情報で要確認
デジタル資産 やることリストの作成、整理の手順づくり パスワードの保管。AIに入力してはいけない
家族への手紙 言葉の候補の提案、文章の推敲 最後に「自分の言葉」で仕上げること

表を見ると、AIの役割は一貫して「下ごしらえ役」だと分かります。仕上げと判断は、いつもあなたの手に残ります。


AIを終活に使える5つの場面

AIが終活で活躍する場面は、遺言書の下書き、エンディングノートの整理、相続の基礎知識の確認、デジタル資産の棚卸し、家族への手紙づくりの5つです。

ここでは場面ごとに、AIへのそのまま使える質問例も紹介します。質問例の中の人名や金額は、実際の情報ではなく仮の表現に置き換えて使ってください。

① 遺言書の下書き|「考えを整理する相手」として使う

AIに家族構成や財産の分け方の希望を伝えると、遺言書の文案を作ってくれます。ただし、AIが出力した文章は、そのままでは遺言書になりません。

自筆証書遺言は、本文・日付・氏名を本人が手書きする必要があります(民法968条。財産目録は除く)。AIの文案を参考にしながら、自分の手で書き直すことが前提です。公正証書遺言なら、公証人との打ち合わせ前に考えを整理するメモとして役立ちます。

AIが特に力を発揮するのは、文案づくりよりも「迷いを言葉にする」段階です。

質問例:「遺言書を書く前に、自分の考えを整理したいです。家族構成は配偶者と子ども2人です。財産の分け方を考えるうえで、確認しておくべき点を質問形式で10個挙げてください」

AIで作った遺言書が有効になる条件や、自筆証書遺言・公正証書遺言それぞれでの具体的な使い分けは、AIで作った遺言書は有効?ChatGPT・Claude活用と自筆証書遺言・公正証書遺言・デジタル遺言の境界線で詳しく解説しています。

② エンディングノートの整理|AIに「聞き役」を頼む

エンディングノートが進まない一番の理由は、「何を書けばいいか分からない」ことではないでしょうか。ここは、AIの得意分野です。

AIに聞き役をお願いすると、1問ずつ質問を投げかけてくれます。答えていくうちに、ノートに書く材料が自然とそろっていきます。

質問例:「エンディングノートを書きたいのですが、何から書けばいいか分かりません。私に1問ずつ質問して、答えをもとに書く内容を整理してください。まずは医療や介護の希望から始めてください」

ポイントは、一度に全部を終わらせようとしないことです。「今日は医療の希望だけ」と区切れば、無理なく続けられます。

続けるコツはエンディングノートが続かない本当の理由|日記を10年続けた人に学ぶ、挫折しない6つのコツも参考にしてください。

③ 相続・法律の基礎知識を調べる|「入口の案内役」として使う

「相続税って、どういう仕組み?」「遺留分って何?」。こうした基本的な疑問に、AIはかみくだいて答えてくれます。専門書を開く前の入口としては、とても便利です。

質問例:「相続税の基礎控除の仕組みを、60代の初心者にも分かるように説明してください。最後に、確認すべき公的機関のページも教えてください」

ただし、AIの答えには古い情報や誤りが混ざることがあります。相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)のような数字は、必ず国税庁などの公式情報で確かめましょう。

自分の家の場合に税金がいくらかかるかといった個別の計算や判断は、税理士などの専門家の領域です。AIの答えは「専門家に何を聞くか」を整理する材料として使うのがおすすめです。

④ デジタル資産の整理|「やることリスト」を作ってもらう

スマホの中には、ネット銀行、証券口座、スマホ決済、サブスク、SNSなど、家族から見えない財産や契約が眠っています。何から手をつければいいか、AIに一覧にしてもらいましょう。

質問例:「デジタル終活でやるべきことを、スマホ・ネット銀行・サブスク・SNSの4分類でチェックリストにしてください。家族に引き継ぐときの注意点も添えてください」

ここで大切な注意があります。パスワードやID、口座番号そのものは、絶対にAIに入力しないでください。AIに作ってもらうのは「リストの枠組み」まで。中身は自分の手元で管理します。

デジタル終活の全体像はデジタル終活の始め方|初心者でも今日5分でできる「たった1つの第一歩」、パスワードの残し方はパスワード管理は老後こそ重要|実施率わずか2%の現実と家族が困らない3つの選択肢で解説しています。

⑤ 家族へのメッセージ作成|「言葉選びの相棒」にする

「ありがとう」と伝えたいのに、照れくさくて言葉が出てこない。そんなときこそ、AIの出番です。思い出や伝えたい気持ちを箇条書きで渡すと、手紙の形に整えてくれます。

質問例:「妻への感謝の手紙を書きたいです。40年間支えてもらったこと、旅行の思い出、これからも元気でいてほしいという気持ちを入れたいです。飾らない、私らしい言葉でまとめてください」

ただし、AIの文章はどうしても整いすぎて、少しよそ行きの印象になりがちです。最後は必ず自分の言葉で手を入れてください。口癖や、二人だけが分かる思い出を一言足すだけで、ぐっとあなたらしい手紙になります。

手紙を受け取る家族にとって大切なのは、文章のうまさではなく「あなたが書いた」という事実です。AIは、その一歩を後押ししてくれる存在です。


AIに入力してはいけない情報とプライバシーを守るコツ

AIに終活の相談をするときは、入力した情報がサービス側で保存・利用される可能性を前提に、個人を特定できる情報やお金に直結する情報を入れないことが最も大切です。

個人情報保護委員会は2023年6月、生成AIの一般の利用者に向けて注意喚起を行いました。入力した個人情報が機械学習に使われ、不正確な内容と結びついて出力されるおそれがあること、回答に不正確な内容が含まれることがあることなどを挙げています。

終活では、つい詳しい情報を入れたくなります。次の情報は入力しないようにしましょう。

入力しない情報 置き換え方の例
氏名・住所・生年月日 「長男A」「妻」「70代」など
口座番号・証券口座番号 「ネット銀行が1つ」など種類だけ
パスワード・暗証番号・ID 入力しない(置き換えも不要)
マイナンバー・保険証券番号 入力しない
正確な資産額 「約2,000万円」など大まかな数字
家族の病歴などの詳しい健康情報 必要な範囲にとどめる

あわせて、使っているAIサービスの設定も確認しておくと安心です。多くのサービスには、会話の履歴を残すかどうかや、入力内容をAIの改善に使うかどうかを選べる設定があります。設定の名前や内容はサービスごとに違うため、利用規約とプライバシーポリシーに目を通しておきましょう。

家族共用のパソコンやスマホで使う場合は、会話の履歴が家族の目に触れることにも注意が必要です。


「AIに任せきり」にしないための4つの注意点

AIを終活に上手に活かすには、AIの答えに法的効力はないこと、情報が古い場合があること、もっともらしい誤りがあること、最終判断は自分で行うことの4点を押さえておく必要があります。

注意点1:AIの答えに法的な効力はない

AIが作った文章は、遺言書にも契約書にもなりません。法律で決められた方式を満たして、はじめて効力が生まれます。大切な書類ほど、専門家の確認を受けましょう。

注意点2:情報が最新とは限らない

相続や税金の制度は、毎年のように見直されます。AIは、ある時点までの情報をもとに答えていることがあります。制度の話は、法務省・国税庁などの公式サイトで最新情報を確かめてください。

注意点3:もっともらしい誤りがある

AIは、間違っていても自信満々に答えることがあります。存在しない制度や、根拠のない数字が混ざることもあります。「本当かな?」と思ったら、出典を尋ねたり、公式情報と照らし合わせたりする習慣をつけましょう。

注意点4:最後に決めるのは自分自身

誰に何を残すか、どんな最期を望むか。こうした問いに正解はなく、AIが決められるものでもありません。AIは選択肢を広げてくれますが、選ぶのはいつもあなたです。

家族との話し合いを、AIとの会話で置き換えないことも大切です。AIで考えを整理したら、その内容を家族に伝えるところまでが終活です。


AIと終活の未来|デジタル遺言でどう変わる?

2026年6月に成立した改正民法で、パソコンなどで作成できる新しい遺言の方式「保管証書遺言(デジタル遺言)」が設けられ、AIで考えを整理してから遺言を残す流れが、より身近になる可能性があります。

法務省によると、保管証書遺言は、パソコンなどで作成した遺言を法務局に提出し、本人が遺言の全文を口述するなどして、法務局が保管する方式です。口述は対面のほか、ウェブ会議を利用する方法も設けられます。

ただし、2026年9月時点ではまだ利用できません。施行は「公布の日(2026年6月24日)から3年を超えない範囲で政令で定める日」とされ、具体的な開始日は決まっていません。

デジタル遺言が始まれば、手書きの負担は小さくなります。一方で、遺言の中身を考えるのは、これからも本人です。AIで考えを整理し、専門家に確認し、本人が自分の言葉で口述する。そんな役割分担が、これからの遺言づくりの形になっていくかもしれません。

制度の仕組みや注意点は、130年ぶりの遺言革命!「デジタル遺言(保管証書遺言)」とは?2026年改正民法で何が変わるかで解説しています。

また、AIが一人ひとりの終活に寄り添う「パーソナルアシスタント」のような存在になる可能性もあります。その場合も、個人情報をどこまで預けるかという判断は、使う人自身に委ねられます。


AIで整えた言葉は「安全に残して家族に届ける」まで考えよう

AIで整理したエンディングノートや家族への手紙は、書いて終わりではなく、必要なときに家族へ確実に届く形で安全に残しておくことで、はじめて意味を持ちます。

せっかくAIと一緒に整えた言葉も、パソコンのフォルダやAIの会話履歴に眠ったままでは、家族は見つけられません。一方で、パスワードや資産の情報を無防備に保存しておくのも心配です。

DEN(Digital Everlife Note)は、終活の大切な情報を暗号化して保管し、家族に伝えるためのデジタル終活サービスです。DENにも、AIを使った文章の編集サポート機能があります。

ただし、DENのAIはあくまで「書いた文章を整えるお手伝い」に使うものです。利用者一人ひとりに合わせてAIを学習させる機能は設けていません。考えるのも、決めるのも、最後に言葉を選ぶのもあなた自身。AIの手軽さと、人の意思を尊重する姿勢を両立させることを大切にしています。

デジタル終活を安全・簡単に進めたい方は、DENのモニター募集をご確認ください。
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よくある質問(FAQ)

Q1. ChatGPTなどのAIで作った遺言書は有効ですか?
A. AIが出力した文章をそのまま印刷しただけでは、遺言書として有効になりません。自筆証書遺言は本文・日付・氏名を本人が手書きする必要があり、公正証書遺言は公証人が作成します。AIの文案は下書きとして使い、専門家に確認してもらいましょう。

Q2. 終活に使うなら、どのAIサービスがよいですか?
A. ChatGPT、Claude、Geminiなど、どのサービスでも本記事で紹介したような使い方ができます。選ぶときは、使いやすさに加えて、入力内容の扱い(履歴の保存や学習への利用の設定)を利用規約で確認することをおすすめします。

Q3. AIに家族構成や財産のことを話しても大丈夫ですか?
A. 氏名・口座番号・パスワードなど、個人の特定やお金に直結する情報は入力しないでください。「長男A」「約2,000万円」のように置き換えれば、プライバシーを守りながら相談できます。

Q4. パソコンやスマホが苦手でも、AIを使えますか?
A. 多くのAIサービスは、文字を入力するだけで使えます。音声で話しかけられるものもあります。まずは「エンディングノートに書く項目を教えて」のような短い質問から試してみましょう。家族に最初の設定だけ手伝ってもらうのも一つの方法です。

Q5. AIの答えが正しいかどうか、どう確かめればいいですか?
A. 制度や数字に関する答えは、法務省・国税庁などの公式サイトで確認しましょう。AIに「その情報の出典は?」と尋ねるのも有効です。個別の判断が必要な内容は、弁護士・税理士・司法書士などの専門家にご相談ください。

Q6. AIで作ったエンディングノートや手紙は、どこに保管すればいいですか?
A. 紙に印刷して保管する方法のほか、デジタルで保管する方法もあります。大切なのは、家族が必要なときに見つけられることと、パスワードなどの重要情報が漏れないことです。保管場所は、信頼できる家族に伝えておきましょう。

エンディングノートのデジタル化にご興味がある方は、DENのサービス紹介ページをご覧ください。


まとめ

AIは、終活の「何から始めればいいか分からない」を解きほぐしてくれる、頼もしい相棒です。エンディングノートの聞き役、知識の入口、やることリストづくり、手紙の言葉選び。使い方しだいで、止まっていた終活がぐっと前に進みます。

一方で、AIは遺言書を完成させることも、あなたの代わりに決めることもできません。入力する情報に気を配り、大切な判断は専門家の確認と自分自身の意思で行う。この線引きさえ守れば、AIは終活の心強い味方になります。

まずは今夜、AIに「私のエンディングノート、何から書けばいい?」と一言だけ聞いてみませんか。その小さな一歩が、家族への大きな贈り物につながっていきます。

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専門家への相談のすすめ
AIは一般的な情報や文章づくりの手助けをしてくれますが、個別の法律・税務の判断はできません。遺言書の作成は弁護士・司法書士・公証人に、相続税の試算は税理士に、必ず事前にご相談ください。AIの回答は正確性が保証されたものではなく、最新の制度を反映していない場合があります。本記事は特定のAIサービスを推奨・批判するものではありません。

参考資料
– 総務省「令和7年版 情報通信白書 個人におけるAI利用の現状」
– 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」(2023年6月2日)
– 法務省「『民法等の一部を改正する法律』(成年後見及び遺言の制度の見直し)について」(令和8年法律第45号)
– 法務省「自筆証書遺言書保管制度」
– e-Gov法令検索「民法」(第968条)
– 国税庁「No.4152 相続税の計算」

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・投資相談ではありません。個別の案件については、専門家(弁護士・税理士・司法書士)にご相談ください。AIの回答は正確性が保証されたものではありません。記事内の情報は2026年9月時点のものであり、法改正やサービスの仕様変更により変わる場合があります。

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