介護保険と医療保険の違いをわかりやすく比較|「どちらが使える?」の疑問に答える完全ガイド

窓辺の柔らかな光の中、親子が書類を一緒に確認している様子をイメージした写真 終活・エンディングノート

介護保険と医療保険の違いをわかりやすく比較|「どちらが使える?」の疑問に答える完全ガイド

公開日:2026年9月21日 / 最終更新日:2026年9月21日
監修:DENメディア編集部(終活・相続分野)

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・医療に関する個別の助言ではありません。制度の内容や利用条件は、お住まいの地域やご本人の状況によって異なる場合があります。具体的な手続きや判断については、担当のケアマネジャーやお住まいの市区町村の窓口に必ずご確認ください。記事内の情報は作成時点のものであり、制度改正等により変更される場合があります。


この記事でわかること

  • 介護保険と医療保険の、いちばん根本的な違い
  • 運営主体・加入対象・自己負担・手続きの比較(早見表つき)
  • 訪問看護・リハビリなど「どちらが使えるのか迷いやすい」場面の考え方
  • 介護保険と医療保険を同時に使える場合・使えない場合
  • 民間の医療保険・介護保険と、公的な制度との関係
  • 判断に迷ったときに、誰に相談すればよいか

はじめに:「結局どっちを使えばいいの?」という疑問に

「訪問看護に来てもらいたいけれど、医療保険と介護保険、どちらの手続きが必要なんだろう」「リハビリを受けているけれど、急に介護保険の話をされて戸惑った」——ご家族の介護や医療の場面で、こうした疑問にぶつかった方は少なくないのではないでしょうか。

介護保険と医療保険は、どちらも私たちの暮らしを支える公的な制度ですが、目的も仕組みもまったく別のものです。この違いを大まかにでも理解しておくと、いざというときに「どちらの窓口に相談すればいいのか」「どんな手続きが必要なのか」がぐっとわかりやすくなります。

この記事では、専門用語をできるだけ使わずに、介護保険と医療保険の違いを整理していきます。


根本的な違い:「体を治す」保険と「生活を支える」保険

もっともシンプルにたとえるなら、次のように考えるとわかりやすいでしょう。

  • 医療保険=病気やケガを「治す」ための保険
  • 介護保険=日常生活を「支える」ための保険

医療保険は、風邪をひいたときや骨折したときなど、体の不調を治療するために使う保険です。誰もが子どものころから使っている、いちばんなじみのある保険といえます。

一方の介護保険は、加齢や病気によって一人で日常生活を送ることが難しくなった方を対象に、食事や入浴、掃除や買い物といった「生活そのもの」を支えるための保険です。治療ではなく、暮らしを続けるための手助けをするという点が、医療保険との大きな違いです。


制度の基本比較(早見表)

まずは両方の制度の基本的な違いを、表で整理しておきましょう。

比較項目 医療保険 介護保険
目的 病気・ケガの治療 日常生活の介助・支援
運営している組織 健康保険組合・国民健康保険・後期高齢者医療制度など お住まいの市区町村
加入できる人 0歳から全国民 40歳から(65歳以上は第1号被保険者、40〜64歳は第2号被保険者)
自己負担の目安 原則3割(70歳以上は原則1〜2割) 原則1割(所得により2〜3割)
利用するための手続き 病院や診療所の窓口で保険証を提示するだけ 事前に「要介護認定」を受ける必要がある

医療保険は「保険証を持って病院に行けば、誰でもすぐに使える」制度であるのに対し、介護保険は「まず市区町村に申請し、どのくらいの介護が必要かの認定を受けてから使う」制度である点が、大きな違いです。自己負担の割合や具体的な認定基準は、ご本人の所得や状況によって異なりますので、正確な内容はお住まいの市区町村窓口でご確認ください。


どちらが使える?迷いやすい5つのケース

介護保険と医療保険のどちらを使うのか、実際に判断が難しいと感じやすい代表的な場面を見ていきましょう。

  • 訪問看護:介護保険・医療保険のどちらも対象になりえますが、要介護認定を受けているかどうかで、どちらを使うかが決まります
  • リハビリ:病気やケガをした直後の「急性期」は医療保険、状態が落ち着いた後の「維持期」は介護保険が中心になります
  • 入院:一般的な入院は医療保険が対象です(介護療養型の医療施設などは介護保険が対象になる場合があります)
  • デイサービス(通所介護):介護保険のみが対象で、医療保険は使えません
  • 薬の処方:医療保険のみが対象で、介護保険は使えません

このように、サービスの種類によって「どちらか一方に決まっているもの」と「状況によって変わるもの」があります。次の章では、特に迷いやすい訪問看護とリハビリについて、もう少し詳しく見ていきます。


訪問看護は「要介護認定を受けているかどうか」がカギ

訪問看護を利用する際、介護保険と医療保険のどちらが適用されるかは、原則として次のような考え方で決まります。

  • 要介護認定を受けている方:基本的に介護保険が優先して使われます
  • 要介護認定を受けていない方:医療保険が使われます(この場合、利用できる回数に一定の制限が設けられていることがあります)
  • 病状が急に悪化した場合など:要介護認定を受けている方であっても、一時的に医療保険が使われることがあります

つまり「訪問看護そのものにどちらの保険を使うか」を自分で選べるわけではなく、ご本人の状態や認定状況によって、自動的にどちらの制度が適用されるかが決まる仕組みになっています。実際の適用は主治医の判断や個々の状態によって異なりますので、詳しくは訪問看護の担当者やケアマネジャーにご確認ください。


リハビリは「治すためのリハビリ」から「支えるためのリハビリ」へ

リハビリテーションについては、次のような大まかな流れで考えるとわかりやすくなります。

  • 急性期・回復期(病気やケガをした直後〜回復に向かう時期):体の機能を「治す」ことを目的に、医療保険でリハビリを行います
  • 維持期・生活期(状態が安定した後):今の生活機能を「維持・改善」することを目的に、介護保険でのリハビリへ移っていきます

病院での集中的なリハビリを終え、自宅での生活に戻っていく過程で、医療保険から介護保険へと利用する制度が切り替わっていくイメージを持っていただくと理解しやすいでしょう。どの時点で切り替わるかは、病状や担当医の判断によって個人差があります。


併用できる場合・できない場合

介護保険と医療保険については、次の原則を知っておくと迷いにくくなります。

原則として、同じサービスに両方の保険を同時に使うことはできません。

介護保険と医療保険のどちらも対象になりうる場合は、基本的に介護保険が優先して適用される仕組みになっています。

ただし、次のような例外的な場面もあります。

  • 医療的な処置(点滴や褥瘡の処置など)と、日常生活の支援を同時に必要とする場合
  • 病状が急に悪化し、主治医から特別な指示があった場合
  • 特定の疾患によって、例外的な取り扱いが定められている場合

こうした例外にあたるかどうかは、個々の病状や制度の運用によって細かく異なります。ご自身やご家族のケースがどちらに該当するかは、必ず担当のケアマネジャーや主治医、訪問看護の事業者に確認するようにしてください。


民間保険との関係|「公的制度を補う」もの

ここまで見てきた介護保険・医療保険は、いずれも国や自治体が運営する「公的な」制度です。これとは別に、生命保険会社などが販売する「民間の」医療保険・介護保険もあります。

  • 民間の医療保険:入院時の一時金や手術給付金など、公的医療保険の自己負担分を補うための保険です
  • 民間の介護保険:要介護状態になった際に一時金や年金を受け取れるもので、公的介護保険だけではまかないきれない費用を補うための保険です

どちらも「公的な制度に取って代わるもの」ではなく、「公的な制度を土台としたうえで、足りない部分を補うもの」と理解しておくとよいでしょう。ご自身に民間保険が必要かどうかは、家計の状況や現在加入している保障の内容によって異なりますので、公的制度の理解を深めたうえで、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。


判断に迷ったときは、一人で抱え込まずに相談を

ここまで基本的な違いを整理してきましたが、実際の制度運用は非常に細かく、ご本人の病状や地域、利用する事業者によっても取り扱いが異なることがあります。「うちの場合はどちらの保険になるのだろう」と迷ったときは、次のような窓口に相談することをおすすめします。

  • 担当のケアマネジャー:すでに要介護認定を受けている場合は、日頃のケアプランを作成しているケアマネジャーが最も身近な相談相手です
  • お住まいの市区町村の介護保険担当窓口:要介護認定の申請や、制度全般についての相談ができます
  • 地域包括支援センター:介護に関する総合的な相談窓口として、多くの自治体に設置されています

「自分で判断してから相談する」のではなく、「迷ったらまず相談する」という姿勢で構いません。制度は複雑ですが、専門家に頼ることは決して恥ずかしいことではありません。


デジタル終活の視点|保険証や認定情報を家族にわかる形で残す

介護保険と医療保険、それぞれの保険証や、要介護認定の結果通知書、ケアマネジャーの連絡先——こうした情報は、いざというときにご家族がすぐに把握できる状態になっているでしょうか。「どこに保険証をしまったか分からない」「担当のケアマネジャーの連絡先が分からない」という状態では、必要な保険をタイムリーに使えなくなってしまうおそれがあります。

デジタルエンディングノート「DEN」では、こうした保険証情報や要介護認定の状況、担当者の連絡先などを暗号化して整理し、必要なときにご家族へ確実に引き継げるよう準備をサポートしています。制度の違いを理解することと同じくらい、「その情報を家族が使える状態にしておくこと」も、安心につながる大切な備えです。

現在、サービス開始に向けてモニターを募集しています。
詳細はこちら

介護保険制度そのものの仕組みや申請の流れについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

→ 介護保険とは?仕組み・要介護認定7段階・申請から利用開始までの流れを完全ガイド

介護費用の自己負担が高額になったときに使える制度については、こちらもあわせてご覧ください。

→ 高額介護サービス費とは?月4.4万円を超えた介護費用が戻る制度|上限額・申請方法・2年の時効を解説

民間保険を含めた終活としての保険の見直し方については、こちらの記事で解説しています。

→ 終活で保険を見直す重要性|「保険料がもったいない」は誤解?種類別の活用法と相続税非課税枠を徹底解説


よくある質問

Q1. 介護保険と医療保険、いちばんシンプルに言うと何が違うのですか?
医療保険は「病気やケガを治すための保険」、介護保険は「日常生活を支えるための保険」です。目的がまったく異なる、別の制度だと理解しておくとわかりやすくなります。

Q2. 40歳未満でも介護保険サービスを使えますか?
介護保険への加入は40歳からとなっており、原則として40歳未満の方はサービスの対象外です。ただし個別の状況によって取り扱いが異なる場合があるため、詳しくは市区町村の窓口にご確認ください。

Q3. 要介護認定を受けていなくても、訪問看護は利用できますか?
利用できます。その場合は医療保険を使った訪問看護となり、介護保険を使う場合とは利用できる回数などの条件が異なることがあります。

Q4. 介護保険と医療保険を同時に使いたい場合はどうすればよいですか?
原則として、同じサービスに両方を同時に使うことはできません。例外的な取り扱いが認められる場合もありますが、個々の状況によって異なるため、ケアマネジャーや主治医にご相談ください。

Q5. 民間の介護保険には入ったほうがよいのでしょうか?
公的な介護保険だけで足りるかどうかは、家計の状況や希望する介護の内容によって異なります。まずは公的制度の内容を理解したうえで、必要に応じてファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをおすすめします。

Q6. 制度の内容がよくわからないとき、まず誰に相談すればよいですか?
すでに要介護認定を受けている方は担当のケアマネジャーに、まだ認定を受けていない方はお住まいの市区町村の介護保険担当窓口や地域包括支援センターに相談することをおすすめします。


まとめ:迷ったら「体を治すか、生活を支えるか」で考える

介護保険と医療保険は、細かいルールまで理解しようとすると複雑に感じられますが、根本にあるのは「体を治すための保険か」「生活を支えるための保険か」というシンプルな違いです。

訪問看護やリハビリのように、どちらの保険が適用されるか迷いやすい場面もありますが、その多くは要介護認定の有無や病状の段階によって決まります。そして実際の適用は、地域や個々の状況によって細かく異なるため、少しでも疑問があれば、一人で悩まずケアマネジャーや市区町村の窓口に相談することが何より大切です。

あわせて、いざというときにご家族が保険証や認定情報をすぐに確認できるよう、情報を整理しておくことも、安心できる備えの一つです。

デジタル終活の一環として、保険証情報や要介護認定の状況を安全に整理・共有したい方は、DENのモニター募集もあわせてご確認ください。
モニター募集に申し込む

コメント

タイトルとURLをコピーしました