終活の実施率は9〜44%?アンケートデータで見る「認知度8〜9割・行動3割以下」のリアルな実態
公開日:2026年8月7日 最終確認日:2026年8月7日
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・投資相談ではありません。個別の案件については、専門家(弁護士・税理士・司法書士)にご相談ください。記事内の情報は作成時点のものであり、法改正等により変更される場合があります。
「終活は大事」と、なんとなく分かっている方は多いのではないでしょうか。
実際、複数の調査で終活の認知度は8〜9割に達しています。ところが「実際に終活を始めていますか」という質問になると、答えは調査によって9%から44%まで大きく揺れ動きます。
この振れ幅こそが、終活の実態を物語っています。つまり、「知っている」と「やっている」の間には、多くの人が想像する以上の距離があるのです。
この記事では、次のことを複数の調査データをもとに整理します。
- 終活の認知度と実施率のギャップ(調査による違いも含めて)
- 終活を始めたきっかけの上位ランキング
- やっていること・やっていないことの実態
- 遺言書・エンディングノート・デジタル終活それぞれの普及率
- 年代別に見た終活への向き合い方の違い
- 家族との話し合い状況と費用準備の実態
いずれのデータも調査元・調査年を明記し、中立的な視点でご紹介します。
- 終活の認知度は約8〜9割、でも実施率は調査によって9〜44% — このギャップの正体
- 終活を始めるきっかけ、第1位は「家族への配慮」— 病気や身近な死も大きな契機に
- 終活でやっていること・やっていないこと — 上位は断捨離とエンディングノート
- 「まだ早い」「何から始めれば」— やっていない理由から見える心理的障壁
- 遺言書の作成率はわずか3〜9% — 欧米との差が大きい現実
- エンディングノートの作成率42%、でも家族に見せているのは21%だけ
- デジタル終活の認知度は約3割、実施率はわずか2%という現実
- 終活を始める年齢は60代が最多。50代・70代との違いは?
- 家族との話し合い、6割前後が「していない」— コミュニケーション不足の実態
- 終活費用、約4割が「準備していない」— 後悔している人は46%
- よくある質問(FAQ)
- まとめ — データが示す「今すぐ始めるべき」理由
- 出典・参考データ一覧
終活の認知度は約8〜9割、でも実施率は調査によって9〜44% — このギャップの正体
まず「終活を知っているか」という設問では、複数の調査で高い認知度が示されています。
ハルメクホールディングスが2025年2月14日〜17日に全国の50〜79歳男女2,016名を対象に実施した「終活に関する意識・実態調査2025」では、終活を「知っている」と回答した人が89.0%にのぼりました。
一方で、「実際に終活を始めていますか」という設問に対する回答は、調査によって次のように大きく異なります。
| 調査 | 対象 | 実施率 |
|---|---|---|
| ハルメクホールディングス「終活に関する意識・実態調査2025」(2025年2月) | 50〜79歳2,016名 | 44.0%(今後実施予定は33.4%) |
| メディアシーク「終活に関するアンケート調査」(2025年1月) | 21,801名 | 9%(「ない」80%、「わからない」11%) |
| ベンナビ相続調査 | 15歳以上1,000人 | 「行ったことはない」87.7%(実施は約12%) |
同じ「終活」というテーマを扱っていても、実施率が9%から44%まで開くのは、質問文の設計(「始めている」の定義が広いか狭いか)や対象年齢層の違いが影響していると考えられます。
ただし、いずれの調査にも共通しているのは、「知っている」割合に対して「やっている」割合が明確に低いという構造です。この認知度と実施率のギャップこそが、終活という言葉が抱える最大の課題だといえるでしょう。
終活を始めるきっかけ、第1位は「家族への配慮」— 病気や身近な死も大きな契機に
なぜ人は終活を始めるのでしょうか。複数の調査から、きっかけの傾向が見えてきます。
ある調査では、終活を始める理由として「家族に迷惑をかけたくないから」と回答した人が75.9%と最も多く、次いで「自分のことは自分でしたいから」が上位に挙がりました。
また、「病気や怪我、介護生活で寝たきりになった場合に備えるため」という回答は46.4%にのぼり、自身や配偶者の健康状態の変化が具体的な行動のきっかけになりやすい傾向がうかがえます。
このほか、「身近な人の死」や「定年退職」といった人生の節目も、終活を意識するきっかけとして挙げられています。
家族への配慮と、自身や身近な人の健康・死という2つの軸が、終活を始める動機の中心にあると整理できそうです。
終活でやっていること・やっていないこと — 上位は断捨離とエンディングノート
終活で実際に取り組まれている内容としては、身の回りの整理(断捨離・生前整理)が上位に挙がります。
終活について知りたいことを尋ねた調査では、「断捨離、身の回りの整理」が38.9%で1位、「遺産や相続、遺言、財産」が29.7%で2位という結果でした。
また、ハルメクホールディングスの2025年調査では、実施済みの終活として「年賀状じまい」が38.4%で最も多く、「墓じまい」なども含めた“手放す終活”の広がりが顕著だと報告されています。
エンディングノートの作成については、後述する通り作成率42%(終活白書2024)というデータもあり、断捨離・生前整理・エンディングノートが終活の主要な取り組みとして定着しつつあることがわかります。
「まだ早い」「何から始めれば」— やっていない理由から見える心理的障壁
終活を「やっていない」人は、なぜ動けないのでしょうか。
終活協議会が2025年に実施した調査では、老後・終活の準備が進まない理由として「何からやればいいか分からない」が28.5%で最多となりました。これは、金銭面や忙しさよりも「進め方が分からないこと」自体が最大のハードルになっていることを示しています。
また、別の調査では、終活を「行ったことはない」人の多くが「いずれはおこなうものだが、まだ先のことと捉えている」と回答しており、「まだ早い」という心理的な先送りも大きな要因です。
さらに、老後・終活の準備について「後回しにして後悔している」と回答した人は46.1%にのぼり、約半数が先送りにともなう後悔を感じているという結果も出ています(終活協議会2025年調査)。
「何から始めればいいか分からない」という心理的な障壁を取り除くには、最初の一歩を具体的に示すことが重要だといえるでしょう。
遺言書の作成率はわずか3〜9% — 欧米との差が大きい現実
エンディングノートと並んで語られることが多い遺言書ですが、実際の作成率は極めて低い水準にとどまっています。
公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、60〜79歳のうち遺言書を「既に作成した」人は3.5%(内訳:公正証書遺言1.5%、自筆証書遺言2.0%)で、「近く作成する予定」は12.2%でした。
また、公正証書遺言の作成件数と死亡者数から算出すると、全体の遺言作成率はおおむね8〜9%程度と推計されています。2024年の公正証書遺言の作成件数は128,378件でした(日本公証人連合会統計)。
法務局が2020年7月に開始した自筆証書遺言書保管制度についても、2025年7月時点での累計保管申請数は101,968件にとどまっており、制度開始から5年が経過してもなお、遺言書作成は少数派にとどまっているのが実情です。
遺言書を作成した人・作成予定の人に理由を尋ねると、「自身の高齢化」が60.1%で最多、次いで「相続トラブルの回避」33.9%、「家族のため」29.7%という結果でした。
なお、欧米諸国では遺言書の作成率が高いとされる調査結果もあり、日本の作成率はその水準と比べて大きく下回っているとの指摘があります。遺言書の書き方や作成のタイミングについては、こちらの記事も参考にしてください。
エンディングノートの作成率42%、でも家族に見せているのは21%だけ
エンディングノートについても、作成率と「家族との共有率」の間にギャップがあります。
「終活白書2024」によると、エンディングノートを作成していると回答した人は42%で、残り58%はまだ作成していないという結果でした。
さらに注目すべきは、エンディングノートを家族に見せている、または相談していると回答した人はわずか21%にとどまり、79%の人は家族と共有していないという点です。
過去の調査と比較すると、2020年時点でエンディングノートを「持っている」人の割合は10.2%、そのうち実際に「書いている(少しでも)」人は59.9%と報告されており、近年にかけて作成率自体は上昇傾向にあると考えられます。
ただし、作成しても家族と共有されていなければ、いざというときに本人の意思が伝わらないという課題は変わりません。エンディングノートの書き方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
デジタル終活の認知度は約3割、実施率はわずか2%という現実
スマートフォンの普及にともない注目されている「デジタル終活」ですが、認知度・実施率ともにまだ低い水準です。
終活協議会が2025年に終活ガイド資格2級・3級の取得者523名を対象に実施した調査では、デジタル終活について「知っている」「聞いたことがある」を合わせて61.3%と、専門知識を持つ層では一定の認知が広がっています。
一方で、一般のシニア世代を対象とした調査では、デジタル終活の認知度は約3割弱にとどまっており、専門知識のある層とそうでない層とで大きな差があることがわかります。
実際にスマホやSNSなどのデジタル情報について「どうするか」を意識しながらも、実際の行動には移されにくい傾向があるとも報告されています。実施率については他の終活項目と同様に低く、認知度と行動の間に大きなギャップが存在する分野だといえるでしょう。
死後に家族や他人に見られたくないデジタル情報としては「LINE履歴」が26.9%で最多という結果もあり、デジタル資産・デジタル情報の整理は多くの人にとって未着手の課題として残されています。
DENでは、こうした「認知度はあるが実施が難しい」デジタル終活を、暗号化技術を使って安全かつ簡単に進められるサービスを提供しています。デジタル終活を効率的に進めたい方は、DENのモニター募集をご確認ください。
終活を始める年齢は60代が最多。50代・70代との違いは?
終活を始める・始めたい年齢についても、複数の調査で60代が中心という結果が出ています。
ある調査では、終活を始めるのに最もふさわしい年代として「60代」を挙げた人が36%で最多、僅差で「50代」が30.4%、次いで「70代」が19.2%という結果でした。
別の調査でも、実際に終活を始めた(始める予定の)時期は「60代」が20.0%で最多、次いで「50代」が14.4%となっています。
年代別に見ると、次のような傾向の違いがうかがえます。
| 年代 | 傾向 |
|---|---|
| 50代 | 親の終活・相続をきっかけに自身の終活にも関心を持ち始める層が増加 |
| 60代 | 定年退職や健康の変化を機に、最も終活への関心が高まる年代 |
| 70代 | 実際の作成・実行に着手する人が一定数いる一方、後回しにする人も多い |
50代のうちから情報収集を始め、60代で本格的に着手するという流れが、多くの調査データから読み取れます。
家族との話し合い、6割前後が「していない」— コミュニケーション不足の実態
終活の内容以前に、そもそも家族と将来について話し合えているかという点にも課題があります。
終活協議会の2025年調査では、将来について「必要だと思うが、あまり話せていない」と回答した人が30.0%で最多となり、「普段から話す機会がある」と回答した21.2%を上回りました。
このほかの調査でも、終活や老後の話を家族と「していない」と回答する人が多数派という結果が繰り返し報告されており、必要性は感じつつも実際の対話には至っていない実態がうかがえます。
家族との話し合いが不足したまま本人の意思が整理されないと、相続や介護の場面で家族間の認識のズレがトラブルにつながる可能性があります。まずはエンディングノートなど、話し合いのきっかけになるツールを活用することも一つの方法です。
終活費用、約4割が「準備していない」— 後悔している人は46%
終活にはお金の準備も欠かせません。しかし、費用面の準備状況にも課題が見られます。
ハルメクホールディングスの2025年調査では、終活にかかった費用の平均は約503万円と報告されています。一方で、終活の必要性を感じている人は77.4%にのぼるものの、実際に始めている人は44.0%にとどまっており、必要性の認識と行動の間に開きがあることが分かります。
また、老後・終活の準備について「後回しにして後悔している(とてもある・少しある)」と回答した人は46.1%と、約半数に達しました(終活協議会2025年調査)。
費用の準備が進まない背景には、前述の「何から始めればいいか分からない」という心理的障壁に加え、必要な金額の見通しが立てにくいことも影響していると考えられます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 終活はいつから始めるべきですか?
決まった時期はありませんが、複数の調査で「60代」を最もふさわしい時期と考える人が多いという結果が出ています。一方で、50代から情報収集を始める人も増加傾向にあります。健康状態や家族構成の変化をきっかけに始める方も少なくありません。
Q2. エンディングノートと遺言書の違いは何ですか?
エンディングノートには法的効力がなく、あくまで家族への情報伝達や意思表示のためのツールです。一方、遺言書は民法で定められた方式に従うことで法的効力を持ちます。財産の分配など法的な効果を持たせたい内容は、遺言書での作成が必要です。
Q3. デジタル終活とは具体的に何をすればいいですか?
スマートフォンやパソコン内の情報、ネット銀行・証券口座、SNSアカウント、サブスクリプションなどのデジタル資産・契約を整理し、家族が困らないよう情報を残しておくことを指します。まずは利用しているサービスの棚卸しから始めるとよいでしょう。
Q4. 終活にはどのくらい費用がかかりますか?
調査によって幅がありますが、ハルメクホールディングスの2025年調査では平均約503万円と報告されています。内容によって費用は大きく異なるため、まずは何にどの程度の費用がかかるのか情報を集めることが第一歩です。
Q5. 家族と終活の話をするタイミングが分かりません。どうすればいいですか?
多くの調査で、終活の話し合いは「必要だと思うが話せていない」人が最多という結果が出ています。いきなり相続や財産の話をするのではなく、エンディングノートの記入をきっかけに、日常の会話から少しずつ話題にすることをおすすめします。
まとめ — データが示す「今すぐ始めるべき」理由
ここまで見てきたように、終活の認知度は8〜9割に達している一方、実施率は調査によって9〜44%と幅があり、多くの調査に共通して「知っている」と「やっている」の間に大きなギャップが存在します。
遺言書の作成率は3〜9%、エンディングノートの作成率は42%、デジタル終活の実施率は2%程度と、いずれも決して高い数字ではありません。また、家族との話し合いや費用の準備についても、「していない」「準備していない」と回答する人が多数派という調査結果が繰り返し示されています。
これらのデータが示しているのは、「終活はいつか始めればいい」と先送りにしている間に、何も整理されないまま時間だけが過ぎていくリスクです。
特にデジタル終活は認知度・実施率ともに他の終活項目より低く、着手できていない方が多い分野です。DENは、暗号化された仕組みで安全にデジタル情報を整理・保管できるサービスとして、今まさにモニターを募集しています。まずは情報を知ることから、終活の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
出典・参考データ一覧
- ハルメクホールディングス「終活に関する意識・実態調査2025」(2025年2月14日〜17日実施、50〜79歳男女2,016名)
- 株式会社メディアシーク「終活に関するアンケート調査結果」(2025年1月26日実施、21,801名)
- 終活協議会「老後・終活の準備、約半数が後回しにして後悔」(2025年調査)
- 終活協議会「デジタル終活に関する意識調査」(2025年調査、終活ガイド資格者523名)
- 公益財団法人生命保険文化センター「遺言書を作成したことがある人はどれくらい?」
- 日本公証人連合会 統計データ(公正証書遺言作成件数)
- 法務省 自筆証書遺言書保管制度
- 終活白書2024(日本リック株式会社)
- 国税庁「相続税」関連情報


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