最終更新日: 2026年6月14日
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・投資相談ではありません。個別の案件については、専門家(弁護士・税理士・司法書士)にご相談ください。記事内の情報は作成時点のものであり、法改正等により変更される場合があります。
「エンディングノートを書こうと思っているけれど、何から始めればいいかわからない」——そう感じていませんか。
60代・70代の方から、「いざ書こうとすると手が止まってしまう」「どの項目をどう書けばいいかわからない」というお声をよく聞きます。エンディングノートは、書き方に決まりがない分、かえって難しく感じてしまうのです。
この記事では、エンディングノートに書くべき9つの項目と具体的な記入例を、やさしく丁寧に解説します。さらに、多くの方が見落としがちなデジタル資産の書き方と、紙では管理しきれない情報を安全に残す最新の方法もご紹介します。
この記事を読んでわかること
– エンディングノートと遺言書の決定的な違い
– 書くべき9項目と具体的な記入例
– デジタル資産(SNS・ネット銀行・仮想通貨)の安全な記録方法
– 書き終わった後にすべきこと
1. エンディングノートとは?遺言書との決定的な違い
エンディングノートの目的と役割
エンディングノートとは、自分の人生の終わりに備えて、家族や大切な人への希望・情報・メッセージを書き残すための冊子やファイルのことです。
書く内容に法的な制約はなく、自分の言葉で自由に書けるのが最大の特徴です。医療・介護の希望、財産の情報、葬儀の意向、家族へのメッセージまで、自分が「伝えておきたいこと」をまとめて記録できます。
急な入院や認知症発症など、自分の意思を伝えられなくなったときに、家族が迷わず動けるよう「道しるべ」になるのがエンディングノートの本質的な役割です。
遺言書との3つの違い
エンディングノートと遺言書は、混同されがちですが、まったく別のものです。
| 比較項目 | エンディングノート | 遺言書 |
|---|---|---|
| 法的効力 | なし | あり(相続手続きに使用できる) |
| 書き方の制約 | 自由 | 法律で定められた形式が必要 |
| 費用 | 無料〜数百円 | 公正証書遺言は数万円〜 |
| 変更のしやすさ | いつでも自由に変更可 | 手続きが必要 |
最も重要な違いは「法的効力」です。エンディングノートに「〇〇に△△を相続させたい」と書いても、法律上の効力はありません。財産の分配など、法的に確実に実現したいことは、別途遺言書の作成が必要です。
エンディングノートと遺言書は「両輪」として活用するのが理想的です。
書くのに「早すぎる」はない理由
「まだ元気だから」「もう少し後でいい」——多くの方がそう考えて後回しにしてしまいます。しかし、エンディングノートは元気なうちに書くものです。
認知症が進んだり、病気で意思表示が難しくなってからでは、正確な情報を記録することができません。また、「書いた後に変えてはいけない」というルールはありませんから、状況が変わるたびに更新すれば問題ありません。
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2. エンディングノートに書く9つの項目と記入例
エンディングノートに書く内容に「これだけは書かなければ」という正解はありません。ただし、家族が困らないよう、以下の9項目はできるだけ記入しておくことをおすすめします。
① 基本情報・プロフィール
氏名・生年月日・血液型・本籍地などの基本情報のほか、自分史(生い立ち・学歴・職歴)を書いておくと、家族が相続や死亡届などの手続きをスムーズに進められます。
記入例
– 氏名:山田 花子(やまだ はなこ)
– 生年月日:1955年4月15日
– 血液型:A型
– 本籍地:東京都世田谷区〇〇1-2-3
– 運転免許証番号:〇〇〇〇〇〇〇〇
– マイナンバー保管場所:自宅金庫(暗証番号は長男・太郎に伝達済み)
② 医療・介護の希望(延命治療・終末期ケア)
家族が最も「決断を迫られて困る」のがこの項目です。意思決定能力がなくなったとき、どんな医療・介護を望むかを明記しておくことで、家族の精神的負担を大幅に軽減できます。
記入例
– 延命治療:望まない(人工呼吸器・胃ろうは不要)
– 告知:余命を含め、正直に知らせてほしい
– 介護の希望:できる限り自宅で。施設入居も家族の負担が大きければ受け入れる
– かかりつけ医:〇〇クリニック(03-XXXX-XXXX)
③ 財産・資産情報(不動産・預貯金・保険)
相続手続きで家族が最も時間を取られるのが「財産の全体像を把握すること」です。銀行口座・不動産・保険証券・株式などをリストアップしておきましょう。
記入例
– 銀行口座:〇〇銀行 〇〇支店 普通 1234567 / △△銀行 ××支店 普通 9876543
– 不動産:世田谷区〇〇町1-2-3(登記簿謄本は自宅書棚の赤いファイル)
– 生命保険:〇〇生命 証券番号A12345678(担当者:田中 090-XXXX-XXXX)
– 有価証券:〇〇証券(口座番号は長男に口頭で伝達済み)
④ デジタル資産(SNS・ネット銀行・仮想通貨・パスワード)
この項目は、現代のエンディングノートで最も重要でありながら、最も見落とされている部分です。
ネット銀行・証券・仮想通貨・SNSアカウントなどのデジタル資産は、本人しかアクセスできない場合がほとんどです。IDとパスワードを誰にも伝えずに亡くなると、家族はアクセスできず、資産が「消えてしまう」可能性があります。
一方で、パスワードをそのままノートに書くのは情報漏えいのリスクがあります。このジレンマへの対処法は後述します(→ デジタル資産の書き方)。
記入すべきデジタル資産の例
– ネット銀行(楽天銀行・住信SBIネット銀行など)
– ネット証券(SBI証券・楽天証券など)
– 仮想通貨取引所(コインチェック・ビットフライヤーなど)
– SNSアカウント(Facebook・Instagram・X)
– サブスクリプションサービス(Amazon Prime・Netflix等)
– クラウドストレージ(Google Drive・iCloudなど)
⑤ 葬儀・お墓の希望
「家族に任せる」でも構いませんが、希望がある場合は明記しておくと、家族間の意見対立を防げます。
記入例
– 葬儀形式:家族葬(参列者は親族のみ、30名以内)
– 宗教:仏教(〇〇宗)。お布施の目安は菩提寺に確認済み
– お墓:既存の山田家墓(東京都〇〇霊園)に入りたい
– 希望する花:白い花中心。派手な演出は不要
⑥ 家族・親族へのメッセージ
エンディングノートの「心」とも言える部分です。日頃言えない感謝や想いを言葉にしておきましょう。
⑦ 相続・遺言に関する希望
財産の分け方に希望がある場合はここに記載しますが、法的効力はないことを念頭に置いてください。確実に実現させるには、別途遺言書が必要です。
⑧ ペットの世話
ペットがいる場合、自分が先に逝った後の世話を誰に頼むかを明記しておきましょう。近年、「おひとりさま」の高齢者がペットの行方を心配するケースが増えています。
記入例
– ペットの名前・種別:チャコ(ミニチュアダックスフント・メス・10歳)
– かかりつけ獣医:〇〇動物病院(03-XXXX-XXXX)
– 世話を頼みたい人:長女・幸子(同意済み)
⑨ 大切な人の連絡先
いざというとき家族が連絡すべき相手(友人・知人・仕事関係者)のリストをまとめておきましょう。スマートフォンの中だけにある連絡先は、端末がロックされると取り出せなくなります。
3. エンディングノートの書き方5つのコツ
コツ1: 完璧を目指さず「途中まで」でOK
「全部書き終えてから渡そう」と考えると、永遠に完成しません。書けるところから少しずつ埋めていく姿勢が大切です。空欄があっても、書いてあること自体が家族への大きな助けになります。
コツ2: 定期的に見直す(年1回が目安)
資産状況・家族構成・気持ちは変わります。誕生日や年末年始など、決まったタイミングで見直す習慣をつけましょう。
コツ3: デジタルとアナログを組み合わせる
紙のノートは手軽ですが、紛失・水濡れ・火災のリスクがあります。デジタルデータはセキュリティの問題があります。両方を組み合わせ、補完し合う仕組みが理想的です。
コツ4: 家族に保管場所を伝えておく
どんなに丁寧に書いても、家族が見つけられなければ意味がありません。保管場所は信頼できる家族一人に伝えておきましょう。
コツ5: 専門家に相談が必要な項目を把握する
財産の分配・後見人の指定・遺言書の作成など、法的効力が必要な事項は、弁護士・司法書士・税理士に相談することで確実性が増します。
4. デジタル資産の書き方|紙では管理できない時代の対応策
デジタル資産を紙に書く3つのリスク
近年、資産の多くがデジタル化しています。ネット銀行・ネット証券・仮想通貨・電子マネーなど、物理的な通帳や証書が存在しない資産が急増しています。
これらを紙のエンディングノートに書くことには、3つのリスクがあります。
リスク1:情報漏えい
ノートを紛失したり、意図しない人の目に触れたりすると、生きているうちに口座を不正利用される可能性があります。
リスク2:情報の陳腐化
パスワードは定期的に変更するものです。紙に書いたパスワードが古くなり、死後に家族が使えないケースが多発しています。
リスク3:分散管理の限界
IDとパスワードをセットで管理しようとすると、ノートに書いた場合は「見せたくない人には見せたくない」というジレンマが生じます。
暗号化保管という選択肢(DENの三分割方式)
このジレンマを解決するのが、デジタル暗号化保管という方法です。
DEN(Digital Ending Note)では、デジタル資産の情報を暗号化して管理し、「三分割方式」で安全に家族へ引き継ぐ仕組みを提供しています。
- 情報を3つのパーツに分割して暗号化保管
- 本人が亡くなった場合のみ、指定された家族がアクセス可能
- 生前は本人以外アクセスできない設計
「パスワードを紙に書くのは怖い、でも家族に伝えなければ困る」という50〜80代の高資産層の方々が直面する課題に、テクノロジーで応えるサービスです。
エンディングノートのデジタル化にご興味がある方は、DENのサービス紹介ページをご覧ください。
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SNS・ネット銀行・仮想通貨の記載方法
デジタル資産をエンディングノートに記録する際のポイントをまとめます。
ネット銀行・ネット証券
– 金融機関名・支店名・口座番号を記載
– ログインIDは記載、パスワードは別管理(暗号化ツールや信頼できる専門家へ)
– 残高の目安は書かず、「存在する」という事実だけでも価値がある
SNSアカウント(Facebook・Instagram・X等)
– 各サービスには「追悼アカウント」や「アカウント削除依頼」の制度がある
– 希望する対応(削除 or 追悼アカウント化)を明記しておく
– パスワードの管理は暗号化ツールを活用
仮想通貨
– 保有取引所名と口座番号を記載
– ウォレットの秘密鍵は特に厳重な管理が必要(紛失すると永久に取り出せない)
– 相続は通常の金融資産と同様に課税対象となるため、税理士への相談が推奨される
5. エンディングノートの選び方|市販・無料・デジタルの比較
市販エンディングノートの特徴
書店やネット通販で1,000〜2,000円程度で購入できます。項目があらかじめ印刷されているため、何を書けばいいかわからない方にとって取り掛かりやすいのが利点です。
記入欄が固定されているため、自分に合わない項目もありますが、「枠に合わせて書く」ことで全体を網羅しやすくなります。
無料テンプレートの活用
法務省や市区町村が配布している無料のエンディングノートテンプレートも活用できます。Wordファイルで提供されているものは、パソコンで入力・印刷できるため、修正も手軽です。
- 法務省「法務局における自筆証書遺言書保管制度」(参考情報あり)
- 各自治体が配布するエンディングノート(市区町村の窓口・ウェブサイトで確認)
デジタルエンディングノートの特徴と選び方
スマートフォンやパソコンで管理するデジタルタイプは、修正が容易で、デジタル資産情報を安全に管理できるものもあります。
選ぶ際のポイント:
– 暗号化・セキュリティ対策が施されているか
– サービス終了時のデータ引き継ぎ保証があるか
– 家族への引き継ぎ方法が明確になっているか
DENは、相続・遺言・終活に関する大切な情報を暗号化して安全に保管するデジタル終活サービスです。現在、サービス開始に向けてモニターを募集しています。
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6. エンディングノートを書いた後にすること
遺言書作成の検討
エンディングノートには法的効力がありません。財産の分配・後見人の指定など、確実に実現させたい事項がある場合は、遺言書の作成を検討しましょう。
遺言書には自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。詳しくは専門家にご相談ください(→ 弁護士・司法書士)。
専門家(弁護士・司法書士)への相談タイミング
以下の事項がある場合は、専門家への相談をおすすめします。
- 法定相続人以外の人に財産を遺したい場合
- 相続人間でトラブルが予想される場合
- 家族信託・任意後見を検討している場合
- 相続税対策が必要な場合(相続財産が3,600万円超の目安)
- 仮想通貨など評価が難しい資産がある場合
参考リンク:
– 法務省「相続に関する情報」
– 国税庁「相続税の申告」
– 裁判所「成年後見制度」
– 日本公証人連合会
家族への共有方法
エンディングノートを書いたら、その存在と保管場所を信頼できる家族に伝えることが大切です。「書いた事実」と「場所」だけで十分です。内容を全部共有する必要はありません。
- 紙のノート: 耐火金庫 or 信頼できる家族の元へ
- デジタルデータ: 暗号化サービスを利用し、アクセス権を指定しておく
よくある質問
Q1. エンディングノートは法的効力がありますか?
A. ありません。財産の分配など法的に確実に実現させたい事項は、遺言書の作成が必要です。エンディングノートと遺言書は「両輪」として活用するのがベストです。
Q2. 何歳から書けばいいですか?
A. 年齢に制限はありません。元気なうちに書くのが理想で、「早すぎる」ということはありません。50代から準備を始める方も増えています。
Q3. デジタルエンディングノートは安全ですか?
A. セキュリティ対策(暗号化・二段階認証等)が施されたサービスを選べば、紙のノートよりも安全に管理できる場合があります。サービス選びの際は、運営会社の信頼性・暗号化方式・データ引き継ぎ保証を確認してください。
Q4. 書いた後に変更できますか?
A. いつでも自由に書き換えられます。定期的(年1回程度)に見直し、内容を最新の状態に保つことが重要です。
Q5. 遺言書と両方必要ですか?
A. 別々の役割があるため、できれば両方作成することをおすすめします。エンディングノートは「気持ち・希望・情報」を伝えるもの、遺言書は「財産の分配を法的に確定させる」ものです。
まとめ
エンディングノートは、完璧に書く必要はありません。書けるところから少しずつ、家族への「道しるべ」を残していくことが大切です。
特に現代において重要なのが、デジタル資産の管理です。ネット銀行・仮想通貨・SNSアカウントなど、紙では安全に管理しきれない情報が増えています。暗号化によるデジタル管理を活用することで、生前のプライバシーを守りながら、家族に確実に引き継ぐことができます。
「書き始め」のハードルを下げるために、まずはこの記事の「9つの項目」を参考に、書けるところから始めてみてください。
DENは、相続・遺言・終活に関する大切な情報を暗号化して安全に保管するデジタル終活サービスです。現在、サービス開始に向けてモニターを募集しています。
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監修: 本記事は終活・デジタル遺産の専門知識をもとに作成しています。個別の法律・税務・投資に関するご相談は、専門家(弁護士・税理士・司法書士)にご依頼ください。


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