「死ぬ前に後悔すること」研究でわかった共通点|後悔を減らす3つの準備とエンディングノートの役割

夕日を見つめる後ろ姿と穏やかな水辺の風景:後悔を手放し豊かに生きることをイメージした写真 終活・エンディングノート

「死ぬ前に後悔すること」研究でわかった共通点|後悔を減らす3つの準備とエンディングノートの役割

公開日:2026年8月8日 最終確認日:2026年8月8日

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・医療相談ではありません。個別の案件については、専門家(弁護士・税理士・司法書士・医師)にご相談ください。記事内の情報は作成時点のものであり、書籍の内容については著者・出版社の見解を要約・参照したものであり、原文の引用ではありません。

「もっと早く始めておけばよかった」——終活という言葉を聞くと、多くの人がどこかでそう感じたことがあるのではないでしょうか。

実は、人生の最終段階に立ち会ってきた医療・介護の専門家たちが、患者の言葉から見えてきた「後悔」には、共通するパターンがあることが知られています。国や文化が違っても、人が最期に語る後悔には驚くほど似た輪郭があるのです。

本記事でわかること

  • 日本と海外、それぞれを代表する「死の間際の後悔」研究の概要
  • 国や文化を超えて共通する後悔のテーマ
  • 日本人に特有とされる後悔の傾向
  • 後悔を減らすために今日からできる3つの準備
  • 「メメント・モリ」という考え方と終活のつながり
  • エンディングノートを「自己対話ツール」として活用する視点

死を前にした人が語る「後悔」——2つの代表的な研究

「人は死ぬ前に何を後悔するのか」というテーマは、洋の東西を問わず古くから語られてきましたが、それを体系的にまとめた著作として広く知られているものが2つあります。

大津秀一『死ぬときに後悔すること25』(緩和医療医・日本、2009年)

緩和医療を専門とする医師が、数多くの終末期患者と向き合う中で気づいた「共通する悔い」をテーマ別に整理した一冊です。書籍の詳細な内容そのものについては著作権に配慮し直接引用しませんが、健康・人間関係・自己実現・信仰といった複数のテーマにまたがって、悔いが語られていることが特徴とされています。

ブロニー・ウェア『死ぬ瞬間の5つの後悔』(オーストラリア・ホスピス看護師、2012年邦訳)

オーストラリアでホスピスケアに携わった看護師が、終末期の患者と過ごす中で耳にした言葉を綴った著作です。働き方や人間関係、自分らしさに関するテーマが中心となっている点が特徴として紹介されています。

日豪の研究に共通するもの・異なるもの

観点 大津秀一(日本) ブロニー・ウェア(豪州)
語り手の立場 緩和医療医 ホスピス看護師
発表年 2009年 2012年(邦訳)
テーマの幅 健康・人間関係・自己実現・信仰など多岐にわたる 人間関係・働き方・自分らしさに比較的集中
共通する軸 「やりたいことをやらなかった」「大切な人との関係」への言及 同左

立場も国も異なる2人の記録に、似たテーマが繰り返し現れること自体が、後悔というものの普遍性を物語っているといえるでしょう。

後悔の共通テーマ——人間関係・やりたいこと・自分らしさ

両者の研究に共通して見えてくるのは、大きく3つのテーマに集約できます。

  • 人間関係:会いたい人に会っておく、感謝や気持ちを言葉にして伝える
  • やりたいこと:先延ばしにしてきた挑戦や夢に向き合う
  • 自分らしさ:他人の評価や期待ではなく、自分の価値観で生きる

興味深いのは、「もっとお金を稼げばよかった」「もっと出世すればよかった」といった、社会的な成功に関する後悔がほとんど語られていない点です。人が最期に向き合うのは、資産の大きさではなく、人とのつながりや自分自身の生き方だったということになります。

日本人特有の後悔パターン——「迷惑をかけたくない」という遠慮

海外の研究と日本の状況を比べたとき、独自に見えてくる傾向があります。それは「迷惑をかけたくない」という遠慮の文化です。

日本では、家族や周囲への配慮を美徳とする価値観が根強く、自分の希望や気持ちを言葉にすることをためらう人が少なくありません。その結果、次のような後悔につながりやすいと考えられます。

  • 家族に感謝の言葉を伝えられなかった
  • 自分の希望(延命治療や葬儀の形式など)を周囲に話さなかった
  • 「迷惑をかけたくない」という思いから、助けを求めるタイミングを逃した

遠慮そのものは、相手を思いやる気持ちの表れでもあります。ただ、その遠慮が「言葉にしないまま終わってしまう」という形になると、伝えたかった気持ちが誰にも届かないまま残ってしまうことがあります。

また、家族の側から見ても、「本人の希望がわからないまま重要な決断を迫られる」という状況は大きな負担になります。遠慮によって黙っていることが、結果として家族により大きな迷惑をかけてしまう——そんな逆説が起こりやすいのも、日本特有の傾向といえるでしょう。

後悔を減らすための3つの準備

後悔をゼロにすることは難しくても、減らすための具体的な行動はあります。研究から見えてきた共通テーマをもとに、日常でできる準備を3つに整理しました。

①やりたいことを今すぐ始める

「いつか」と先延ばしにしてきたことのうち、体力や時間の制約がある年齢になっても続けられそうなものから、小さく始めてみることが第一歩になります。旅行や趣味だけでなく、「会いたい人に連絡を取る」といったことも含まれます。

②大切な人に気持ちを伝える

感謝や謝罪の言葉は、伝えるタイミングを逃すと二度と伝えられなくなります。特別な機会を待つのではなく、日常の中で少しずつ言葉にしていくことが、後悔を減らす近道です。

③家族の負担を減らす準備をする

自分の希望や情報を整理しておくことは、遠慮ではなく、むしろ家族への思いやりの一つの形です。財産の情報、医療・介護に関する希望、大切な人へのメッセージなどを整理しておくことで、残される側の負担を軽くすることができます。

メメント・モリ——「死を想う」ことで生が豊かになるという思想

「メメント・モリ(memento mori)」はラテン語で「死を忘れるな」を意味する古い警句です。古代ローマでは、勝利を収めた将軍でさえ「あなたもいつか死ぬ人間であることを忘れるな」と告げられる慣習があったと伝えられています。

一見するとネガティブに聞こえる言葉ですが、その本質は「死を恐れよ」ではなく「死を意識することで、今をより豊かに生きよ」という前向きな知恵にあります。

終活も同じ発想でとらえることができます。死を遠ざけるのではなく、いつか訪れるものとして見つめることで、今の時間をどう過ごすかという問いが、自然と輪郭を持ち始めるのです。

たとえば、日々の予定に追われていると忘れがちな「本当に大切にしたいこと」も、死を意識した瞬間に優先順位がはっきりすることがあります。メメント・モリは、悲観のための思想ではなく、限りある時間をどう使うかを考えるための、実践的な視点だといえるでしょう。

エンディングノートは「死の準備」ではなく「後悔を減らす自己対話ツール」

終活やエンディングノートというと、「死んだ後の手続きのための準備」というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、ここまで見てきた後悔の研究を踏まえると、エンディングノートにはもう一つの役割があると考えられます。

それは、自分自身と向き合い、大切な人との関係を見つめ直す「自己対話ツール」としての役割です。

  • 財産や手続きの情報だけでなく、感謝の言葉や自分の想いを書き残す
  • 「なぜそれを伝えたかったのか」を自分に問い直しながら書く
  • 書く過程そのものが、後悔を言葉にして手放す機会になる

デジタル終活サービスのDENでは、財産情報だけでなく「感謝の言葉」「自分の想い」「人生の記録」を安全に残せる仕組みを用意しています。エンディングノートを、義務としてではなく、自分と大切な人のための時間として活用したい方は、DENのモニター募集をご確認ください。

デジタル終活を安全・簡単に進めたい方は、DENのモニター募集をご確認ください。
モニター募集に申し込む

よくある質問(FAQ)

Q1. 後悔を減らすために、何歳から準備を始めればよいですか?
A. 年齢に決まりはありません。研究で語られる後悔の多くは「先延ばしにしたこと」への悔いであるため、思い立った時点で小さく始めることが大切です。

Q2. エンディングノートは高齢者だけのものですか?
A. いいえ。感謝の言葉や希望を整理しておくことは、年齢を問わず意味があります。50代・60代から書き始める方も増えています。

Q3. 家族に自分の希望を伝えるのが苦手です。どうすればよいですか?
A. 口頭で伝えるのが難しい場合は、まずノートに書き出すことから始めるとよいでしょう。書いたものを見せる形であれば、話すきっかけにもなります。

Q4. 死について考えるのが怖くて、終活に踏み出せません。
A. 自然な感情です。メメント・モリの考え方のように、「死を恐れる」のではなく「今をどう生きたいか」という視点から始めると、取り組みやすくなります。

Q5. エンディングノートに何を書けばよいかわかりません。
A. まずは財産や手続きの情報からではなく、感謝を伝えたい人へのメッセージや、自分がこれまで大切にしてきた価値観から書き始めることをおすすめします。

まとめ——後悔ではなく、感謝と豊かさへ

日本と海外、それぞれの立場から記録された「死を前にした人の後悔」には、驚くほど似たテーマが流れていました。人間関係、やりたいこと、自分らしさ——これらは、資産の多寡や社会的な成功とは関係なく、誰にとっても大切なものだったということです。

後悔をなくすことはできなくても、減らすための行動は今日から始められます。やりたいことに一歩踏み出すこと、大切な人に気持ちを伝えること、そして家族への負担を軽くする準備をしておくこと。その一つひとつが、これからの時間をより豊かにしてくれるはずです。

エンディングノートは、その第一歩を後押しする自己対話のツールでもあります。義務感からではなく、自分と大切な人のために、今日から少しずつ書き始めてみてはいかがでしょうか。

DENは、相続・遺言・終活に関する大切な情報を暗号化して安全に保管するデジタル終活サービスです。現在、サービス開始に向けてモニターを募集しています。
詳細・事前予約はこちら

出典・参考データ一覧

コメント

タイトルとURLをコピーしました