公開日:2026年6月11日 / 最終更新日:2026年6月11日
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・医療相談ではありません。個別の案件については、専門家(弁護士・税理士・医師・司法書士)にご相談ください。記事内の情報は作成時点のものであり、法改正等により変更される場合があります。
この記事で理解できること
- 長期入院が「終活の入口」になる理由
- 入院前に整えるべき「医療情報・財産情報・デジタル情報」の3カテゴリ
- ACP(人生会議)とエンディングノートの関係性
- 今日から使える「入院前終活チェックリスト」10項目
- デジタル終活(DEN)で入院中も安全に情報を管理する方法
「2〜3ヶ月の入院が必要です」
医師からその言葉を告げられた瞬間、68歳の田中さん(仮名)の頭をよぎったのは、病気への不安だけではありませんでした。
「通帳はどこに置いたっけ」
「保険証券は押し入れの奥だったか」
「ネット銀行のパスワード、妻に伝えたことがあったか」
翌朝、手術の同意書にサインしながら、田中さんはそのまま入院しました。妻に財産の情報を伝える時間はなかったのです。
入院3日目、高額な入院費の支払いが発生したとき、妻が銀行のATMへ向かいました。しかし、通帳の場所がわからず、カードの暗証番号も知りませんでした。結局、妻は自分の預金を取り崩して立て替えるしかありませんでした。その後2週間、妻は付き添いをしながら、家中の書類を探し続けることになりました。
※本エピソードは読者の理解を助けるための構成例です。
この話は、決して他人事ではありません。
長期入院が決まったとき、多くの人は「持ち物の準備」や「仕事・休職の手続き」で頭がいっぱいになります。しかし実は、長期入院は終活を整える最大のチャンスの一つです。
入院前に「医療情報」「財産情報」「デジタル情報」の3カテゴリを整えておくことで、本人も家族も入院中の不安を大幅に減らすことができます。本記事では、その具体的な方法を順番に解説していきます。
なぜ長期入院は「終活の入口」になるのか
長期入院が終活と結びつく理由は、「死」や「もしもの時」をリアルに意識する最大のきっかけになるからです。
がん・心疾患・脳卒中・大きな骨折など、長期入院が必要となる病気は、たとえ治療が成功しても「また再発するかもしれない」「次は意識が戻らないかもしれない」という不安を残します。
実際、入院患者の家族が最も困るのは、病気そのものではなく財産・保険・口座に関する情報が把握できないことだとされています。入院をきっかけにこれらの情報を整えることは、本人のためにも、家族のためにも非常に重要です。
そして入院は、「終活を先送りにし続けてきた人が、初めて本気で向き合うタイミング」になることが多いのです。
「退院してから考えよう」では手遅れになる可能性があります。その理由を次の章で詳しく説明します。
入院が「最後のチャンス」になるケースがある|認知機能低下のリスク
長期入院中に認知機能が低下するケースは、医療現場で数多く報告されています。
特に70歳以上の高齢者の場合、「せん妄」と呼ばれる意識障害が入院中に発生することがあります。せん妄は、手術後・感染症・脱水・投薬の副作用などをきっかけに起こりやすく、一時的なものもありますが、そのまま認知機能が低下してしまうケースも少なくありません。
さらに、手術後の合併症・脳卒中の再発・急変による意識不明など、突然の状態変化も起こりえます。
認知機能が低下・意識を失った後では、以下の手続きができなくなります:
| 手続き | 認知機能低下前 | 認知機能低下後 |
|---|---|---|
| 遺言書の作成・変更 | ◯ 可能 | ✕ 難しい |
| 任意後見契約の締結 | ◯ 可能 | ✕ 不可 |
| 家族信託の設定 | ◯ 可能 | ✕ 不可 |
| エンディングノートの記入 | ◯ 可能 | ✕ 難しい |
| デジタルアカウントの情報共有 | ◯ 可能 | ✕ 難しい |
これらはすべて、本人が意思能力を持っている間しかできない手続きです。
「退院してから考えよう」ではなく、入院前の今がラストチャンスかもしれません。日常の忙しさの中では先送りしがちな終活も、入院という節目があれば取り組むきっかけになります。
デジタル終活を安全・簡単に進めたい方は、DENのモニター募集をご確認ください。入院前の情報整理にも活用できます。
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【準備カテゴリ①】医療情報の整備|お薬手帳・ACP・キーパーソン指定
最初に整えるべきは「医療情報」です。入院直後から必要となる、緊急性の最も高いカテゴリです。
お薬手帳を最新の状態にする
複数の病院に通院している方は、各病院で処方されたすべての薬がお薬手帳に記録されているか確認してください。担当医がお薬手帳を把握することで、薬の飲み合わせによる副作用リスクを防ぎます。
お薬手帳の場所を家族に伝えておくことも、忘れずに行いましょう。
かかりつけ医・専門医の情報をまとめる
以下の情報を、紙またはデジタルで整理しておきましょう:
- かかりつけ医の名前・病院名・電話番号
- 現在通院中の専門医・診療科
- 既往症(これまでにかかった病気)のリスト
- アレルギー情報(薬・食べ物)
これらの情報を入院先の医師に伝えることで、より安全な治療が受けられます。
ACP(人生会議)を家族と行う
ACP(Advance Care Planning)とは、「もしもの時に、どんな医療・ケアを受けたいか」を、本人と家族・医療チームが一緒に話し合うことです。厚生労働省も「人生会議」として普及を推進しており、2018年に策定した「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の中でその重要性を明示しています(参考:厚生労働省 人生会議について)。
具体的には以下のようなことを話し合います:
- 延命治療を望むかどうか
- 意識が戻らない場合の医療方針
- 終末期のケアをどこで受けたいか(病院・自宅・施設)
- 臓器提供・献体の希望
ACPで話し合った内容を文書化し、入院時に医療チームに共有することが理想的です。多くの病院で「アドバンス・ケア・プランニングシート」が配布されています。担当の医師・看護師に相談してみてください。
ACPは一度話し合って終わりではなく、病状の変化に合わせて繰り返し行うものです。入院前の今が、最初の話し合いを行う最良のタイミングです。
キーパーソンを指定する
キーパーソンとは、医師や病院スタッフが「重要な説明・決定」をする際に真っ先に連絡する家族のことです。通常は配偶者や子どもの一人が指定されます。
入院手続きの際に「緊急連絡先・キーパーソン」として届け出る人の名前・電話番号を事前に家族で決めておきましょう。遠方に住む家族よりも、緊急時にすぐ来られる人を選ぶことが大切です。
【準備カテゴリ②】財産情報の共有|家族が入院費さえ払えなくなる現実
入院費の支払いは入院初日から発生します。多くの方が見落としがちなのが、本人が入院中に家族が財産情報にアクセスできなくなるという問題です。
「銀行口座凍結」に関するよくある誤解
「銀行口座が凍結されるのは、本人が死亡した後だけ」と思っていませんか。
なお、成年後見制度(法定後見・任意後見)を利用することで、本人の意思能力が低下した後でも財産を管理する仕組みを設けることができます。詳細は裁判所の公式ページ(成年後見制度について|裁判所)をご参照ください。
実際には、本人が存命中であっても、本人が口座を自分で操作できない状態になれば、家族は原則として勝手に引き出すことができません。
入院中に本人の意識が戻らない場合や、認知機能が著しく低下した場合、家族には法的な権限がないため、たとえ家族であっても銀行窓口での引き出しを断られるケースがあります。
入院費・介護費・日常の生活費を家族が自腹で立て替え続けなければならない——そんな現実が、全国で起きています。
入院前に家族と共有しておくべき財産情報
以下の情報を整理して、家族に共有しておきましょう。
銀行・金融機関
– 銀行名・支店名・口座番号
– ネット銀行・ネット証券の有無と銀行名
– ATMカードの場所・通帳の保管場所
保険情報
– 生命保険・医療保険・がん保険の加入会社名
– 保険証券の保管場所
– 証券番号・担当者の連絡先
不動産・その他の財産
– 不動産の所在地と名義(権利証の場所)
– 自動車の情報(ローンの有無)
– 貸金庫の有無と場所
負債・ローン
– 住宅ローンの残高・返済先金融機関
– カードローン・消費者金融の有無
これらをエンディングノートや専用の書類にまとめておくことで、家族が情報を探し回る手間が省けます。紙に書く場合は、鍵のかかる場所に保管し、場所だけを家族に伝えておく方法が一般的です。
【準備カテゴリ③】デジタル資産情報|ネット銀行・SNS・仮想通貨の落とし穴
財産情報の中でも、近年急速に重要性が増しているのがデジタル資産の管理です。
ネット銀行・ネット証券の「見えない問題」
PayPay銀行・楽天銀行・住信SBIネット銀行などのネット銀行は、通帳が存在しません。郵便物もほとんど届かないため、家族がその存在自体を知らないことが多いのです。
本人がスマートフォンのFace IDや指紋認証に依存している場合、入院中にスマートフォンを使えなくなると、家族はアクセスする手段がなくなります。
ネット証券(楽天証券・SBI証券など)も同様で、配当金や売却益が発生していても、家族がその存在を知らなければ相続の際に漏れが生じる可能性があります。
SNS・メールアカウントと重要情報
LINEやメールの受信箱には、重要な取引情報・契約書・パスワードのリセットメールなどが含まれていることがあります。本人が意識不明になった場合、家族はこれらの情報に一切アクセスできなくなります。
また、サブスクリプションサービス(Netflix・Amazon Prime・各種アプリ)が本人名義のカードから毎月引き落とされ続けるケースも報告されています。入院が長期化した場合、これらのサービスの解約手続きも必要になる場合があります。
仮想通貨(暗号資産)の「二重の危険」
ビットコインなどの仮想通貨は、秘密鍵(シードフレーズ)がわからなければ、資産は永久に消失します。これは銀行口座とは根本的に異なる点です。
さらに、相続の際に仮想通貨の申告を漏らした場合、後から国税庁に発見されて追徴課税を受けるリスクがあります。存在を知られないまま相続が完了してしまい、数年後に多額の追徴課税を受けるケースが現実に増えています。
デジタル資産として整理しておくべき情報:
- ネット銀行・ネット証券の銀行名・ログインID(パスワードは別途安全な方法で管理)
- スマートフォンのPINコードまたはパスコード
- 定期購読サービス(サブスクリプション)の一覧
- 仮想通貨取引所名・おおよその保有量
- パスワード管理ツールを使っている場合は、その存在と場所
パスワードを平文でノートに書くことはセキュリティ上のリスクがあります。しかし、「どこに何が保管してあるか」だけでも家族に伝えておくことで、緊急時の対処が大きく変わります。
ACPとエンディングノートは「実は同じ作業」だった
ACP(人生会議)とエンディングノートは、一見まったく別々の作業に思えます。しかし実際には、多くの部分が重なっています。
| 記録する項目 | ACP | エンディングノート |
|---|---|---|
| 医療への希望(延命治療等) | ◯ | ◯ |
| 終末期のケアの場所 | ◯ | ◯ |
| 臓器提供の希望 | ◯ | ◯ |
| 銀行・保険・財産情報 | ✕ | ◯ |
| デジタル資産・パスワード管理 | ✕ | ◯ |
| 家族へのメッセージ | ✕ | ◯ |
| 葬儀・お墓の希望 | ✕ | ◯ |
エンディングノートはACPの内容を含みながら、さらに広い範囲の情報を一括管理できます。
入院前に「ACPの話し合い」と「エンディングノートへの記録」を同時に進めることで、効率的に「もしもの時」への備えが整えられます。
「ACP」と「終活の書類整理」を別々に考えるのではなく、「一つの作業として同時に取り組む」という意識が、入院前の限られた時間を有効に使うポイントです。
DENは、相続・遺言・終活に関する大切な情報を暗号化して安全に保管するデジタル終活サービスです。現在、サービス開始に向けてモニターを募集しています。
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入院前に終活を整える「10のチェックリスト」
以下のチェックリストを使って、入院前に準備を進めてください。「今すぐできること」だけを選んでいます。
【医療情報カテゴリ】
- [ ] お薬手帳を最新の状態にして、家族に場所を伝えた
- [ ] かかりつけ医・専門医の連絡先をまとめた
- [ ] アレルギー情報(薬・食べ物)を書き出した
- [ ] ACP(人生会議)で家族と医療の希望を話し合った
- [ ] キーパーソンを1名決め、連絡先を病院に届け出た
【財産情報カテゴリ】
- [ ] 銀行口座(通帳・カード)の保管場所を家族に伝えた
- [ ] 保険証券の場所と保険会社の連絡先を共有した
- [ ] 不動産・車・貴重品の情報をひとつにまとめた
【デジタル情報カテゴリ】
- [ ] ネット銀行・ネット証券の名称と存在を家族に伝えた
- [ ] スマートフォンのPINコードを信頼できる家族1名に伝えた
デジタル終活(DEN)で入院前の情報整備を安全・簡単に
上記の10項目を紙のエンディングノートで管理することも可能ですが、以下のような課題があります。
- 紙は紛失・盗難・火災のリスクがある
- 情報を更新するたびに書き直しが必要になる
- 家族が遠方にいる場合、共有・確認が難しい
- デジタル資産のパスワードを紙に書くのはリスクが高い
DEN(Digital Ending Note)は、これらの課題を解決するデジタル終活サービスです。
DENの特徴:
- 暗号化技術による安全な情報管理 — パスワードや財産情報を暗号化して保存するため、紙よりも安全
- 三分割暗号化方式 — 情報を3つに分割して管理するため、万一1つが漏洩しても情報は守られる設計
- スマートフォンで完結 — 入院前でも、入院後の体調の良い日でもいつでも更新できる
- 指定した家族への安全な共有 — 信頼できる家族だけに必要な情報を共有できる仕組みを提供
入院が決まってから公開まで1〜2週間あれば、DENを活用して医療・財産・デジタル資産の3カテゴリを整えることが可能です。
まずは下記のモニター募集ページから詳細をご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 長期入院の準備はいつから始めるべきですか?
入院が決まった時点でできるだけ早く始めることをおすすめします。手術の日程が決まっている場合は、少なくとも1週間前には医療情報・財産情報の整理を完了させておくと安心です。体調が良い今のうちに行動することが、最も重要なポイントです。
Q2. ACP(人生会議)とはどのようなものですか?エンディングノートとの違いは?
ACPとは、「もしもの時にどのような医療・ケアを受けたいか」を本人・家族・医療スタッフで繰り返し話し合うプロセスです。エンディングノートは財産・デジタル資産・家族へのメッセージなど、より広い範囲の情報を記録するものです。両者は重なる部分が多く、入院前に並行して取り組むと効率的です。
Q3. 入院中に銀行口座が凍結されることはありますか?
本人が死亡した後に口座は凍結されますが、存命中でも本人が口座を操作できない状態になった場合、家族は原則として引き出すことができません。入院前に家族に口座情報を伝えておくか、緊急時に使える通帳・カードの場所を共有しておくことを強くおすすめします。具体的な手続きについては、金融機関または弁護士にご相談ください。
Q4. デジタル資産のパスワードを家族に伝えるにはどうすればいいですか?
平文でメモに書くことは紛失・盗難のリスクがあります。DENのような暗号化されたデジタルエンディングノートサービスを活用することで、パスワードを安全に管理しながら、信頼できる家族にだけ共有できる仕組みを構築できます。
Q5. キーパーソンは誰を指定すればよいですか?
通常は配偶者・子ども・きょうだいなど、入院中に連絡が取りやすい親族を指定します。遠方に住む家族よりも、緊急時にすぐ駆けつけられる人が望ましいです。1名しか指定できない場合が多いため、事前に家族で話し合って決めておきましょう。
Q6. 入院前に作れるエンディングノートのデジタル版はありますか?
はい。DENはスマートフォンから手軽に利用できるデジタルエンディングノートサービスです。暗号化技術を用いて情報を安全に管理でき、入院前の短時間で主要な情報を登録することが可能です。現在モニターを募集中ですので、ご興味のある方は下記からご確認ください。
まとめ|入院前が終活の最大のチャンス
「長期入院が決まったら終活を整える」——これは決して縁起が悪いことではありません。入院という人生の節目を活かして「もしもの時」への備えを整えることは、本人にとっても家族にとっても最善の選択です。
特に重要なのは、入院中に認知機能が低下した場合、その後の対処が格段に難しくなるという現実です。意思能力があるうちにしかできない手続きが、終活には数多く含まれています。
まず今日できる3つのことから始めてください。
- お薬手帳と通帳の場所を家族に伝える
- キーパーソンを決め、連絡先を家族と共有する
- DENのデジタルエンディングノートに医療・財産情報を登録し始める
一つひとつは小さな作業ですが、この準備が入院中の家族の負担を大きく減らし、「もしもの時」の安心につながります。
エンディングノートのデジタル化にご興味がある方は、DENのモニター募集ページをご確認ください。入院前の情報整理に安全・簡単に取り組めます。
→ DENのモニター募集・詳細はこちら
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・医療相談ではありません。個別の案件については、専門家(弁護士・税理士・医師・司法書士)にご相談ください。記事内の情報は作成時点のものであり、法改正等により変更される場合があります。
著者・監修: DENメディア編集部
最終更新日: 2026年6月11日
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